1.興味
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次の日 昨晩の嵐は嘘のように 空は快晴だった。
アイリスは目を覚ました。
「ここは…?」
そして 辺りを見渡した。
「あれ…私…どうしたんだっけ…?」
アイリスは記憶を辿った。
「そうだ…あの時…お父様が…」
アイリスは昨日のことを鮮明に思い出した。
アイリス達が乗っている船の向こうにはネコ王国の旗を掲げた何隻もの軍艦がいた。
「アイリス なぜ逃げるのだ? 戻ってこい」
「…お父様……」
アイリスは胸の前で手を握りしめた。
「ランクス王! アイリス様や我々を騙しておいて よくそのようなことを言えますね!」
「! …お前たち…まさか……!!」
「…ええ。 先程の会話を聞いてしまいました」
「…っ……」
ランクスは悔しそうに拳を握りしめた。
「お前たちにはあとで重い罰を与える」
「我々はどうなろうと構いません! ですが…!! 「…お父様! おやめください!!」」
その時 アイリスが口を挟んだ。
ランクスはアイリスを見た。
「ならばアイリス、お前が戻ればその者たちを罪に問わないと約束しよう」
ランクスはいつものように優しく微笑んだ。
「! ………」
「アイリス様 騙されてはなりません! 貴女様を平気で騙す者ですよ!!」
「さあ アイリス様 この小舟でお逃げください!!」
「でもっ!!」
「この小舟は永久指針が付いていて 何もしなくてもアラバスタを目指して進んでくれる特別な小舟です」
「アラバスタへ!?」
「はい! コブラ様やビビ様なら貴女様を助けてくれるはずです!!」
「我々もあとで追いつきます。 ですから アイリス様、我々のことはお気にせず 早く!!」
「………」
アイリスは頷くと 小舟に乗り込んだ。
エレンはお金がたくさん入っているトランクケースを渡した。
「では またすぐにお会いしましょう アイリス様」
エレンはアイリスを安心させるように微笑んだ。
「エレン……はい。 必ず…」
そして アイリスを乗せた小舟はアラバスタに向かって進み出した。
「そうだ。 その後 嵐にあって 船が沈没したんだ…。 だとしたら…ここはどこ…!?」
アイリスはベッドから降りて 部屋を出た。
「人の気配がする…」
アイリスは広間に向かって歩き出した。
広間ではミホークとローが話していた。
アイリスはこっそりと広間を見た。
「!!」
アイリスは見知らぬ者たちであるミホークとローに気づいた。
やはり ここはアラバスタ王国ではない…
まさか オンブル王国!?
逃げなきゃっ!!
アイリスは自分が寝かされていた部屋に戻り 窓から逃げ出した。
「逃げたな…」
「………」
「“ROOM”」
ローはアイリスを城に連れ戻した。
「!!?」
外を走っていたアイリスは城の中にいることに混乱していた。
「どうして!? 私は外に…」
「“どうして”…こっちが聞きたい」
「ぬし なぜ逃げた?」
「“なぜ”ってあなた達は私を捕らえたのでしょう!? …どちらがガルディアン王かは知らないけど…私はあなたとは結婚しない!!」
「………」
「………」
ミホークとローはお互いに見合った。
そして 笑い始めた。
「何がおかしいのですかっ!?」
「くくっ…俺たちが王様に見えるか?」
「フッ。 王など興味もない」
「……え…?」
アイリスはきょとんとした。
「俺たちは海賊だ」
「…“海賊”…?」
「俺はハートの海賊団 船長のトラファルガー・ロー」
ローはミホークを示した。
「こっちは世界最強の剣士のジュラキュール・ミホーク」
「世界最強!? 凄いですね!!」
よかった
悪い人たちじゃないみたい
アイリスはキラキラした目でミホークを見た。
「……大したことでもない」
「いえいえ! 世界一なんてそう簡単になれることじゃないですよ!!」
アイリスは微笑んだ。
「……で… ぬし 名は?」
「……“ぬし”…あ 私のことですか? 私はアイリスと言います」
「…“アイリス”…その名前 どこかで聞いたぞ…」
ローは悩み始めた。
「そんなとこでつっ立っていないで座れ」
「…あ…すみません! …お邪魔します…」
アイリスはイスに座った。
「あの…」
「なんだ?」
「…聞きそびれてしまったのですが…“海賊”とは何なのでしょうか?」