1.興味
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ネコ王国の王女であるアイリスは船で 自国から逃げていた。
「まだ信じられません。 お父様が…嘘をついていたなんて……」
「お気持ちはわかります。 ですが 我々は聞いてしまったのです…アイリス様の父上であるランクス王とガルディアン王との会話を……」
アイリスの側近的立場のエレンはその時の状況を説明した。
「…っ……」
「アイリス様 どうか今は逃げることだけをお考えください!」
「……ええ…」
どうして…お父様…?
私の結婚はネコ王国とイヌ王国のためではなかったのですか…?
アイリスはエレンから聞いた話を思い返した。
「明日の結婚式の準備はできているんだろうな ランクス王?」
「ええ もちろんです ガルディアン王。 アイリスにはイヌ王国のシィアンと結婚するように伝えてあります。 準備も整い 明日は盛大な結婚式となることでしょう」
「それは楽しみだ」
その時 船が攻撃された。
「きゃっ!?」
「アイリス様 ご無事で!?」
「何事ですか!?」
「…ランクス王のようです」
「…お父様が…!?」
ミホークは嵐の中 クライガナ島 シッケアール王国跡地に帰ってきた。
そして 棺船を陸につけて降りた。
「!」
ミホークは陸にアイリスが倒れているのに気づいた。
アイリスの周りには木片が散らばり 隣にはトランクケースが落ちていた。
「…船でも沈没したのか…」
ミホークはアイリスに歩み寄った。
「…ハァ…ハァ…」
アイリスの呼吸は荒かった。
ミホークはアイリスの肩に触れた。
「…体が冷えている。 海水に浸かり 体温が奪われたか…」
ミホークはアイリスの額に触れた。
「随分と熱いな…」
ミホークは一瞬どうしようか迷ったが、アイリスを抱き上げ トランクケースを持って 城に入った。
そして ベッドに寝かせ ずぶ濡れになっているアイリスの服を脱がし ミホークは自分のシャツを着せた。
「ずぶ濡れの服よりはマシであろう…」
そして 額に冷たいタオルを乗せた。
ミホークは一度部屋を出て ローに電伝虫をかけた。
『なんだ 鷹の目屋?』
「病人だ」
『俺は今 お前がサボっている七武海の召集の帰りだ』
「なら 今すぐ来い」
『おい 無茶言…』
ミホークは電伝虫を切った。
その頃 ローは怒っていた。
「あいつ! 俺をこき使いやがって…!」
「キャプテン 落ち着いて…!」
「つーか あの鷹の目が病気になったのか?」
「確かに…ちょっと想像つかねェな…」
「フッ。 鷹の目屋が病気になったのなら それは見てみたいものだな! 全速力だ ジャンバール!!」
ミホークはアイリスを寝かせてある部屋に入り 額のタオルを変えた。
「下がりそうにないな…」
早く来い トラファルガー…
しばらくして ロー達が城についた。
「来たぞ 鷹の目屋」
「………」
ミホークはワインを飲んでいた。
「病人はお酒飲んじゃダメだよっ!!」
ミホークはベポを睨んだ。
「…すみません……」
ベポは凹んだ。
ミホークはワインを飲み干して グラスをテーブルに置いた。
「俺ではない」
ミホークは立ち上がって 歩き出した。
「こっちだ」
「………」
ローは後について歩き出した。
ミホークとローはアイリスを寝かせてある部屋に入った。
「…ハァ…ハァ…」
アイリスは荒い呼吸をしていた。
「まさかあんたの患者が女だったとはな…。 それも かなり上質な」
「…早く診ろ」
ローは微笑して アイリスの額に触れた。
「39℃と言ったところか」
ローはアイリスの様子を見た。
「特に感染症とかにはかかっていないみたいだな。 冷えからきた ただの熱だろう」
ローはカバンから薬を取り出して ミホークを見た。
「薬を飲ませる。 水は?」
ミホークは水を入れたコップをローに差し出した。
「俺が飲ませていいのか?」
ローは微笑した。
「?」
「“飲ませる”って言っても“口移し”だぜ」
「………」
「あんたみたいな男が拾った女だ。 何かしらの想いが…「そんなものはない」」
ミホークはローの手から薬を取った。
「“口移し”など何も減るものでもあるまい」
「あんたはそうかもしれねェけど この女はどうだろうな…」
「! ………」
ローは微笑すると 部屋の扉に向かって歩き出した。
「ま その薬は俺が調合したものだ。 1錠飲めば明日には元気になる」
そして ローは部屋から出ていった。
…誰か……そこにいるの……?
ミホークは薬と水を口に含み アイリスに深く口付けた。
…あ……爽やかなダージリンティーとシトラスの香り……
そして 薬と水を流し込んだ。
…あなたは……誰なのですか……?