3.接触
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「貴殿から微かにネコの匂いがするのだが……」
「!」
エルシドは一瞬目を見開いたが、平静を装った。
「……先程 ネコの者に絡まれてな」
鼻は効く様だな…
「それは 私の国の者が失礼した様で申し訳ない」
そう言うと ランクスは妖しい笑みを浮かべた。
「では 私は予定があるので ここで失礼するよ」
「……はい」
相変わらず 何を考えているのかわからん男だ…
ランクス達と別れたエルシドは壁に隠れて様子を窺っているアイリスの方へ歩き出した。
「!」
アイリスは顔を引っ込めた。
どうしよう…戻って来ちゃう……
「! …まだいたのか?」
「……ごめんなさい…」
「……貴女に会わせたい者がいる」
「……私に…?」
ミホーク達は仮面舞踏会の参加者たちがいなくなった大広間でヴィクト達と戦闘していた。
「お前たちは何者だ?」
〔俺たちはガルディアン王の直属の配下 ”隠”!〕
「“ガルディアン王の直属”だと!?」
〔ああ。 まあその中でも特殊だがな〕
〔“隠”と言って ネコ王国や他の王国の一般の方々より 強力な変身が出来る者の集まりの事です〕
〔簡単に言うと…奇形種よ…〕
そう言うと ジュレは瞳を伏せた。
「………」
…アイリスとは違い、姿を変えても尚 会話が出来る……
よほど特殊な存在らしいな
アイリスはエルシドに連れられ 1つの部屋にやって来ていた。
「入るぞ」
エルシドは扉を開いた。
アイリスとエルシドが部屋に入ると 一人の男性がソファに座っていた。
男性は立ち上がり 優しい笑みを浮かべた。
アイリスは会釈した。
【君がアイリスかな?】
「…はい」
「俺はシジフォス。 君を待っていたよ」
「……私を?」
シジフォスは頷いて 本棚に手をかけた。
すると 本棚が動き 地下室への通路が現れた。
「!」
「さあ こちらへ」
シジフォスはアイリスの手を引いた。
「……え…でも……」
戸惑っているアイリスはエルシドを見た。
「安心しろ」
「! ……はい…」
…やっぱりこの人…ミホーク様に似てる……
アイリスはシジフォスに手を引かれ 地下室への階段を下った。
シジフォスは地下室の扉を開いた。
地下室の中は薄暗く アイリスは立ち止まっていた。
「そう 警戒するな」
「………」
アイリスはゆっくりと地下室の中に入った。
エルシドは扉を閉めた。
「……私に会わせたい人って…… !」
【シジフォス、エルシド 感謝するよ】
その時 奥から仮面をつけた男が姿を現した。
「お安い御用だよ」
仮面をつけた男はアイリスの前に立った。
「っ!」
…この人のオーラ…怖い…
アイリスは恐怖で動けなくなってしまっていた。
「…怖がらせてしまった様ですまない」
「!」
…穏やかな口調……
アイリスは深呼吸をして 口を開いた。
「……あなたは…どなたなのですか…?」
「…私は…貴女と婚約をしている、ランブル王国のガルディアンだよ」
「!?」
アイリスは目を見開いて驚いた。
【…全く 俺を置いて勝手に動くなよ! 誰の情報だと思っているんだ!】
あまり状況は良くなさそうだな…
まずはアイリスを探すのが先決だな…
その頃、ミホーク達はヴィクト達と交戦していた。
〔アイリスの事が気になるか 鷹の目?〕
「…ぬしはアイリスと知り合いか…?」
〔ああ。 アイリスが小さい頃によく会っていた。 まァ ある事件によって もう全然会ってねェがな…〕
「……“ある事件”…?」
〔お前が知る必要もない…って言う訳にもいかねェか…〕
アイリスの想い人かもしれねェ奴だからな……
「…どういう意味だ?」
〔いや こっちの話だ。 安心しろ。 もう少ししたらアイリスは返してやるよ〕
「………」
目の前の男がガルディアン王と知ったアイリスはその場に立ち尽くしていた。
「………」
どうしてだろう……
初めて会ったはずなのに……
「…私の顔に何か…あぁ 仮面の事かい? 訳あって外せないんだ。 無礼を許してくれ」
「…いえ」
初めて会った感覚じゃない……
「そんなに警戒しなくても大丈夫。 取って喰おうって訳じゃないから 安心して」
「彼は貴女と話をしたいだけだ」
「……話って…何ですか?」
それよりむしろ……
「立ち話もなんだから ソファの方へどうぞ」
「………」
アイリスは警戒しながら ソファに座った。
ずっと近くにいた感覚がする――…