3.接触
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ミホーク達に声をかけて来た “ヴィクト卿”と呼ばれた長髪の貴族らしい男はミホークとマルコを見た。
「何者だ?」
「俺はヴィクト。 エレンと同じく ガルディアン王と親しい間柄の者だ」
「なら 詳しく話を… !?」
その時 外から爆発音が聞こえてきた。
【痛って!】
ジュレと戦闘していたエースが大広間の方に入ってきた。
〔ふふふ。 逃げないでよ お兄さん♡〕
大きなカラスの姿をしたジュレも大広間の方に入ってきた。
仮面舞踏会の参加者たちは驚き 逃げていった。
「エース!」
能力者か…?
エースは声の主を見た。
「マルコっ!」
「アイリスはどうした?」
「アイリスは館の中に避難させた。 俺と一緒にいると 危ねェから!」
「………」
1人でいさせるのも危険過ぎる…
直ぐに合流しなくては…
「ジュレ あんまり館を破壊するなよ?」
〔わかってるわよ。 それより 手 貸してくれるんでしょ? 3人相手はしんどいわ…〕
「仕方ねェな」
ヴィクトは気怠そうに頭を掻いた。
ヴィクトはミホーク達に視線を戻した。
「…さてと めんどくせェがやるとするか…」
ヴィクトは横目でエレンを見た。
「エレン」
「……はい」
エレンは大きな猫の姿に変えた。
「不死鳥 俺はアイリスを…「てめェらを行かせるわけにはいかねェぜ」」
ヴィクトはミホークの前に立ち塞がった。
「邪魔をするな !」
ミホークは飛んできた剣を掴んだ。
「剣を持たない大剣豪など 戦ってもつまらん…」
そう言って ヴィクトは大きな虎の姿に変えた。
「!」
〔さあ 始めましょう お兄さん方♠〕
〔せいぜい楽しませてくれよ?〕
「「っ!」」
〔………〕
その頃、アイリスは館の中の通路にいた。
「どうしよう…迷子になっちゃった…」
アイリスは空気中の匂いを嗅いだ。
「…ダメだ…人が多すぎて ミホーク様たちの匂いが正確にわからない…」
こんな時…シィアンがいたら……
【おや 大広間の方が騒がしいですね…】
【大した事ではないだろう 放っておけ】
「!?」
この声…お父様!?
ランクス達の足音がアイリスの元へ近づいてきていた。
どうしよう…このままじゃ…!
「っ!」
その時 アイリスは後ろから口を塞がれ 体を引かれた。
そして アイリスの体は壁の方に引っ張られ 腕を引いた人物の体温をすぐ背後で感じた。
「んんっ!」
放してっ!
アイリスは拘束から逃れようと踠いた。
「そこに誰かいるのか!?」
「!」
【暴れるな。 少しの間 大人しくしていろ】
「っ!」
…この人の雰囲気…どこか ミホーク様に似てる……
アイリスは抵抗をやめた。
アイリスを拘束していた男は拘束を解き ランクス達の方へ歩いていった。
「おお これはこれは エルシド王。 貴殿でしたか…」
「……お招き頂き ありがとうございます」
調子のいい男だ…
“エルシド王”と呼ばれた男とランクス達はお互いに一礼し合った。
【!?】
お父様の知り合い…!?
アイリスは壁に隠れながら 様子を窺っていた。
【………】
この場から立ち去った方がいいのかな…?
…でも…あの人 …悪い人じゃない気がする……
アイリスはもう少し様子を見ることにした。
「そう言えば エルシド王、ランクス王のお嬢さんのご結婚の話 お聞きしてますか?」
「…ええ」
シィアンとの偽りの結婚の話か…
エルシドはランクスに視線を戻した。
「…ご結婚 おめでとうございます」
「ありがとう」
ランクスは嬉しそうに笑った。
【っ! ………】
…お父様……嬉しそう……
アイリスは瞳を伏せた。
その後、エルシドはアイリスの結婚の話をしているランクス達を観察していた。
「………」
本当の相手がガルディアンだと知ったら…どんな反応を示すのだろうな……
エルシドはアイリスが隠れている壁の方を見た。
「エルシド王」
「!」
エルシドはランクスに視線を戻した。
「貴殿は相変わらず寡黙だな」
「………」
「…ところで…」
ランクスの目つきが変わった。
「貴殿から微かにネコの匂いがするのだが……」
「!」