3.接触
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ミホークとマルコは淑女たちから アイリスの父親であり、ネコ王国の国王であるランクスの情報を少し得ていた。
「ところで、ランクス王のこと そんなに聞いてどうするおつもりですの?」
「もしかして アイリス王女狙い?」
「…まあ そんなところだ」
「とても美しい王女だと聞いたので、今宵 会えるのを楽しみにしていたんだが…」
「アイリス王女はこう言う場所に来たことはないわ。 だから 私たちも直接会ったことがないから どんな人かも分からないの」
「それに 婚約者がいるって噂よ。 …確かお相手はイヌ王国の王子だったはずだわ」
「…それは残念だ」
…婚約者はガルディアン王ではなかったのか……?
「話を変えるが、オンブル王国の国王 ガルディアンについて 何か知らないか?」
「「「!?」」」
ミホークの言葉に淑女たちは顔面蒼白になった。
そして 逃げる様に立ち去っていった。
「……聞いてはいけなかった様だな…」
「他を当たるか…」
【私でよければガルディアン王の事 話そうか?】
「「!」」
ミホークとマルコは振り返って 声の主を見た。
その頃 アイリスとエースはテラスにいた。
「アイリス 疲れてないか?」
「大丈夫です。 心配してくれてありがとう エースさん」
そう言って アイリスは微笑んだ。
「……俺さ 王族とかよくわからないけど、アイリスを見てると大変だなって思うよ」
「え? どうして?」
「“どうして”って言われると 言葉にするのは難しいんだけど…、なんだろう…何かに縛られてるって言う感じみたいな…自由がない感じ…?」
「………」
アイリスは瞳を伏せた。
「あ ごめんな! そんな顔させるつもりじゃっ…!」
【あらあら かわいそうに】
「「!」」
アイリスとエースは声の主を見た。
そこには、妖美な女性が立っていた。
「ダメよ。 女の子を泣かしちゃ…」
「誰だ?」
「私はジュレ」
ジュレはアイリスの手を引いた。
「私とお話ししましょう」
「え ちょっと…」
この人の匂い…さっきの人と同じでどこかで……
「アイリスから手を離せ!」
エースはアイリスの手を掴むジュレの手を退けた。
「痛いじゃない。 あなた 本当に女の子の扱い方 知らないのね…」
「あの……初対面ではないですよね…?」
「!?」
エースはアイリスを背中に隠して 構えた。
「ふふふ。 話し方 気をつけたつもりだったのに…」
ジュレの目つきが変わった。
「やっぱり “ネコ”も鼻が効くわね♠」
「!」
…まさか さっきの門番の人!?
じゃあ イゾウさんも まさか!?
「…何が目的だ?」
「もちろん アイリス王女よ♢」
そう言うと ジュレは背中から黒い翼を生やした。
「!」
…黒い翼…
…カラス……?
…でも人の姿のまま変化できるな人なんて知らない……
「お前 能力者か?」
「能力者? 違うわ。 私は“カラス王国”の者。 “ネコ王国”や“イヌ王国”と同じような国よ」
「同じ…」
エースはアイリスを見た。
アイリスは首を横に振った。
「同じじゃないわ。 私 人の姿のままネコになれないから…」
「じゃあ…」
アイリスとエースはジュレに視線を戻した。
ジュレは妖美に微笑んだ。
「そうね 私たちは普通とは違うから…」
ジュレの姿は大きなカラスの姿になっていった。
「「!?」」
ミホークとマルコに話しかけてきたのは男装したエレンだった。
「何者だ?」
「私はガルディアン王と親しい関係にある者です」
「ほう。 それならガルディアンの事をよく知ってそうだな」
「ええ。 まあ…」
エレンは意味有りげな笑みを浮かべた。
「ガルディアンの事を話したら 逃げる様に去っていったんだが…一体何者だ?」
「ふふっ。 随分とストレートに聞かれるのですね。 …そう言うところに惹かれたのかもしれませんね」
「……何の話だ?」
「いえ 失礼。 こちらの話です」
エレンは真剣な目つきになった。
「ガルディアン王は“影”の国の国王、その為 謎が多き人物でも有ります。 また、普段から仮面をして顔を隠しております。 そう言う部分でも恐れられているのかもしれません」
「仮面…」
「ガルディアンに親しい輩がいると言う事は、この館に来ている。 そして、一人だけ仮面をしていては目立つから仮面舞踏会にしている…そう受け取っていいか?」
「……好きに受け取ってもらって構いません」
とても鋭い方…
「ガルディアンの素顔を見た事はあるか?」
「ええ ありますよ。 因みに、ガルディアン王とアイリス様は…【話し過ぎだぞ エレン】」
ミホークとマルコは声の主を見た。
「申し訳ありません…」
エレンは背を向けたまま 横目で声の主を見た。
「…ヴィクト卿」