2.恋の病
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【それは俺の仕事だ】
シャンクスが眠っているアイリスを部屋に運ぼうとしていたところに ミホークが帰って来た。
「随分と遅かったな」
「お前には関係ない」
そう言って ミホークはアイリスの側でしゃがんだ。
「久しいな アイリス」
ミホークはアイリスの指に触れた。
「指の傷は治ったようだな…」
ミホークはアイリスをそっと抱き上げた。
「さて 用も済んだことだし、俺たちは帰るとするか」
「お前にしては随分と気が利くじゃないか?」
「…別に」
「お頭」
「ちゃんと アイリスの作った料理 食べろよ! ……じゃあな」
アイリス…幸せになれよ…
そう言うと シャンクスは城を出て行った。
「………」
「すまねェな。 あんたに嫉妬してるみたいだ」
「俺には理解することがない、愚かな感情だと思っていたが…今の俺にも理解できる…」
ミホークは抱えているアイリスを抱きしめた。
「アイリスを…手放したくない……そう思えるのだ」
「…そうか…。 じゃあ 俺も失礼する」
そう言って ベックマンは背を向けて歩き出した。
「………。 長い間 苦労をかけた」
ベックマンは立ち止まり 振り返った。
「いや こっちも楽しい日々を送れたよ」
「…そうか」
「あ それと…アイリスはあんたが帰ってくることを知らない。 お頭が“内緒にしたい”って言うんでな」
「…わかった」
シャンクス達が帰り、アイリスを抱えたミホークはアイリスの部屋に向かって歩き出した。
アイリスの部屋に入り、ミホークはアイリスをベッドにそっと寝かせた。
「……久しぶりに見る顔がぬしの寝顔とは…」
早くぬしの声が聞きたい…
ミホークはアイリスの頬に触れた。
「……ん…」
ミホークは微笑した。
「ぬしが一生懸命作った料理 頂くぞ」
そう言うと ミホークはアイリスの部屋を出て行った。
そして、広間に戻り アイリスが作った料理を食べた。
しばらくして 天候が嵐になってきた。
ゴロゴロ…!
外では雷鳴が轟いていた。
「……ん…」
アイリスは雷の音で目が覚めた。
「何の音…?」
ガカッ!!!
その時 近くに雷が落ちた。
「キャ――――――!!!」
アイリスは耳を塞ぎ 悲鳴をあげた。
「…雷…怖いよ……っ!」
アイリスは毛布に包まり 恐怖に耐えていた。
ガカッ!!!
その時 また近くに雷が落ちた。
「キャ――――――!!!」
アイリスは耳を手で塞ぎ 再び悲鳴をあげた。
その瞬間、優しく抱きしめられた。
「!?」
…この匂いって…
アイリスは毛布から顔だけを出した。
「…ミ ミホーク様…!?」
「久しいな アイリス」
「ミホーク様…っ」
アイリスの瞳からぽろぽろと涙が流れ落ちた。
「! 寂しい思いをさせたみたいだな…」
ミホークはアイリスの涙を指で拭った。
アイリスは何度も頷いた。
「ミホーク様はいつお戻りに?」
「今さっきだ。 それよりぬし…雷が怖いのか?」
アイリスの体は震えていた。
「……はい」
「ぬしが叫び声をあげていては眠れん」
「…ごめんなさい」
「まったくぬしは本当に世話を焼かせる。 じっとしていろ」
「……はい…」
あ ミホーク様の匂い…
やっぱり落ち着く……
アイリスは目を瞑った。
雷の音は遠くに聞こえ、代わりにミホークの鼓動を感じた。
しばらくして アイリスはウトウトしてきた。
「眠くなってきたか?」
アイリスは頷いた。
ミホークはアイリスをベッドに寝かせた。
そして 部屋を出ていこうと扉の方に体を向けた。
「!」
その時 腕を掴まれた。
「行かないで ミホーク様…。 …私が寝るまでそこにいてください…」
「………」
ミホークはベッドの横にイスを持ってきて座った。
「ありがとうございます ミホーク様…」
「構わん。 いいから早く寝ろ」
「じゃあ 手を貸してください」
「………」
ミホークは無言でアイリスの方に手を伸ばした。
アイリスはミホークの手を大事そうに両手で包み込んだ。
しばらくして アイリスはミホークの手を握りながら眠ってしまった。
「……やっと寝たか…」
アイリスからは規則正しい寝息が聞こえていた。
「……まったく困ったものだ…」
そう言って ミホークはアイリスの両手に包まれている自分の手を見た。
ぬしが眠っても ここから離れられないではないか――…