2.恋の病
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アイリスがクライガナ島でミホークと一緒に暮らし始めて1ヶ月が経った。
アイリスは熱を出し ベッドで眠っていた。
ミホークは1ヶ月前にローからもらった薬をアイリスに飲ませ 看病していた。
「……ん…」
「アイリス 大丈夫か?」
「…ミホーク様……ゴホッ ゴホッ」
「寝ていろ」
「…ごめんなさい……」
ミホークはアイリスの額に触れた。
…まだ熱いな……
この間は1日で良くなったのに なぜ治らん?
薬が効かんのか…?
「…ミホーク様……」
アイリスはミホークの手に触れた。
「私は…大丈夫ですから……ミホーク様は会議に……」
「そんな状態のぬしを放って行けん。 それに 今頃 終わっている頃だ」
その時 電伝虫が鳴った。
「俺だ」
『鷹の目屋 なぜ来なかった!?』
「こちらにも色々とあってな。 …アイリスが熱を出した」
『アイリスが!? こないだやった薬はどうした!?』
「飲ませた。 だが 下がらんのだ…」
『…わかった。 これから急いで向かう』
「……頼む」
ローとの会話を終え ミホークはアイリスを見た。
アイリスは荒い呼吸をして 苦しそうに眠っていた。
「…アイリス」
ミホークはベッドの側のイスに座り アイリスの手に触れた。
しばらくして ロー達が城についた。
「入るぞ」
ローはアイリスの部屋に入った。
ミホークはアイリスの手から自分の手を退けて イスから立ち上がった。
「アイリスの容態は?」
「咳と熱だ。 咳はだいぶ治ったが…熱が下がらん」
ローはアイリスを診た。
「風邪に間違いなさそうだが…」
なぜ あの薬で治らない?
ローはミホークに視線を戻した。
「本当にあの薬を飲ませていたんだよな?」
「ああ。 今日もさっき飲ませた」
「……食べ物は何を食べさせた?」
「あまり食欲がないと言うのでな 紅茶だけだ」
「………」
ミホークの言葉にローは呆れてしまった。
「なんだ その呆れたような顔は?」
「誰だって呆れるわ! 病人に紅茶だけ飲ます奴がどこにいる!?」
「基本的に紅茶かワインしか食事としていないからな…」
ローはため息をつき 頭を抱えた。
もっと早く気づくべきだった…
この杜撰な男がちゃんと食事を摂るわけがない……
ローは真剣な顔でミホークを見た。
「医者としてはっきり言わせてもらう。 このままじゃアイリスは弱っていく」
「!」
「お前は食事を摂らなくても 何ともないかもしれない。 だが 一般人であるアイリスはそうはいかない。 薬を飲んでも熱が下がらないのも…そもそも 風邪を引いたのはアイリス自身の免疫力がないからだ」
「………」
ミホークはアイリスを見た。
「……すまなかった アイリス…」
「免疫力をつけさせる為 アイリスには点滴を打つ。 免疫力がつけば 熱も下がり 元気になるだろう」
「…そうか」
「だが 食生活を見直せ。 ちゃんと食事をさせろ。 このままの生活を続ければ アイリスは弱り 最悪の場合 死ぬぞ」
「……わかった…」
数日後 アイリスは元気になった。
「ローさん 今回もお世話になりました。 ありがとうございました!」
「いや アイリスが元気になってよかった」
ローはミホークを見た。
「………」
ミホークはアイリスを見た。
「すまなかった アイリス」
「え? そんな…私の方こそ 迷惑をかけてごめんなさい」
「いや 俺が悪いのだ。 ぬしが謝ることはない」
「……ミホーク様…」
「アイリス」
アイリスはローを見た。
「医者として言わせてもらう。 今度からはちゃんと食事を摂れ。 紅茶などで済ますな」
「…でも それは…「鷹の目にはちゃんと言ってある」」
ローはミホークに視線を戻した。
アイリスもつられて見た。
「わかっている。 知り合いにいいのがいる」
「“出張レストラン”か?」
「! 知っているのか?」
「ああ。 俺もたまに利用させてもらっている。 要望にも答えてくれるし、見た目、味、栄養面 どれをとっても勝るものはそうそうないからな」
「随分と褒めるのだな?」
「…前にちょっとあってな…」
「まあいい。 もう夕方だ。 ロー お前に奢ろう」
ローは微笑した。
ミホークは電伝虫で出張レストランに連絡をした。
しばらくして 人がやってきた。
「「「お呼びいただきありがとうございます! 出張レストランです!」」」