2.恋の病
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次の日の夕方、ミホークが帰ってきた。
「ミホーク様 お帰りなさい!」
アイリスは笑顔で出迎えた。
「…ああ」
シャンクス達は温かい目で 2人を見守っていた。
「アイリス」
ミホークは突然 アイリスの首の後ろに手を回した。
「ミホーク様っ!?」
「じっとしていろ」
「……っ…」
アイリスは恥ずかしさで顔を伏せた。
「顔を上げろ アイリス」
アイリスは恐る恐る顔を上げた。
それと同時に首元でチャラ…と音がして 爽やかなダージリンティーとシトラスの香りがした。
「いい匂い…」
この匂い…ミホーク様のフレグランス…?
アイリスは首元を見た。
「ミホーク様…これって…」
「フレグランスペンダントだ。 ぬしが好きと言った俺のフレグランスを入れて作らせた」
「……私のために…?」
「他に誰がいるのだ?」
アイリスはミホークに笑顔を向けた。
「…ミホーク様…ありがとうございます! 大切にします!」
「……ああ」
「鷹の目 照れてる~」
シャンクスはミホークの肩に腕を回した。
「……離れろ」
ミホークはシャンクスの腕を払った。
「素直じゃないなァ…」
ミホークはアイリスに視線を戻した。
「アイリス 今日の会議のことだが…」
ミホークは会議の内容を話した。
「ミホーク様…疑われてしまっているのですか!?」
「疑われるのを覚悟して アラバスタに行ったつもりだが?」
「それだったら私…「“行きたい”とは言わなかった…か?」」
アイリスは図星を突かれ 口籠った。
ミホークはため息をついた。
「アイリス 俺は寝る」
そう言うと ミホークは自分の部屋へ向かって歩き出した。
「ミホーク様 お疲れなのですか? 何か栄養のあるものを持っていきましょうか?」
「いらん。 起こしにも来るな」
「…わかりました。 ゆっくりお休みください」
ミホークは広間を出ていった。
「……ミホーク様…」
「心配しなくても大丈夫だって!」
「シャンクスさん…。 …私…ミホーク様を怒らせてしまったのでしょうか?」
「え…眠いだけだと思うけど? 眠い時に話しかけるとあいつ 不機嫌だからさ」
「……そうだといいんですが…」
「それより 夕飯にしようぜ。 腹 減った」
「…あ はい…!」
アイリスは厨房に向かっていった。
「…あー あー 俺もアイリスみたいな彼女欲しいなー!」
シャンクスはソファに寝転んだ。
「鷹の目から取ろうかなー…勝った方がアイリスと付き合う権利がある みたいな…」
【やめておけ お頭】
すぐそこにベックマンが立っていた。
「お頭が勝っても 負けても悪役になるのが見える」
「どう言う意味だよ?」
「アイリスは一途だってことだ」
「へ?」
ベックマンは厨房に向かって歩き出した。
「ベックマン いまいち意味わかねェんだけど?」
「そのままの意味だ」
ベックマンは厨房にいるアイリスの横に立った。
「なあ アイリス?」
「……はい?」
アイリスが目をきょとんとしていると ベックマンは微笑した。
アイリスの心は鷹の目に向いている
そして 鷹の目の心も…
そのことに気づくのはいつになるのやら……
アイリスとベックマンは夕食を作った。
材料は赤髪海賊団から譲ってもらったので ミホークと二人きりのときと違い ワインだけでない夕食ができた。
「今日も素敵な夕食ですね」
「………そうか?」
「アイリス いつもどんな夕食なんだよ!?」
「ワインか紅茶だけです…」
「「「え…え―――――!?」」」
アイリスの言葉にシャンクス達は思わず大きな声をあげた。
「みなさん 静かにしないとミホーク様が…【騒がしい奴らだ…】」
アイリス達は声の主を見た。
「ミホーク様…」
そこには不機嫌そうにしているミホークがいた。
「騒がしくて寝てもいられん」
「ミホーク様 体調の方は大丈夫ですか?」
「問題ない。 ワインをくれ」
「ミホーク様 体調も万全ではなさそうですし 今日はおやめになった方が……「余計なお世話だ !」」
ミホークはついキツく言ってしまったことに気づいたが もう遅かった。
「…ごめんなさいっ……」
アイリスは涙が溜まっている瞳を掌で隠しながら 広間を出ていった。
「アイリス! ………」
ミホークはため息をついて ソファに寄り掛かった。
「おいおい 鷹の目、今の言い方はないんじゃないか?」
「……わかっている…」
ミホークはイライラした様子だった。
眠いだけじゃないな この不機嫌さ…
もしかして…
「鷹の目がイラついてるのって…俺が原因?」
「…いや……お前たちではない」
ミホークは自分を落ち着かせるようにワインを飲んだ。
「じゃあ 何が原因だよ?」
【鷹の目 会議で何かあったか?】
「………」
ミホークはワインが入ったグラスを見た。
「…あの男だ」