1.興味
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
棺船はサンドラ河を通り アラバスタの首都 アルバーナに着いた。
夜のため辺りは暗く、アルバーナの街が明かりを照らしているだけだった。
「私 姿を変えますね」
アイリスは姿を変えようとした。
「待て」
「?」
「この暗さなら顔もよく見えんだろう」
「…確かにそうですけど…」
「なら そのままでいろ。海軍も俺が女を連れているとは思わん」
「…え……海軍もいるのですか!?」
「大方は海岸付近にいるだろうが、国内にも少しいると思った方がいいだろう。 アイリス 念のためにこれを羽織り 顔を隠しておけ」
ミホークはアイリスの肩にマントを羽織らせ、頭にフードを被せた。
「あ ありがとうございます」
あ ミホーク様の香り…
アイリスは目を瞑り 香りを楽しんだ。
「……何をしている アイリス?」
「はっ…! ご ごめんなさい! …ミホーク様の香りが気に入っているもので……」
アイリスはそう言った後 恥ずかしくなり 顔を真っ赤にした。
「! …そうか……」
「…っ……」
ミホークの反応の薄さに益々 アイリスは恥ずかしくなった。
「行くぞ」
ミホークは背を向けて歩き出した。
アイリスも後に続いて歩き出した。
「そのマント 好きにしろ」
「…え…? …もらってもいいと言うことですか…?」
「そう言ったつもりだが?」
「あ ありがとうございます! 大切にします!!」
アイリスは嬉しそうに笑った。
「それで どこへ行けばいいのだ?」
「アルバーナ宮殿です」
「国王とは知り合いか?」
「はい。 特に王女のビビとは大親友です!」
「国王や親友に救いを求めるか…その判断は正しい。 だが アルバーナ宮殿に正面から行くのはやめておいた方がいいだろう。 見張りがいる可能性がある」
「…そうですね。じゃあ ペルさんを呼んで宮殿まで運んでもらうのはどうでしょう?」
「“ペル”?」
「アラバスタ王国護衛隊副官です。 “ハヤブサのペル”と呼ばれたりしてます」
「護衛の者を動かすのもやめた方がいい」
「どうしてですか?」
「国王関係に海軍の見張りがついている可能性がある。 ぬしとアラバスタとの関係の情報も海軍に知られているだろう」
「私が猫の姿になって潜入はどうでしょう?」
「それも無理だな。 恐らくアイリスが猫の姿になれる情報も知っているはずだ」
「……では どうすればいいのでしょう…? 私 アラバスタに来たのが初めてなので 地理もよくわかりませんし……」
「…致し方ない」
「ミホーク様 あまり手荒なことはなさらないでくださいね…」
「心配するな。 アイリス やはりぬしは猫の姿になっていろ。 他は何もしなくていい」
「……わかりました」
そう言うと アイリスは小さな黒猫の姿に変えた。
ミホークは小さな黒猫の姿をしたアイリスを肩に乗せて マントを羽織り直した。
「行くぞ」
〔ニャー!〕
はい!
ミホークはアルバーナ宮殿を目指して歩き出した。
アルバーナ宮殿に近づくにつれ 海兵が増えてきた。
「………」
やはり 海軍が待ち構えていたか…
ミホークはアルバーナ宮殿の後ろ側に回った。
後ろ側はほとんど海兵はいなかった。
「跳ぶぞ。 しっかり掴まっていろ」
〔ニャ? ニャ?〕
え? この高さを…?
アイリスの心配を他所に、ミホークは地面を蹴って アルバーナ宮殿に入った。
〔…ニャー…〕
…すごい…
アルバーナ宮殿の中にはあまり海兵がいなかった為 楽に王室のすぐそこまで辿り着いたが、ミホークの予想通り 王室の扉の前に二人の海兵がいるのが見えた。
「…やはりな」
ミホークは壁に隠れ アイリスを見た。
「アイリス 俺はこれから国王と話すのを理由に この部屋から海兵を下げさせる。 その後は自由に話せ。 だが あまり大声を出すなよ」
小さな黒猫の姿をしたアイリスは頷いた。
ミホークは再び 王室に向かって歩き出した。
二人の海兵は歩み寄ってくるミホークに気づいた。
「「鷹の目!?」」
「国王と話がしたい」
「…要件を聞こう」
「お前たちに話す必要はない」
二人の海兵はお互いに見合い ミホークに視線を戻した。
「少しだけだぞ。 いいな?」
「十分だ」
そして 海兵は王室の扉を開けて ミホークを中に入れた。
「「「鷹の目!?」」」
王室の中には国王のコブラ、王女のビビ、護衛隊長のイガラム、護衛隊副官のチャカとペルがいた。
ミホークは海兵が部屋から出て 扉を閉めたのを確認すると コブラ達に歩み寄った。
「ネフェルタリ・コブラ お前と話したい者がいる」