1.興味
name change
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アイリスは夢を見ていた。
アイリスはネコ王国の王である父のランクスに呼び出され ランクスの部屋にいた。
「どうかしたのですか お父様? とても深刻な顔をしていますよ…」
「アイリス 大事な話があるんだ」
「…大事なお話?」
「ああ」
ランクスは一度目を瞑り そして開いた。
「シィアンと結婚して欲しいのだ」
「…シィアンと?」
ランクスは頷いた。
「我々 王族同士は仲がいいかもしれん。 だが 国民は種族の隔たりを気にし あまり仲が良くない…」
「…はい……」
アイリスは悲しそうな顔をした。
「だから、アイリスとシィアンが種族を越えて結婚すれば 国民たちも友好関係をもっと深めてくれると思うのだ」
「………」
「頼む アイリス」
ランクスは頭を下げた。
「頭をお上げ下さい お父様!」
「!」
ランクスは頭を上げた。
「シィアンとなら私は構いませんよ。 私 シィアンのこと好きですもの」
ランクスの表情は明るくなり ランクスはアイリスを抱きしめた。
「これで国同士がもっと交友関係になれるぞ!」
「はい!」
アイリスはランクスを抱きしめ返した。
【アイリス!】
「!」
ミホークの声によってアイリスはそこで目が覚めた。
目の前には心配そうにしているミホークがいた。
「大丈夫か? 顔色が悪いな…」
「……大丈夫です。 !?」
アイリスは自分の姿が人間の姿に戻っていることに気づいた。
「ご ご ごめんなさい ミホーク様!! 今 どきますっ!!」
「暴れるな アイリス。 海に落ちる」
ミホークは自分の上から降りようとしているアイリスの体を優しく抑えた。
「安心しろ。 ちゃんとアラバスタまで送り届ける」
「…ミホーク様……」
アラバスタに着いたらミホーク様とはお別れ…
なんか…寂しい……
アイリスとミホークがアラバスタに向け 出発してから数日が経った。
「うっすらと見えてきたぞ」
「え? どこですか?」
アイリスは辺りを見渡した。
「あっちだ」
「………」
アイリスは目を凝らしたが、やはり見えなかった。
「……ミホーク様…見えません」
「……そうか…」
「ミホーク様は目がいいのですね。 あ!」
アイリスはミホークの瞳を覗き込んだ。
「わぁ~ ミホーク様の瞳 綺麗な色ですね!」
アイリスは目を輝かせながら言った。
「…気にしたことはない」
「そう言えば ローさんに“鷹の目屋”って呼ばれていましたよね!?」
「ああ。 まあ “屋”はあいつが名前を呼ぶ時の口癖みたいなものだが…」
「どうして ちゃんと名前があるのに“鷹の目”と呼ぶのでしょう? 鷹のように綺麗な金色をしているからでしょうか?」
「さァな。 だが 俺のことを“鷹の目”と呼ぶ者は多い…と言うより、俺のことを名で呼ぶのはぬしぐらいだ」
「え? そうなのですか? じゃあ 私も“鷹の目様”とお呼びした方がいいですか?」
「ぬしは…そのまま…… !」
ミホークは言葉を遮った。
「…え?」
「いや 柄にもないことを言った。 忘れてくれ」
俺は何を言っているんだ……?
「……じゃあ 今まで通り“ミホーク様”でいいですか?」
「…好きにしろ」
「ありがとうございます ミホーク様!」
そう言うと アイリスは嬉しそうに笑った。
「………」
なぜだ?
この娘といると調子が狂う……
アラバスタまであと少しと言うところで、ミホークは海軍の軍艦がいることに気づいた。
「アイリス こっちだ」
「え? わっ!」
ミホークは強引にアイリスの手を引いて 抱き寄せた。
そして 自分のマントで姿を隠した。
「ミホーク様 どうし…「少し黙っていろ」」
ミホークは海軍の軍艦を見た。
「海軍だ」
情報を引き出すか…
「!?」
海軍の軍艦の指揮をとっているモモンガはミホークに気づいた。
「鷹の目 こんなところに何の用だ?」
「用はない。 お前たちこそ ここで何をしている?」
「我々 海軍は今、アラバスタに現れるであろう ある人物を待っている」
「ある人物?」
「ネコ王国のアイリス王女だ。 お前が参加していない七武海の召集で飛び込みの議題だった。 知らなくても無理はない」
「…それで その王女をどうするつもりなのだ?」
「捕まえて ネコ王国に連れ戻す。 それがランクス王の頼みだ」
「っ!?」
アイリスは口を押さえ 息を殺した。
ミホークはアイリスをより強く抱き寄せた。
アイリスはマントの中からミホークを見上げた。
ミホーク様…
「鷹の目 何かわかったらすぐに連絡しろ」
「…ああ」
そして 棺船は海軍の軍艦から離れていった。
「…っ……」
お父様 ごめんなさい…
アイリスはミホークにしがみつき 声を殺して泣いていた。