5.お前を愛す
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ローはセンゴクとロシナンテの話をしていた。
「どうしても奴の為に何かしたいのなら」
センゴクは空を見上げた。
「互いにあいつを忘れずにいよう…。 ――それでいい…」
ローはキャスケットを深く被った。
「お前は自由に生きればいい…。 あいつならきっとそう言うだろう…」
「……………!!」
センゴクはローに抱えられて 眠っているアイリスを見た。
「それに…お前には新しい生きる意味が出来たんじゃないのか?」
「! ………」
「今度はその大切な者を手放さない様にしろよ」
「…言われなくてもわかっている」
「なら 結構だ」
「……ドフラミンゴが倒れて 思う様になった…」
ローは抱える力を強めた。
「アイリスはコラさんが俺に与えてくれた 贈り物じゃないかって…」
「……そうか…」
「…だから 俺はこの先ずっとアイリスを護り続ける。 この先ずっと―――…」
その後、海軍の追手を振り切ったロー達は船に戻った。
バルトロメオ達 7人は、“親子の盃”をしようとしないルフィに対し 勝手に“子分盃”を飲んだ。
そして、ドフラミンゴとの闘いの勝利を祝い、ルフィ達は宴を始めた。
ローはゾロに肩を組まれた。
「っ!」
「トラ男もちゃんと飲めよ!」
「傷口のところ 触るなっ…!」
「お 悪ィな!」
ゾロは笑った。
「トラ男君 アイリスの事が気になるなら 部屋の方に行ってあげたら?」
「……ああ…」
「トラ男! これ持って行ってやれよ!」
「……ああ…」
ローはウソップから料理が盛り付けられたお皿を受け取った。
「酒もな」
「……ああ…」
ローはゾロからお酒を受け取った。
「もっと自信を持ったらどうだ トラファルガー!」
「!」
ローはキャベンディッシュを見た。
「……君の彼女を狙っていたドフラミンゴは消えた。 これで君とあの子の障害は何もなくなったはずだろ?」
「…わかっている…」
「…なら何を悩んでる?」
「……別に悩んでいない…」
ローは立ち上がった。
「少し 席を外す」
そして ローは背を向けて アイリスの部屋へ向かって歩いていった。
「“少し”なんて言わねェで ゆっくりしてくればいいのにな」
「恐らく 戻って来ないわ」
「…どう言う意味だ ロビン?」
「何となくだけど ね」
ロビンは妖美に笑った。
一方、ローはアイリスが眠っている部屋の前にいた。
俺はアイリスと生きて再会できると 考えていなかった……
…だから まだ実感が湧かない……
ローは扉を開いた。
「zZZ…」
アイリスは規則正しい寝息を立てていた。
ローはアイリスが眠っているベッドの横に立った。
「気持ちよさそうな寝顔しているな…」
ローは微笑した。
「アイリス」
「zZZ…」
「アイリス」
ローはアイリスの頬に触れた。
「……ん…」
アイリスは目を覚ました。
「……ロー…? ! ローっ!」
アイリスは飛び起きて ローに抱きついた。
「ロー…っっ!」
アイリスは涙を流した。
「…心配させたな」
ローはアイリスを抱きしめ返した。
ローと一緒に食事をしながら、アイリスは夢の中で コラソンと出会った事を話した。
「……コラさんがそんな事を…」
「だから 私、ちゃんと言ってあげたよ。 ローにとってコラソンは 尊敬する恩人だ って」
「………」
「それと、“ローと私をずっと見守っている”って言ってくれたよ」
「……そうか…」
「…うん」
ローは微笑し アイリスを抱き寄せた。
「……ロー?」
「…この先ずっと 俺はお前を護る……」
「!」
「…だから…もう俺の前からいなくなるな…」
アイリスは頬を赤くして 微笑んだ。
「はい」
ローはアイリスをベッドに押し倒し 体重をかけた。
「ローまだ傷治…ん」
アイリスは唇を奪われた。
少しして ローは唇を離した。
「心配無用だ。 それと…」
ローはアイリスの頭についているアネモネの花の簪を取った。
「あ」
「…奴からもらった物なんてもういらないだろ?」
「…うん」
ドフラミンゴ様…今までありがとう……
貴方との出会いがあったからこそ、ローともこうして出会う事が出来た…
…そして さようなら……
私は ローと幸せになります――…
アイリスは微笑した。
「?」
「ロー」
アイリスはローの顔に触れた。
「…なんだ?」
「…愛してるよ」
「!」
ローは穏やかな表情をした。
「…俺も……愛してる」
アイリスは満面の笑みを浮かべた。
そして ローに身体を委ねた。
――ねぇ 赤いアネモネの花言葉って知ってる?
赤いアネモネの花言葉は、“君を愛す(お前を愛す)”…なんだよ
素敵な言葉だよね――――…
ローからの愛を全身で感じたアイリスは眠ってしまった。
アイリスの頭には、再会できた時に渡そうと ローが用意しておいた、新しい赤いアネモネの花の簪がつけられていた―――…
~ Fin. ~