5.お前を愛す
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――――…
「……ん…」
しばらくして、アイリスは目を覚ました。
「…ここは…?」
ぼーっとしているアイリスは辺りを見渡したが、真っ暗闇だった。
「…私…… っ!」
そこで アイリスは意識がはっきりとした。
…ローを殺してしまった……
アイリスは震える右手を左手で包んだ。
【大丈夫だ。 ローは生きている】
「!」
アイリスは声の主を見た。
「ローは生きているの!?」
「…ああ」
「……ところで…貴方は誰…?」
…少し ドフラミンゴ様に似てる…?
「俺は…「!?」」
タバコを吸おうとしたその男の羽毛のコートが燃え始めた。
「あ あの!」
「なんだ?」
その男はタバコの煙を吐き出した。
「……燃えてますっ!」
「!?」
羽毛のコートの火を消した男は一息ついた。
「……大丈夫ですか?」
…やっぱり 気のせいかな……
「……ああ…」
「……それで…あなたは…?」
「…俺は…ドンキホーテ・ロシナンテ…」
「!?」
ドンキホーテ!?
…じゃあ やっぱり…この人がコラソン…
驚いた顔をしているアイリスを見て コラソンは笑いかけた。
「コラソン」
「なんだ?」
「…ここはどこなの?」
アイリスは瞳を伏せた。
「…だって あなた……」
…亡くなってるって…
コラソンは困った様に笑った。
「…言っても信じてもらえねェかもしれねェから…夢の中の世界だとでも思っておいてくれ――…」
本当は 生者である君が来ていい場所じゃない…
…この世に未練がある者が漂う…あの世とこの世の狭間なんだよ――…
コラソンは今までずっとローを見守っていた事を話した。
「勿論 君の事もだよ アイリス」
「! ……そうだったんですね…」
「……ああ…」
コラソンはタバコを吸って 煙を吐き出した。
「……俺は…あいつの人生を狂わししてしまったのだろうか……?」
「!」
「…俺は……」
コラソンは顔を伏せた。
アイリスはコラソンの手に触れた。
「!」
コラソンは顔を上げた。
「アイリス?」
「…そんな事ない。 ローはあなたに感謝してる」
「…感謝?」
アイリスは頷いた。
「ローにとってあなたは命の恩人。 恩人を恨む人なんていない。 …そうでしょ?」
「………」
コラソンは顔を伏せて 瞳を閉じた。
「……そうだな…」
そして 涙を流した。
その頃、ドフラミンゴを倒し 次の日を迎えたロー達は、キュロスの家にいた。
そこに、海軍が動き出したとの連絡があった。
「アイリス 起きろ!」
ルフィは眠ったままのアイリスの体を揺らした。
ルフィはローを見た。
「トラ男! アイリス 全然起きねェぞ!」
「…俺が抱えていく」
ローはアイリスを抱き上げた。
……アイリスが目を覚まさないのは俺のせいだから―――…
「…それで ローは今どこに?」
コラソンは向こうを指差した。
アイリスはコラソンの指先を見た。
そこには光が見えた。
「あの向こう…そこにローがいる」
「ローが!?」
「ほら 行ってあげな」
コラソンはアイリスの肩をそっと叩いた。
「目を覚まさない君を 心の中で必死に呼んでる」
「!」
コラソンは微笑した。
「…死人の俺は一緒に行ってあげられないけど、あいつにはこれかららもずっと 君が必要だから」
「……っ…」
アイリスは涙を流し 頷いた。
それは私も同じ――…
その後、アイリスは光の方へ向かって一歩を踏み出した。
「アイリス」
アイリスは振り向いた。
「君に会えて良かった」
「…私もです」
「……ローの事 頼むな」
「……はい!」
「それと―――…」
アイリスはコラソンに笑いかけ 光の方へ入った。
待っててね ロー!
今 あなたのもとに帰るから…!