5.お前を愛す
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「アイリスを自由にしろ」
「!?」
アイリスは目を見開いて驚いた。
ローはドフラミンゴに視線を戻した。
「…アイリスを…自由にだと…? フッフッフッフッフ!!」
ドフラミンゴは少し離れた所で トレーボルの“ベタベタ”によって身動きが取れないアイリスの方へ歩み寄った。
「!」
「お前もローに言いてェ事があるだろう アイリス?」
ドフラミンゴはアイリスに付いている“ベタベタ”を能力で切り、抱き上げた。
「…ドフラミンゴ様……?」
アイリスを抱えたドフラミンゴがローの前に戻って来た。
「最期の別れくらい ちゃんとしてやらねェとな。 なァ ロー?」
「…っ……」
「!?」
最期…!?
アイリスは目を見開いて驚いた。
“4段目”“ひまわり畑”ではロビンがレベッカを守り、キュロスがディアマンテと交戦していた。
そして、“死の星屑”により瀕死となったキュロスは“雷の破壊剣”でディアマンテを倒した。
ピーカは“王宮のある台地”を能力で移動し、負傷者たちを攻撃し始めた。
そして、ピーカの石像の中に戻り、リク王のいる“王の台地”に向かって進み出した。
「俺は優しいからな…」
アイリスを抱えていたドフラミンゴはアイリスを地面に下ろした。
「……ローっ!」
アイリスはローに抱きついた。
「……アイリス…血で汚れるぞ…」
「…いい」
アイリスはローを抱きしめる力を強めた。
「………」
ローは残っている左腕でアイリスを抱きしめた。
「……ごめんな…」
「っ! ……謝るのは私の方だよ…っ!」
アイリスの瞳から涙が流れ落ちた。
「…私のせいでローがこんなに傷ついてる…。 それなのに 私は何も出来なくて…」
アイリスは上体を離して ローの顔を見た。
「…ごめんねっ…」
「………」
ローは微笑した。
「…ロー…?」
ローはアイリスの頬に触れた。
「お前は何も悪くない。 お前と結ばれていようが 結ばれてなかろうが…、この戦いは避けられないものだった…。 だから お前が気にする事はない」
アイリスは首を横に振った。
「でも 私…んっ…」
アイリスはローに唇を塞がれた。
ローは唇を離した。
「…アイリス……愛してる。 …この先 何があっても……」
…たとえ 俺が死んだとしても…ずっと…
「…ローっ…「……最期のお別れは済んだようだな?」」
ドフラミンゴはアイリスの体をローから離した。
「!」
「安心しろ アイリス。 お前は助かり 自由になる」
「…え…?」
「……言いたい事はそれだけか?」
ドフラミンゴの眉間に皺が寄り 血管が浮き出ていた。
「お前は勝った気でいるかもしれねェが…、状況がわかってねェのはてめェだ ドフラミンゴ」
「!」
「“麦わらの一味”はこれまであらゆる奇跡を起こしてきた奴らだ…!!! お前には 麦わら屋を倒せねェ…!!! あいつからシーザーを取り返すこともできやしねェ…!!!」
「ロー!! お前!! ドフィ相手によくもそんな事を…!!」
激怒したドフラミンゴは更に眉間に皺が寄り 血管が深く浮き出ていった。
「てめェの未来こそすでに風前の…ぐわっ!」
ローはドフラミンゴに脇腹を打たれた。
「ウゥ!!!」
ローの脇腹から血が溢れ出た。
「ローっ!」
アイリスはドフラミンゴに体を掴まれて 身動き取れなかった。
「愚かな野郎だ!! どこまでも逆らいやがって!!」
「ハァ…ハァ…」
ローの口から血が流れた。
「さて 終わりにするか…ロー?」
「…っ…」
ドフラミンゴはアイリスに銃を持たせた。
「!?」
ドフラミンゴはアイリスの耳に口を近付けた。
「さあ アイリス…お前の手でローを殺せ」
「!?」
アイリスは目を見開いて驚いた。
「やめっ! やめてっ!」
アイリスは手から銃を放そうとした。
が、アイリスの手の上にはドフラミンゴの手が重ねられていた為 放せなかった。
「フフフフフフ!」
ドフラミンゴはアイリスの手を上げさせた。
「嫌っ! やめてっ!」
泣き喚くアイリスは激しく抵抗した。
「やめろ! ドフラミンゴ!」
「フフフフ」
が、アイリスの抵抗虚しく、銃口はローに向けられた。
「フフフフフフ! さあ アイリス、引き金を引けないのなら 俺が手助けしてやろう」
ドフラミンゴは寄生糸によりアイリスの人差し指を引き金にかけさせた。
「嫌だっ! こんな事っ! 絶対 嫌っ!!」
アイリスの脳裏にブリードに操られて ローに銃口を向けた時の事が過った。
…あれは夢じゃなかったんだ――…
アイリスは首を何度も横に振って 拒絶した。
「さあ ロー…愛する女の手で逝かせてやるよ」
「……っ…」
「…嫌――――っ!!!」
ドフラミンゴは寄生糸により引き金にかけさせたアイリスの人差し指を引いた。
ドン!!
アイリスが構える拳銃から放たれた銃弾はローに命中した。
「ウゥ!!」
ローはぐったりとうつ伏せに倒れ込んだ。
「ロ――――っ!!!」
……だって 私が……
……ローを…コ・ロ・シ・タ――――…