3.哀しき隠し事
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ブリードは手に人造悪魔の実“SMILE”を持っていた。
「それは…“SMILE”!? どこでそれを!?」
「俺様も闇に通じているからな…。 この人造悪魔の実を使って 強制的に人間を動物に変える…! そうすりゃあ この世界から俺の大っ嫌いなクソ人間どもがいなくなる……!!」
「てめェ! いったいここで何を企んでやがる!?」
「王国だ…」
「?」
「クソ人間どもが誰一人いない 動物だけの王国を作る! さらに 俺のペトペトの能力を使って 全ての動物を従える! 従順なペットに変えてやるのさ!! それが俺様の夢の王国だ!! ペトトトトト!!」
「勝手にやってろ! 俺は誰にも従わねェ!」
ルフィの言葉にブリードは怒った。
「てめェらみてェなクソ人間は黙って俺様の命令を聞いてればいいんだよ! 歯向かうんじゃねェ!」
「俺は海賊だ! 海賊は“自由”なんだ!!」
「海賊…? “自由”だと…? 俺はお前みたいな人間が一番嫌いなんだ――!!」
ルフィは怒っていた。
「いいだろう。 奴隷として生かしてやろうと思ったが、やっぱりクソ人間どもは死ぬがいい!!」
ブリードが指を鳴らすと ローとルフィが入ってた檻がステージ上に上がった。
「なんだ ここ!?」
バキン!!
ローとルフィが入っていた檻と海楼石の手錠が突然 壊れた。
ステージがライトアップされた。
【ショータイム!】
アイリスとシーザーを連れたブリードはステージ上にある高台にいた。
「さあ トラファルガー…命令だ」
「!」
「麦わらを…殺せ!!」
ブリードは手で首を刎ねるような動作をして言った。
「ぐっ!?」
ローは首輪を掴んで苦しみ出した。
「ロー!」
「トラ男!」
ブリードはルフィを見た。
「麦わら! お前はトラファルガーを殺せ!!」
「がっ!?」
ルフィもローと同様 首輪を掴んで苦しみ出した。
「とんでもねェぞ…こりゃあ…」
「ロー!! ルフィ!!」
そんな…
そんなことしたら…2人は……っ!!
「さあ 二人で殺し合え!! 能力はなしだ! クソ人間らしく バカみてェに死ぬまで殴り続けろ――!! ペトトトトト!!」
ローとルフィは向き合った。
「…トラ男…ダメだ……! 体が…言うこときかねェ……!!」
「っ…!」
そして ブリードの命令によってローとルフィは殺し合いを始めた。
「いいぞ! 最高のショーだ!!」
アイリスはブリードを見た。
「…やめて…! …こんなこと…!」
「お前も黙って見てるがいい。 ペトトトトト!」
ローはアイリス達がいる高台に向かって跳んだ。
ルフィもそれを追って 向かってきた。
「わあぁああ――! こっちくんじゃねェ!!」
シーザーは逃げようとしたが、ブリードにリードを引っ張られた。
「殺し合え!! クソ人間同士!!」
ローはアイリスがいる高台に降りた。
「ロー!」
「アイリス 逃げろ」
ローはアイリスにしか聞こえないような小声で言った。
「……え…?」
ルフィはローに向かってパンチをしたが ローはかわし 代わりに高台が壊れた。
「きゃあぁああ―――!!」
「どわひゃああぁ ―――!! おっ! リードが!」
ブリードからアイリスとシーザーのリードが放れていた。
そこに 大きな姿のアネモネがアイリスを助けに来た。
「アネモネ!」
ローが言っていたのはこのこと…?
アイリスがローを見ると 確信犯のような表情をしていた。
アイリスを乗せたアネモネは空を飛んでいた。
「…あれ? シーザーは…?」
その頃 シーザーはリードがブリードから放れたその隙に逃げ出していた。
ブリードはシーザーが逃げたことに気づいたが、少し泳がすことにした。
「今はこの殺戮ショーだ!!」
アネモネはアイリスを見た。
「オオォ?」
「………」
アイリスは殺し合いをしているローとルフィを見た。
ローとルフィは血だらけだった。
「アネモネ 下に降りて!」
アネモネはアイリスに言われた通り 床に降りた。
その様子をローは見ていた。
「!」
アイリス!?
“逃げろ”って言ったのになぜ逃げない!?
アイリスはローを見た。
「………」
ごめんね…ロー……
私…ロー達を置いて 逃げれないよ……っ!
アイリスはブリードに向かって歩き出した。
クンフージュゴンは泣きながら ブリードにローとルフィの殺し合いをやめるように言っていた。
ブリードは鞭で何度も叩いたが クンフージュゴンは説得をやめなかった。
アイリスはレッグホルスターから銃を出して ブリードに銃口を向けた。
「ジュゴンちゃんをイジメるのはやめて! それと ローとルフィの殺し合いをやめさせて!!」
「!?」
アイリス 何をやってる…!?