3.哀しき隠し事
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
少しして 子供たちを取り返したシーザーが研究室に帰ってきた。
シーザーは檻に入れられているローを見下した。
「お前もいいザマだ…ロー。 シュロロロ…!! ヴェルゴには…“手も足も”出なかったんじゃねェかァ!? お前との“契約”が役に立ったようだ…」
「………」
ローはシーザーとした契約を思い返した。
シーザーは檻の傍に座っているアイリスを見た。
「アイリス そんなところで座っていたら体が冷えるぞ。 女の子は体を冷やしちゃダメなんだ。 …何れは“ジョーカー”の子を産むのだろう? ん?」
「っ!?」
アイリスはレッグホルスターから銃を出して シーザーに銃口を向けた。
「……何の真似だ…アイリス?」
「ローはあなたの卑怯な契約によって負けたのよ! 正々堂々と戦っていればローが負けることなんてないんだから!」
「小賢しい小娘だなァ!!」
シーザーはアイリスに手を出そうとした。
「やめろ シーザー」
「!」
シーザーはヴェルゴを見た。
「ロー達はお前にくれてやる。 だが アイリスに手を出すと言うことは “ジョーカー”の怒りに触れるぞ」
「………」
ヴェルゴはアイリスを見た。
「アイリスも銃を下ろせ」
「………」
アイリスは銃を下ろさず 銃口をヴェルゴに向けた。
「ヴェルゴ あなた達は私の願いを聞いてくれるんでしょう? だったら…「それは無理な話だ」」
ヴェルゴはアイリスに歩み寄った。
「普段だったら 俺たちはアイリスの願いを何でも聞く。 それは“ジョーカー”に言われている」
「なら…!」
「だがな アイリス…今のお前の言うことは聞けないな」
「……これ以上 近づかないでっ!」
アイリスはセイフティーレバーを外した。
「アイリス お前はいつから分からず屋になった…。 …ローといたからか?」
「ローは関係ない!」
「アイリス 銃を下ろせ!」
お前まで傷つけたくねェんだ!
ヴェルゴは持っていたローの心臓を握った。
「うわァっ!!!」
ローは苦痛の声をあげて暴れだした。
「ローっ!!」
アイリスはローを見た。
「さすがのお前でも 気づき様がなかっただろうが。 モネが気を利かし “姿を変えて”お前たちを尾行していた…」
「!」
まさか アネモネが感じたのは……
アイリスはヴェルゴを睨みつけた。
「悪い子にはお仕置きが必要か…」
「っ!」
ヴェルゴはアイリスが銃を撃つ隙を与えず アイリスのお腹を軽く殴り 気絶させた。
「アイリス!!」
ヴェルゴはアイリスを抱き上げ ソファに寝かせた。
「手間をかけさせる…」
ヴェルゴはローを見た。
「お前はさっき アイリスが我々の仲間だと知ってもあまり驚かなかったな ロー。 大方 予想がついていたか…?」
「………」
「え!? アイリスが戦争で見た鳥男の仲間!?」
「そう言うことか…」
スモーカーの人格が入ったたしぎはローを見た。
「随分とめんどくせェ 女を抱えていたもんだな…ロー」
「………」
「ロー お前はアイリスの正体に気づきながら 関わりを持っていた。 知った時点で関わりを絶っていればよかったものを…」
「俺がアイリスを治療し…治ったらお前らに返せと言うのか……。 フッ…調子いいこと言ってんじゃねェよ!」
ヴェルゴはローの心臓を握った。
「うァア!!!」
ローは再び苦痛の声をあげた。
映像の準備が整い シーザーは実験を始めた。
そして スマイリーは巨大なエサを食べて死に絶え 悪魔の実ができると、殺戮兵器“シノクニ”に姿を変えて島中を覆い始めた。
ゾロ達は必死に逃げていた。
シーザーはロー達もシノクニの犠牲にするため 檻を研究所外に出そうとレバーを下ろした。
その時 アイリスは目を覚ました。
「……ん… !」
アイリスはシーザーを見た。
「シーザー 何をしてるの…!?」
「シュロロロ! こいつらも実験体なんだよ アイリス」
「…実験!?」
ロー達が入った檻を動き出した。
「やめてよ シーザー!」
ルフィ達を助けようと考えていたチョッパーのところに“なにもするな”と言うメモ書きが飛んできた。
「ロー!」
アイリスは浮いていく檻に近寄った。
「…ごめんなさい ロー! …私……私っ…」
アイリスは膝から地面に崩れ 下を向いて涙を流した。
「アイリス」
アイリスはゆっくりとローを見上げた。
「俺はお前を巻き込みたくなくて 船から降りるように言った…」
「! ………」
「後で必ず助けに行くから 大人しく待ってろ」
ローはシーザー達に聞こえないような小声でそう言った。
「…え?」
ローは微笑し、ロー達が入った檻は外に出ていった。