2.交差する想い
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シーザーの研究室でローとシーザーは向かい合って座っていた。
「――パンクハザードに滞在を? 目的はなんだ?」
ローは説明した。
「とりあえず この研究所内と島内を自由に歩き回れりゃ それでいい」
シーザーは微笑した。
「こっちもお前の役に立つ何かをする。 互いにつまらねェ詮索はしない。 ――勿論、俺がここにいる事も他言するな」
ローはシーザーを指差した。
「“JOKER”にもだ」
「!? ……訳知りじゃねェか。 …なぜ そこまで知ってる?」
「何も知らねェド素人が飛び込んで来るのと どっちがいい?」
「シュロロロロ…!! 成程 同じ穴のムジナってヤツか…! 信用はできねェが 害はねェかもな」
シーザーはモネを見た。
「なあ モネ?」
モネはローの情報を紙に書いていた。
「医者なのね」
モネは書く手を止めた。
「この島には毒ガスに体をやられた元囚人達がたくさんいるけど…」
モネはローを見て 眼鏡を下に下げた。
「治せる?」
その頃 アイリスを乗せたハートの海賊団の船はパンクハザードを離れ ゾウに向かっていた。
「…ロー…どうして……?」
アイリスはベポ達によって船に乗せられ、自分の部屋で泣いていた。
会いたいよ…ロー……
「船長 酷いよな! いきなりアイリスを降ろせって…」
「キャプテン、最近 アイリスに対してなんか変だったし…。 アイリスと何かあったのかな?」
「えー まさか~…って シャチ! さっきからずっと黙ってどうしたの?」
「…いや…もしかしたら船長……アイリスのこと…」
ローはシーザーと交渉していた。
「お前がここに滞在する……その代わりに部下共に足をくれる……。 そりゃあありがてェよ。 …だが」
シーザーはローに近づいた。
「お前は俺より強い!!! この島のボスは俺だぞ!!! ここに滞在したけりゃあ お前の立場を弱くすべきだ」
「別に危害は与えねェ」
ローは少し顔を上げて シーザーを見た。
「…どうすりゃ気が済む…」
「こうしよう トラファルガー・ロー……!!」
シーザーはモネを見た。
ローもつられて見た。
「俺の大切な秘書 モネの“心臓”をお前に預かってほしい…」
モネは書く手を止めた。
「いいな? モネ」
モネはシーザーを見た。
「…ええ いいわよ」
「その代わりに…!!!」
シーザーはローに視線を戻した。
「?」
シーザーはローを指差した。
「お前の“心臓”を俺によこせ!!! それで契約成立だっ!!!」
「………」
「互いに首根っこを掴み合ってりゃあ お前は妙な気を起こせねェ。 俺も安心だ……!!」
「……わかった」
ローは自分とモネの心臓を抜き取り、シーザーに自分の心臓を渡した。
引き換えに シーザーはローにモネの心臓を渡した。
「シュロロロロロ…! これで契約成立だな」
「………」
シャチ達はアイリスの部屋に向かっていた。
「もし 船長がアイリスのことを好きになって 離したくなったのなら……確かに船長の行動には納得がいくな!」
「ああ! だから このまま船長とアイリスを離れ離れにしちゃダメだ! だから アイリスを船長の元に行かせないと!」
シャチ達はアイリスの部屋に着き ノックした。
が 返事はなかった。
「アイリス 入るぞ?」
シャチ達はアイリスの部屋に入った。
アイリスは顔を横にして 机にうつ伏せて眠っていた。
頬には涙の跡があった。
「アイリス…」
「アイリス 起きて」
「…ん……」
アイリスは目を覚ました。
「…ベポ、シャチ、ペンギン…どうしたの…?」
「アイリス 今すぐ船長のところへ行って!」
「……え?」
「早く!」
「ちょっと待って! 私 もうこの船から降りないといけない人間だよ? だから私は…「船長にはアイリスが必要なんだよ!!」」
アイリスは目を見開いて驚いた。
「だから 船長の傍にいてあげてくれ!」
「頼む アイリス!」
「……私なんかがいたら ローは迷惑だよ…」
「そんなことない! 船長はアイリスと一緒にいると楽しそうにしてるし!」
「キャプテンがアイリスを突き放したのはアイリスを想ってのことだよ! だから アイリスを嫌いになったわけじゃないよ!」
「……そっか…よかった…」
アイリスは笑った。
「私…ローに嫌われちゃったのかな…ってずっと思ってた…」
アイリスの瞳から涙が流れ落ちた。
「…でも私はいいよ」
「…アイリス…」
「ありがとう みんな」
シャチ達が部屋から出た後 アイリスはドアの前で座り込んだ。
「………」
ロー…これでいいんだよね……?
シャチ達は違うって言ってくれたけど、本当は…
…迷惑だったんだよね……?
気づいてあげられなくてごめんね…ロー……