2.交差する想い
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ローは王下七武海に入るために外出することが多くなった。
「最近 ローと話せてないな…」
あのことも聞けてないし…
ローと話す機会がなくなってしまったアイリスはローが謝った理由を聞けずに日々が過ぎていた。
「なんか…ローと話すきっかけを…… あ!」
アイリスはいいことを思いついた。
「アネモネ ちょっと来て」
アイリスとアネモネは甲板に出た。
「少し外に行きたいの」
「オォオ?」
アネモネは心配そうな目でアイリスを見た。
「大丈夫。 少しだけだから」
眼帯をしたアイリスを乗せた大きなアネモネはアラモード島にやってきた。
そして 一つの店に入った。
「やっぱり これだ!」
アイリスはローが今かぶっている帽子を見つけた。
「ローの帽子 古そうだから 新しいのを買ってあげようと思うんだけど どれがいいかな… !」
アイリスは同じ柄のキャスケット帽子が隣に置いてあることに気づいた。
「同じ柄だけど この形もいいかも」
アイリスはアネモネを見た。
「これ どうかな?」
「オオォ!」
「じゃあ これにしようかな…」
アイリスは会計を済ませて店を出た。
「ロー 喜んでくれるといいな…」
【アイリスじゃねェか!】
アイリスは声の主を見た。
アイリスが船を抜け出してから しばらく経ち、シャチ達はアイリスがいないことに気づいた。
「まだ体調が万全じゃないから 一人での外出は禁止されてるはずなのに…!」
「もー アイリス どこ行ったんだよー!」
【アイリスがどうした?】
そこにローが帰ってきた。
「あ 船長!」
「アイリスがいなくなって…」
「なに…」
「島内は一通り探したんすがいなくて…」
「他の島って言ってもどの島を探せばいいんだか…」
「アネモネもいないから 一緒にいるんだと思うけど…」
「………」
ローはため息をついた。
「ここから離れるのはダメだ。 アイリスが船の場所がわからなくなる…」
「でも なんかあ…「わかってる!!」」
ローの強い言葉にシャチ達は驚いた。
「今はアイリスの帰りを待つしかねェ…」
ちゃんと無事に帰ってこいよ…アイリス
アイリスが声の主を見ると キッド海賊団がいた。
「キッド!?」
「久しぶりだなァ アイリス。 元気だったか?」
「うん! キッドも元気そうだね!」
アイリスはキラー達を見た。
「この人たちはキッドの仲間?」
アイリスとキラー達は自己紹介をし合った。
「ここにお前がいるってことはトラファルガーもいるのか?」
「うううん。 私だけだよ」
「そうか…。 トラファルガー…今 何してる?」
「え?」
「わざわざマリンフォードに麦わらを助けに行ったのもわからねェし…、最近 七武海に入ろうとしてるって言う噂も聞いた…。 あいつ 何をしようとしてるんだ?」
「………わからない。 でも…ローは頭がいいから きっと色々考えてるんだと思う…」
「………」
「ローのこと 嫌いにならないでね…?」
「…もともと嫌いだ」
「……ふふっ。 そっか…」
「まだ時間あるだろ? 飯でも奢るぜ」
「え…」
みんなに内緒で抜け出して来ちゃったから 早めに帰らないと……
「都合悪いか?」
「…うううん。 平気…」
少しなら大丈夫だよね…?
アイリスはキッド達と共にお店に入り昼食を食べた。
キッド達と過ごす時間は楽しく あっという間に時間が過ぎていった。
「アイリス 帰らなくて大丈夫か?」
「え!? もうそんな時間!?」
外を見ると 少し夕焼け空になっていた。
「大変! 帰らないと!! キッド ごちそうさまでした!!」
大きな姿に変えたアネモネに乗り アイリスはアラモード島を後にした。
ローは甲板でアイリスが帰ってくるのを待っていた。
明るかった空は日が暮れ 薄暗くなってきていた。
「だいぶ遅くなっちゃた…」
ロー 帰ってきてないといいんだけど……
そして ハートの海賊団の船が見えてきた。
「!!」
アイリスは甲板にローがいることに気づいた。
「オォオ…?」
「アネモネ 降りて」
アイリスは覚悟を決めて 甲板に降りた。
ローはアイリスに歩み寄り 前で止まった。
「アイリス どこへ行っていた?」
「……別に…」
アイリスは顔を逸らしながら言った。
「“どこへ行っていた”と聞いているんだ!!」
「…ぁ……」
ローの険悪な顔つきはアイリスが遊女として囚われていた時に暴力を振るわれた時の記憶と重なった。
「ご…ごめんなさいっ…! …殴らないでっ…!」
アイリスの瞳は恐怖に怯えていた。
「! ………」
ローはアイリスに手を伸ばした。
殴られると思ったアイリスの体はビクッとし 無意識に頭を手で守った。