2.交差する想い
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アイリスとローは船に戻り 乗った。
そして ハートの海賊団の船は新世界に向けて出航した。
「船長 いよいよ新世界っすね」
「待ちに待った新世界!! …って船長! もっと嬉しそうな顔してくださいよ!!」
「………」
ローは何かを考えているようだった。
「船長?」
「…うるさい。 ベポ これを」
「アイアイ」
ローから花瓶を受け取ったベポは水を入れに行った。
「ねえ ロー…」
「なんだ?」
ローはアイリスを見ずに答えた。
「ロー 何か…【キャプテン 水入れて来たよ】」
ベポが水が入った花瓶を持って帰ってきた。
「ベポ アイリスの部屋に持っていけ」
「アイアイ キャプテン」
ベポはアイリスを見た。
「アイリス 行こ」
「あ うん…」
アイリスはローの様子が気になって立ち止まっていた。
「早くしねェと傷んでくるぞ」
「! …うん…!」
アイリスはローからもらったアネモネの花束を持ち、ベポと共に自分の部屋に向かって歩いていった。
ローはため息をついた。
「…船長…何かあったんすか?…」
「何でもねェよ」
ローは立ち上がり 廊下に向かって歩き出した。
「俺は自分の部屋で休む。 何かあったら知らせろ」
「了解です 船長!」
ローは操縦室を出て 自分の部屋に向かっていった。
「………」
ロー なんか思い詰めた表情をしていた…
どうして?
新世界に入ることはすごいことじゃないの……?
「アイリス 部屋着いてるよ?」
「え!? あ ほんとだ!」
アイリスは自分の部屋を通り過ぎていることに気づいた。
「あはは…ごめん。 まだ迷っちゃうんだよね…」
アイリスとベポはアイリスの部屋に入った。
「アイリス 無理してない?」
「え?」
「まだ体調も万全じゃないし 少し休んだ方がいいよ。 俺が花を飾るから アイリスは休んでて」
「でも…」
「いいから いいから」
ベポはアイリスをベッドに座らせた。
「ごめんね。 ありがとう ベポ」
ベポはアイリスに笑いかけると 花を飾り始めた。
しばらくして花を飾り終えたベポは振り返ってアイリスを見た。
「アイリス こんな感じで…あれ? 寝ちゃってる…」
アイリスはベッドに横になり 寝息を立てて眠っていた。
「やっぱり疲れてたんだね…」
ベポはアイリスに布団をかけた。
「おやすみ アイリス。 いい夢見てね」
そう言うと ベポはアイリスの部屋を出ていった。
【アイリス】
「…ん……」
アイリスはうっすらと目を開いた。
「あ…ドフラミンゴ様……えっ!? ドフラミンゴ様!?」
アイリスの横にはドフラミンゴがいた。
「それにここ…王宮!?」
「フフフ。 寝ぼけてるのか アイリス?」
「え 違… !」
その瞬間 優しく口づけをされた。
「夢から覚めないなら 俺が覚まさせてやろうか?」
「え 夢?」
そんな…
ロー達と会ったのは全部夢だったの…?
そんな……そんなの……
アイリスの瞳から涙が流れ落ちた。
「嫌だよ―――!!!」
そこで アイリスは飛び起きた。
「…あれ……夢…?」
アイリスは辺りを見渡した。
そこはハートの海賊団の船の中にある自分の部屋だった。
「…夢…か…。 …ドフラミンゴ様は今 どうしてるんだろう……?」
アイリスはベッドから降りた。
「!」
ベッドの横にはイスが置いてあり、まだ温もりが残っていた。
さっきまで人がいたのかな…?
アイリスは綺麗に飾られたアネモネの花に気づいた。
もしかして…ベポがずっといてくれたのかな……?
その時 部屋のドアがノックされた。
「はい…!」
ドアを開けてベポが入ってきた。
「ごめんね ベポ! 私 寝ちゃったみたいで…お花 ありがとう!」
「うううん。 幸せそうな顔して寝てたから起こせなかったんだ。 どんな夢を見てたの?」
「え……それは……」
アイリスの脳裏にドフラミンゴが過った。
「えーっと…あ アネモネの花畑に囲まれている夢……」
「そうだったんだ。 よかったね。 夕飯できたけど 食べれそう?」
「うん お腹空いた…」
「部屋に持ってくる?」
「うううん。 支度したら行くよ」
「わかった。 待ってるね」
ベポは部屋を出ていった。
「………」
アイリスは自分の唇に触れた。
…なんでだろう……?
唇の感触だけが残ってる気がする……