2.交差する想い
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ローとケイミーは花屋に着いた。
「いらっしゃいませ」
「アネモネと言う花はあるか?」
「ありますよ」
店員は色とりどりのアネモネを持ってきた。
「何色をお求めで?」
「赤色だ」
「赤ですね」
「花束にしてくれ」
「かしこりました」
店員は赤いアネモネで花束を作った。
ローはお金を払い 花束を受け取った。
「女性にプレゼントですよね? 喜んでもらえるといいですね!」
「! ……なぜ それを?」
「あら 花言葉で選んだのではないのですか?」
「…花言葉?」
「それぞれ花には意味があるのですよ。 赤いアネモネの花言葉は“君を愛す”。 素敵な花言葉ですよね!」
ローとケイミーは花屋を出た。
「…君を…愛す……」
「え?」
「何でもねェ…」
アイリスはこの花を“ある人からもらった大切なもの”と言っていた……
アイリスが言っているある人がその意味を知ってあげていたとしたら……
胸クソ悪ィ…
「ローちん?」
「!」
「大丈夫? 凄い怖い顔してたけど…」
「…大丈夫だ…。 早くアイリスのもとに戻るぞ」
「うん!」
ローとケイミーは早足で アイリスがいるクリミナルに向かって歩き出した。
その頃 アイリスはパッパグに着物ドレスを作ってもらっていた。
「本当によかったのかな?」
「いいんじゃねェか。 あいつが“2着作れ”って言ったんだからよ。 ありがたく受け取っておくもんだぜ 女は」
「でも…お金の問題もあるし…」
この店 高いみたいだし…
「お金なんて取らねェよ! 珍しい服を見せてもらった礼だ」
「ありがとう パッパグ!」
そして 着物ドレスができた。
「早速 着替えてみろよ!」
「うん!」
アイリスは着物ドレスに着替えた。
「前のより 動きやすい!」
「少し改良したからな」
「パッパグ ありがとう!」
アイリスは嬉しそうに笑った。
「オウ!」
【アイリスちん、パッパグ ただいま!】
そこに アネモネの花束を持ったローとケイミーが帰ってきた。
「ロー!」
アイリスはローが帰ってきてくれことに嬉しくて抱きついた。
「おい! 危ないだろっ!」
ローは花束を見えないように背中で隠していたので 片腕でアイリスを支えた。
「だって 本当に帰ってきてくれたんだもん…」
「? …フッ」
ローは微笑すると アイリスの頭を撫でた。
「言っただろ? “必ず 戻ってくる”…と」
「…うん!」
アイリスがローから離れると ローの背中が背中で隠しているアネモネの花束に気づいた。
「花束? あ パッパグにお礼!?」
そう言って アイリスはパッパグを見た。
「違うよ アイリスちん」
「え?」
ケイミーの言葉に疑問を抱き ローに視線を戻した。
ローは少し恥ずかしそうにしていた。
「…ロー?」
「…これ…」
ローはアイリスに花束を渡した。
「え? 私に…?」
アネモネだ!
「その花…お前が好きだって言ってた花だろ」
「うん」
アイリスは花束を優しく抱きしめた。
「嬉しい…。 ありがとう ロー!」
アイリスは満面の笑みを浮かべた。
「……ああ」
ローは少し照れくさそうだった。
ケイミーとパッパグは優しく見守っていた。
よかったね ローちん
その後 パッパグに別れを言って アイリス達はマーメイドカフェに戻ってきた。
「マダム・シャリー ただいまー!」
「おや 早かったね」
「船長、アイリス お帰りなさい!」
「アイリスの新しい服 可愛いじゃん!」
「ほんと? ありがとう!」
「よかったね」
「うん!」
その様子を見ていたケイミーはローを見た。
「アイリスちん 人気者だね」
「………」
ローは少しイラついた様子だった。
「あれ アイリス その花は?」
「ローにもらったんだ!」
「え? 船長が…」
シャチ達の視線は一斉にローに集まった。
「なんだ?」
ローはシャチ達を睨みつけた。
「なんでもないっす…!」
ローはため息をつくと再び シャチ達を見た。
「この島にもう用はない。 行くぞ」
シャチ達は立ち上がった。
「よし 船に戻って出航の準備だ!」
そして 船に向かっていった。
「世話になったな ケイミー屋」
「ケイミー 色々とありがとね」
「うん! アイリスちんもローちんも元気でね」
「ケイミーも元気でね」
アイリスとローは背を向けて店を出ようとした。
【お待ち ボーヤ】
「?」
ローは振り向いて シャリーを見た。
「これを持ってお行き」
ローはシャリーから花瓶を受け取った。
「わあ 可愛い花瓶!」
「いいのか?」
「男しかいない海賊船なんて花瓶なんてないだろう? 花瓶がないと花は飾れないからね…」
「!」
花をプレゼントするのが初めてだったローは花瓶のことをすっかり忘れていた。
「……礼を言う…」
シャリーはアイリスを見た。
「その花 大事にするんだよ」
「はい!」