2.交差する想い
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アイリス達は洋服を探し歩いていた。
「ごめんね アイリスちん…。 アイリスちんの服 珍しいみたいで なかなかなくて…」
「気にしないで ケイミー」
アイリスは落ち込んでいるケイミーを元気付けようと微笑んだ。
「普通の服は嫌なのか?」
アイリスはローを見た。
「着物類が慣れてるから…。 …ごめんね ロー……」
「いや…謝らなくていい」
アイリス達は一等地 “ギョバリーヒルズ”にやってきた。
「この店ならもしかしたらあるかも!」
そして ムッシュパッパグが経営するクリミナルの前にやってきた。
「…高そうなお店…」
「大丈夫。 私のペットが経営する店なの」
「………ペット?」
アイリスは思わず 首を傾げた。
ローの頭上にも「?」が浮かんでいた。
「アイリスちん、ローちん 早くー!」
「あ うん!」
アイリスとローもクリミナルに入っていった。
「いらっしゃいませ」
「パッパグいる?」
「少々 お待ちを」
店員はパッパグを呼びに行った。
「かわいい服がたくさん!」
アイリスは洋服を見ていた。
少しして パッパグがやってきた。
「ケイミー どうした?」
「アイリスちんの着ている服を探してるんだけど…」
そう言って ケイミーはアイリスを見た。
パッパグもつられてアイリスを見た。
ケイミーはパッパグに事情を説明した。
「変わった服着てるな おめェ」
パッパグはアイリスに近づき アイリスの周りを一周した。
「悪いがこの服はないな。 見たのも初めてだ」
「…そうですか……」
アイリスはしょんぼりとした。
「そう がっかりするな! “ない”とは言ったが、“作れねェ”とは言ってねェよ!」
「?」
「パッパグはデザイナーなんだよ!」
「この俺が作ってやるよ!」
「本当!? お願いします!」
アイリスは頭を下げた。
「オウ! 任せておけ!」
パッパグは胸の辺りに拳をやった。
「じゃあ その服を脱いで これに着替えてくれ」
「うん!」
アイリスは着物ドレスを脱ぎ クリミナルの服に着替えた。
「じゃあ 生地を選んでくれ」
「おい どれくらいで服ができるんだ?」
パッパグはローを見た。
「まだ何とも言えねェけど 今日中にはできるぜ!」
「………」
ローはケイミーを見た。
「ケイミー屋…」
「ん?」
ケイミーはローを見た。
「案内して欲しいところがある」
「いいよ!」
「ロー…どこか行くの?」
「…少しな」
そう言って ローはクリミナルの出口に向かって歩き出した。
「待って…!」
アイリスはローの腕を掴んだ。
「!」
ローは少し驚いた表情で振り返った。
「お願い…置いてかないで……」
私を…見捨てないで……
ローの腕を掴んでいるアイリスの手は微かに震えていた。
「用が済んだらすぐに戻ってくる」
「………」
アイリスは手を放さなかった。
「置いていったりしねェよ。 必ず 戻ってくるから」
「…本当…?」
「ああ…」
「……うん」
アイリスはローを掴んでいた手を放すと 安心したように笑った。
ローとケイミーはクリミナルを出た。
「よかったの? アイリスちん置いてきて…」
「…ああ。 ……アイリスには…内緒にしときたいんだ…」
「もしかして プレゼント!?」
ローは少し恥ずかしそうに頷いた。
「アイリスちん きっと喜ぶよ!!」
「…だといいんだがな……」
「それで ローちん、どこへ案内すればいいの?」
「…花屋だ」
「…花屋? プレゼントに最適だね! あ でも 種類は少ないかもしれないよ…」
「構わねェ。 案内してくれ」
「うん! こっちだよ!」
ローとケイミーは花屋を目指して 歩き出した。
「………」
さっきのアイリス…
なんであんなに俺を行かしたくなかったんだ…?