1.運命の悪戯
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その後 ローは幾つかの質問をしたが、アイリスは黙り込んでしまい 答えなかった。
「…謎の女か……」
「……ごめん…」
アイリスは申し訳なさそうに言った。
「まあ いい。 それも面白そうだ」
「?」
「質問の内容を変えるぞ」
ローはアイリスの肩に乗っているアネモネを見た。
「そのドラゴン、ファードラゴンだな?」
「…どうして 知ってるの!? ファードラゴンはとても珍しい種類のはず…」
「知っている。 昔…ある人から聞いたことがある」
「そうだったんだ…」
アイリスはアネモネに触れた。
「私の大切な友達なの。 そして…大切な人にもらったもの…」
「…大切な人って言うのは……あんたの男か?」
「え!?」
「手術の時に 胸に…キスマークがあった…」
「!?」
アイリスは自分の胸を見た。
確かにそこにはキスマークがあった。
「………」
私が最後にあなたと体を重ねたのはだいぶ前のはず……
いつ つけたの…ドフラミンゴ様……?
「胸へのキスマークは…“所有”…」
「!」
アイリスは顔を上げた。
「あんたは…誰かのものなのか…?」
「…それは……」
アイリスは言葉を詰まらせた。
その頃 ベポとペンギンの教えにより ジャンバールは操縦の仕方を覚えた。
「ベポ これどうしたんだ?」
ペンギンはテーブルの上に置いてあった新聞を手に持って言った。
「あ! シャボンディ諸島で拾ったの すっかり忘れてた。 まだ見てないや」
「落ちてる物 拾ってくるなよっ!!」
「すみません…」
ベポは凹んだ。
「まあいいさ。 新聞は大事だからな」
ペンギンは新聞を見た。
「号外か… ! これは…!!」
「なになに?」
ベポも新聞を見た。
「これって…!」
「早く船長に伝えよう!!」
「ジャンバール 操縦頼んだぞ!」
「任せておけ」
ベポとペンギンは新聞を持って ローがいるアイリスの部屋に向かった。
アイリスはローの質問に言葉を詰まらせたままだった。
「………言えないのなら 無理に答えなくていい」
「……ごめん…。 それを話すには私の過去を話さなきゃいけないから……」
「…過去?」
アイリスは頷いた。
「でも…」
下を向いていたアイリスは顔を上げた。
「…今は誰のものでもないと思うよ……たぶん……」
私はきっと…嫌われてしまったから……
「………そうか」
まあ いい…
誰かのものだとしても 手に入れたいものは手に入れるさ……
【キャプテン(船長)!!】
そこに ベポとペンギンが入ってきた。
「なんだ?」
「この新聞 見てください!!」
ローは新聞を受け取り 見た。
「!!」
その新聞は 火拳のエースの“公開処刑"の日が確定した内容の記事だった。
「ベポ 公開処刑の日にシャボンディ諸島に船を戻せ。 モニターで見る」
「アイアイ キャプテン!」
「…誰か…処刑されるの?」
「“四皇”の一人、白ひげの部下の“ポートガス・D・エース”だ」
「“四皇”って確か…偉大なる航路後半 新世界に皇帝のように君臨する4人の大海賊のことだよね? そして…ポートガス・D・エースって言うのは 白ひげ海賊団 2番隊長…」
「海賊のこと よく知っているようだな」
「…え……うん…。 ある人から…聞いたことがあるから……」
「……そうか…。 …じゃあ 俺たちのことは知っているか?」
「ロー達のことは知らない…」
「…そうか……」
「…薄々気づいてたけど ロー達も海賊なんだよね?」
「…ああ」
「キャプテン率いる “ハートの海賊団”だよ!」
「…“ハートの海賊団”……。 ふふっ!」
「…何がおかしい……?」
「うううん。 おかしくなんかないよ。 ただ…」
「ただ?」
「ローが“ハート”って意外だなぁと思っただけ」
「………」
ローは辛そうな表情をした。
「ご ごめんね…! 悪気があって言ったんじゃないよ…!」
「…いや…」
「…ごめんね……」
そう言えば…ドフラミンゴ様の海賊団…ドンキホーテ海賊団の最高幹部のハートの席が空いていたなあ…
アイリスは記憶を辿った。
「ねえねえ ドフラミンゴ様」
「なんだ?」
「どうして ハートの席は誰もいないの?」
「ある奴のために取ってあるんだ」
「…ある奴?」
「…ああ……ある奴だ…」
そう言ったドフラミンゴの表情は悲しそうだった。
…“ハート“と“ハート”……
…気にしすぎかな……?
【アイリス!】
「!」
アイリスは名前を呼ばれていることに気づいた。
「逆に 俺に聞きたいことはないのか?」
「……どうして…私を助けてくれたの…?」
「………病人を助けるのは…医者の仕事だ…」
お前を助けたかったから……
「…そうだね。 ありがとう ロー」
「…ああ。 だが 昨日も言ったが、長い治療が必要だ。 治療が終わるまではこの船にいてもらうぞ」
「…わかった」
本当は…治療が終わってからも
この先ずっと傍にいて欲しい……