1.運命の悪戯
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次の日になり ローはアイリスの部屋に来て イスに座った。
「寝たままでいいから 俺の質問に答えろ」
「…うん…」
「出身はどこだ?」
「出身は…わからない」
「…なら 育った場所は?」
「私が育った島は2つあるの…。 1つ目は…」
アイリスは遊女として働かさせれていた時のことを思い返した。
「…もう存在しない島…」
ドフラミンゴ様が島ごと吹き飛ばしてくれたから……
「……もう1つは?」
「2つ目は…」
アイリスはドフラミンゴとの約束を思い返した。
「いいか アイリス。 俺とお前のことは絶対に他言するな。 お前の命が危ねェ…」
アイリスは下を向いた。
「……言えない…」
「………」
ローはため息をついた。
【船長! 食べ物と飲み物 持ってきたよ!】
そこに ペンギンとシャチが部屋に入ってきた。
ペンギンとシャチは 食べ物と飲み物をミニテーブルに置いた。
「お嬢ちゃん…じゃなくて アイリスのはこっちね」
「……私の名前…」
「こいつらは俺の船員たちだ」
「…船員?」
「俺はペンギン。 こっちはシャチ。 よろしく!」
「よろしくー!」
「…よろしく…」
「それにしても…」
シャチはアイリスの右目の前髪を横にどけた。
「本当に目の色が違うんだな」
「お前! なに勝手に触ってんだよ!」
「…ぁ……」
「!」
ローはアイリスの異変に気づいた。
「シャチ! その手をどけろ!」
「え?」
「早く!!」
「は はいっ!!」
シャチは慌ててアイリスの前髪から手を離した。
アイリスの体は震えていた。
「ごめん! 怖がらせちゃったかな…!」
「知らない人にいきなり触られれば 誰だって怖ェよ!!」
「……“いきなり”……」
確かにシャチは急に触れた…
だが 前髪を触れただけで あそこまで恐怖するのか…?
単に シャチが怖かっただけなのか…?
なら…こっちから触るんじゃなくて 向こうから触るんだったらどうだ…?
ローは試してみることにした。
ローは手を前に出した。
「アイリス 俺の手に触れてみろ」
「……え?」
「いいから」
アイリスは手を前に出した。
だが ローの手に触れるか触れないかというところで手が止まった。
アイリスの体は微かに震えていた。
ローはアイリスの手をいきなり握った。
「!」
その瞬間 アイリスの体はガタガタと震え出した。
「…すまねェ…」
ローはアイリスの手を離した。
「…いえ……」
アイリスはローに握られた手をもう片方の手で握った。
「ペンギン ベポを呼んで来い」
なら 外見が人間じゃなきゃどうだ…?
「ベポは今、ジャンバールに操縦の仕方教えてるところっすよ」
「代わってこい」
「了解っす!」
ペンギンはベポと代わるため 操縦室に向かって歩いていった。
少しして ベポがやってきた。
「なに キャプテン?」
「ベポ アイリスに…「あ! クマさん!!」」
ローとベポはアイリスを見た。
アイリスは輝かしい目でベポを見ていた。
「ベポ アイリスの手を握れ」
「手を?」
「そうだ」
「……アイアイ キャプテン」
ベポはローの言葉の意味がよくわからないまま アイリスに歩み寄った。
「クマさん!!」
アイリスは満面な笑みでベポに抱きついた。
「!?」
ローとシャチはその反応に驚いた。
ベポはまるで テーマパークの着ぐるみのようにアイリスに可愛がられていた。
「…船長……」
「…ああ……」
…人間恐怖症かと予想したが…そうでもなさそうだ
この船にはアイリス以外の女がいないからわからねェが…
…人間の男限定の…男性恐怖症…か……?
ローはアイリスとベポに視線を戻した。
「クマさん! 可愛い!」
「そうかな?」
「…でも……声…可愛くない……」
アイリスは悲しそうな顔をした。
「すいません…」
ベポは凹んだ。
「…ごめんね! …落ち込まないで…! 落ち込んでいるところも可愛いから…!」
「本当!?」
ベポは笑った。
「おい アイリス」
「ん?」
アイリスはローを見た。
「まだ質問の続きが残ってる」
「…うん!」
「じゃあ 俺は…」
アイリスはペボを見た。
「クマさん またね!」
「“クマさん”…じゃなくて“ベポ”だよ」
「…ベポ?」
「そう。 じゃあ またね」
「うん!」
ベポは操縦室に戻っていった。
アイリスはローを見た。
「………」
ローは無言のまま アイリスを見たままだった。
「…あの…質問は……?」
「………ああ」
ローはイラついていた。
「?」
アイリスはローが怒っている理由がわからず 首を傾げた。
あー あー 船長、妬いてるよ…
ベポ…後でバラバラにされなきゃいいけど……
その様子を見ていたシャチはそう思った。