1.運命の悪戯
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アイリスは暗闇の中にいた。
「…私…死んじゃったのかな……?」
アイリスは辺りを見渡した。
「もっと…生きたかったな……」
アイリスの瞳から涙がこぼれ落ちた。
その時 向こう側が光った。
「…光?」
その光はアイリスの方に向かってきた。
「眩し…っ!」
アイリスは咄嗟に目を手で覆い 目を瞑った。
そこで アイリスは目を覚ました。
「…夢……?」
アイリスは部屋のベッドに寝かされていた。
「ここはどこなんだろう…? 天国? …それとも…地獄…?」
【そのどちらでもない】
「!」
ローがイスに座っていた。
「あ! あなたは…!」
アイリスは起き上がろうとした。
「起きなくていい。 寝てろ」
ローは手を前に出して制止した。
アイリスは頷くと 横になった。
「…あなたがいるってことは…」
アイリスは涙で潤んだ瞳でローを見上げた。
「…私は…生きているの……?」
「ああ。 一度 死にかけ、手術の日から数日間 生死を彷徨っていた…。 だが 目を覚ました今、もう死ぬことはないだろう」
「…本…当…?」
アイリスの瞳から涙がこぼれ落ちた。
「…ああ」
「……ありが…とう……」
アイリスは嬉しそうに微笑んだ。
「…ああ……」
ローは少し照れ臭そうに言った。
「だが…」
「?」
「長い治療が必要だ」
「…治療?」
「体からは見たことがない成分が出てきた」
「!?」
「恐らく麻薬の一種だろう。 その様子だと 依存性はないやつみたいだがな」
「……麻薬…」
アイリスは遊女として働いていた時に無理矢理食べさせられていた物を思い出した。
アイリスは恐怖を感じ 自分の体を抱きしめた。
その時 ドアが開いて アネモネが入ってきた。
「アネモネ!」
「オオォ!」
アネモネは嬉しそうにアイリスの胸に飛び込んだ。
「よかった! 元気になって!」
「そのドラゴンには栄養剤をやっておいた」
「…優しい…方なのね……」
「くくっ…それはどうだろうな?」
「……!?」
「それより…」
ローはアイリスの右目を見た。
「…っ!」
眼帯をしていないことに気づいたアイリスは咄嗟に両手で右目を隠した。
「なぜ 隠す?」
「…気持ち…悪いから……」
「別に気持ち悪いとは思わないが…」
「……え…?」
「むしろ…綺麗だ」
「!?」
アイリスの脳裏にドフラミンゴの言葉が過った。
「もう隠すんじゃねェよ。 綺麗な目なんだからよ」
アイリスは右目を隠していた両手を下げた。
「そう言ってくれたのは…2人目……」
アイリスの瞳から涙がこぼれ落ちた。
「…そうか」
…2人目…
1人目は…所有の印を残してる奴か……
ローは立ち上がった。
「…今日はもう休んでろ。 明日 話を聞く。 こっちもいくつか聞きたいことがある」
「…うん……」
アイリスの返事を聞いたローは扉に向かって歩き出した。
「あの…」
「?」
ローは立ち止まってアイリスを見た。
「…名前…まだ聞いてなかったから…」
「…トラファルガー・ロー……」
「…トラファルガー……ロー……」
アイリスは微笑んだ。
「本当にありがとう ロー!」
「………わかったから早く寝ろ」
「……ごめん。 おやすみなさい」
「ああ おやすみ」
アイリスが横になったのを確認すると ローは部屋を出て行った。
「………」
…ドフラミンゴ様…ごめんね……
…私…生きれたよ……
…ちゃんと今を生きてるよ……
また会ってくれるかな…?
でも…
きっと 私はあなたを怒らせてしまったから……
私のこと 嫌いになったのでしょう……?
…ねえ…ドフラミンゴ様……