1.プロメティーダ
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数日後、アイリスはアルフレッド達と共に、宝石を配った大型の船に乗り 万国を目指していた。
「アイリス様 カタクリと言う方を見つけましたよ!」
「……ホント…?」
アルフレッドはカタクリの手配書を見せた。
「この方で間違いないですか?」
アイリスは頷いた。
「……誠に残念ですが、この方と会う事はなりません」
「……どうして?」
「…“どうして”? この方は海賊なのですよ…!」
「…だから?」
アルフレッドはため息をついた。
「女王である貴女が海賊と関わるなど 言語道断でございます!」
アイリスは瞳を伏せた。
「……恩人なの…」
「……気持ちはよくわかります。 …が、この方は海賊の中でも 四皇ビッグ・マム海賊団の幹部で、最高戦力スイート3将星の一人なのでございます」
「………」
「………」
アイリスは立ち上がって、歩き出した。
「アイリス様 どちらへ?」
「………」
「アイリス様!」
アルフレッドはアイリスの前に立ち塞がった。
「…会いに行くの」
「!?」
アルフレッドは目を見開いて驚いた。
アイリスは海の向こうを見た。
この海の先にあなたはいるのね―――…
一方、カタクリは兄弟たちと共にホールケーキアイランドにいた。
「カタクリ どうしたんだ?」
「………」
カタクリは海の方をずっと見ていた。
「また例の約束の事じゃないのか?」
「ああ 例の」
「…確か明日で17年になるが…彼女が会いに来る気配は一向にない…」
「……カタクリ兄さんはずっと待ってると言うのにな…」
ペロスペロー達は海を見続けているカタクリに視線を戻した。
今年も叶わず仕舞いか―――…
次の日の夕方頃、アイリスを乗せた船は万国の領海、ビッグ・マムのナワバリに入った。
空ではわたアメ雪が降っていた。
アイリスは船の調理場で、カタクリ達への手土産として 色々なお菓子を手作りしていた。
「………」
喜んでくれるかな…
「プルルルルル!!」
その時、電伝虫が鳴った。
アイリスの船がナワバリに入った事は、偵察船からビッグ・マムにすぐに報告された。
「…ジュエリー王国……宝石や貴金属の盛んな国だね」
「………」
宝石の国……まさか な…
『どうやら そこの国の女王様がカタクリ様に御用との事で』
「!」
ビッグ・マムはカタクリを見た。
「カタクリ 何か心当たりがあるのかい?」
「…全く無いとは言い切れないが…」
彼女は王族だったのか…?
ビッグ・マムは電伝虫に視線を戻した。
「女王の名は?」
『アイリスと名乗っております』
「!」
カタクリは目を見開いて驚いた。
ビック・マムはカタクリの反応を見て 笑みを浮かべた。
「まあいい。 ここまで連れてきな」
『かしこまりました』
電伝虫はそこで切れた。
「……ママ」
「お前が大切にしているサファイアをくれた娘なんだろう? 歓迎会を兼ねて 夕食会でも開こう」
「………」
カタクリは瞳を閉じた。
本当に会いに来るとはな――――…
偵察船に案内されながら、アイリスたちは特別にホールケーキアイランドにあるホールケーキ城の裏側のアプリコッ湖にやって来た。
アイリス達は船から降りた。
「大きなお城ですね アイリス様」
アイリスは頷いた。
「……美味しそう…」
向こうから鶴に乗ったランドルフがやって来た。
「………」
…兎が鶴に乗ってる…?
【いい匂いがするね! ウィウィウィ!!】
その横にはブリュレが立っていた。
「……ご親切な対応 誠に感謝致します。 私は執事のアルフレッドと申します」
「アタシはブリュレ。 それはママに言いな。 それで…」
ブリュレはアイリスを見た。
「アンタがアイリスかい?」
「!」
アイリスはブリュレの容姿にビクッとした。
アルフレッドは咳払いをして 掌でアイリスを示した。
「こちらにいますのが、ジュエリー王国 王女、アレキサンドライト・アイリス様でございます」
「!」
はっとしたアイリスは慌てて会釈した。
不思議な方たちが多いのね―――…