4. サフィーロ プロメティド
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ビック・マムに結婚式の日程を伝えた次の日から、アイリス達は結婚式の準備をし始めていた。
そんなある日、以前 取り置きをしておいたウェディングドレスを受け取りに、カカオ島のショコラタウンを訪れた。
「カタクリ様、アイリス様 お待ちしておりました」
「長い間 取り置きしてもらって悪かったな」
「とんでもございません。 今 お持ちします」
そう言って 店員は裏の方へウェディングドレスを取りに行った。
「あの時は嫌な思いをさせてすまなかった」
「!」
アイリスは以前 ウェディングドレスを試着した時の事を思い返した。
「…来ないでっ!!」
あの時は カタクリが選んだウェディングドレスが背中が大きく開いたもので、天竜人の紋章が丸見えになってしまったのよね……
でも今は もう背中を見られても平気
カタクリの刺青とお揃いの色の素敵な刺青が入っているから――…
アイリスは首を横に振った。
「私の方こそ 折角カタクリが選んでくれたのに、背中の痕のせいで 着た姿を見せてあげられなくてごめんなさい」
カタクリは微笑して、アイリスの頭を撫でた。
結婚式の準備に追われていて つい忘れそうになってしまっているけど…
…私の記憶の事も考えないと―――…
【お待たせしました!】
店員が裏の方から戻って来た。
「早速 試着してみますか?」
「…はい!」
「……お着替えのお手伝いはいかが致しましょうか……?」
「……あ…」
……以前は痕があったから断ったけど……
アイリスは頭を下げた。
「…お願いします…」
「かしこまりました! 喜んで!」
店員は満面な笑みを浮かべた。
少しして ウェディングドレスに着替えたアイリスが店員とともに試着室から出てきた。
「っ!」
「……どうかな?」
「……よく似合ってる。 ……綺麗だ…」
「っ! ……ありがとう…」
アイリスは恥ずかしながら 嬉しそうに笑った。
アイリスとカタクリはウェディングドレスを持ち帰り ホールケーキアイランドへ戻って来た。
そして、アイリスとカタクリは自分たちの部屋へ入った。
「カタクリ ちょっといい?」
「どうした?」
「…結婚指輪のデザインを見て欲しくて」
「! …ああ 勿論だ」
カタクリは穏やかな表情をした。
アイリスは幾つかのデザイン画をテーブルに置いて 見せた。
「…どれも素敵なデザインだ」
「…ありがとう。 …カタクリはシンプルめな物が良いかなと思って 裏側にサファイアを埋め込むタイプにしてあるわ」
「…シンプルめの物が助かるが、折角ならサファイアを直ぐ見える表側にも入れてもらった方が嬉しい。 アイリスとの思い出のある特別な物なのだから」
「…分かったわ。…因みに カタクリはどのデザインが気に入った?」
「デザインはアイリスの好みで構わないと伝えであるはずだが…」
「一応 私がデザインした物だから、どれも気に入ってて 決め兼ねていて…」
「……そうか。 俺もどれも気に入ったから難しいが……」
カタクリは1枚のデザイン画を指差した。
「…この2つの指輪を重ねると…デザインが出来上がるのが1番気に入っている」
「じゃあ デザインはこれで決まりね! あとはサファイアを……」
アイリスはカタクリの指輪の表側にサファイアを付け加えた。
「…こんな感じにして…どうかしら?」
「…ああ。 良いデザインだ」
「良かった! あとは当日を楽しみにしていてね」
「ああ」
「………」
カタクリは気を遣って 何も聞いてこない……
…私の記憶をどうするのか と――…
…そして…
… 私が宝石を作り出せる様になったのか と――――…
【アイリス?】
「!」
不安そうにカタクリがアイリスの顔色を伺っていた。
「ごめんなさい。 大丈夫よ」
「…そうか」
カタクリはアイリスを抱き寄せた。
「……カタクリ…?」
「結婚式、そして この先もアイリスと暮らす日常が楽しみだ」
「っ! ……カタクリ…」
アイリスはカタクリを抱きしめ返した。
「…私も楽しみだわ」
「…アイリス…」
アイリスとカタクリは見つめ合い 口付けを交わした。
この先の2人の幸せを願って―――…
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