3.ソンリッサ
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「……ん…」
次の日、アイリスが目を覚ました。
【起きたか?】
「!」
アイリスが起き上がると カタクリがベッドの上で足を組んで座っていた。
「……カタクリ!」
アイリスはカタクリに抱きついた。
「! …どうした?」
アイリスは首を横に振った。
「……寂しかった…」
「……悪かった…」
カタクリはアイリスの髪を撫でた。
そして アイリスの顔を覗き込んだ。
「アイリス 今日はお前に大事な話があるんだ―――…」
アイリスはカタクリに頼まれ、メリエンダ用のドーナツを沢山作っていた。
「出来た!」
が、部屋にカタクリの姿はなかった。
「……カタクリ?」
【アイリス義姉さん お邪魔するよ】
そこに、プリンがやって来た。
「カタクリ兄さんなら ペロス兄さんに呼ばれて、さっき すれ違ったわ」
「……そう」
「それより、今 少し話いい?」
「……話?」
「うん。 ブリュレ姉さんも待ってる」
【アイリス こっちにおいで】
「!?」
アイリスが声をした方を見ると ドレッサーの鏡にブリュレが映っていた。
「!?」
「さ 行こう、アイリス義姉さん!」
プリンはアイリスの手を引いて ドレッサーに歩き出した。
「私 先に入るから、アイリス義姉さんも後に続いてきてね」
「え…」
アイリスは戸惑っていた。
「大丈夫だから」
アイリスは頷いた。
プリンは微笑むと 鏡世界に入っていった。
【アイリス義姉さん いいよ】
アイリスは恐る恐る ドレッサーの鏡に一歩踏み出し 鏡世界に入っていった。
「いらっしゃい アイリス。 よく来たね」
「……鏡が一杯…」
「ここは鏡世界。 アタシは“ミラミラの実”の鏡人間。 鏡があればどこへでも行けるのさ」
「…すごい!」
アイリスとプリンは鏡世界にあるブリュレの家に案内された。
「ここならゆっくりお話できるね」
「……話って?」
「………」
「……カタクリ兄さんから相談を受けてね…」
「…アイリス義姉さんが カタクリ兄さんと食事を一緒にしたいって…」
「!」
アイリスは瞳を伏せて 頷いた。
「…私……失礼な事っ…」
そして アイリスは泣き出してしまった。
「…泣かないでおくれ アイリス」
「…カタクリ兄さんも突き放す様な事を言って 後悔していたわ」
「……カタクリが…?」
「ええ。 …誰にだって語りたくない秘密はあるものなのに…」
「……プリンにも…?」
「……あるわ」
「…プリン…!」
「大丈夫よ ブリュレ姉さん」
アイリス義姉さんの秘密を知っていて 自分の秘密を伝えないなんてしたくない……
ブリュレを横目で見たプリンはアイリスに視線を戻した。
「見ても 怖がらないでね……?」
それは…カタクリ兄さんも同じ事…
プリンは前髪を掻き上げ、額にある3つ目の瞳をアイリスに見せた。
「!?」
アイリスは目を見開いて驚いた。
アイリス達の間に沈黙が流れた。
「……気味悪いでしょ?」
アイリスは首を横に振った。
「…そんな事ないよ」
「…アイリス義姉さん…」
「…プリンはプリンでしょ…?」
「!」
プリンの瞳から涙が流れ落ちた。
「…プリン?」
「…ごめんなさい。 そう言ってくれる人…いなかったから……っ」
アイリスはプリンを抱きしめた。
「…辛いのに…ありがとう……」
ただ 人より瞳の数が1つ多いだけ―――…