3.ソンリッサ
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カタクリはブリュレの部屋にやって来て ドアをノックした。
「俺だ」
ブリュレはドアを開けた。
「待っていたよ お兄ちゃん。 さぁ 入って」
「………」
カタクリはブリュレの部屋に入った。
「ここじゃ 誰かに聞かれるとまずいから、“鏡世界”へ」
ブリュレは鏡世界を作り出した。
「……待て ブリュレ」
ブリュレは振り向いた。
「なに お兄ちゃん?」
「…一体 何の話なんだ?」
「………」
ブリュレは言いにくそうにした。
「…わかった」
カタクリとブリュレは鏡の世界に入っていった。
その頃、アイリスはペロスペローに色々な話をしていた。
が、脳裏では カタクリの事が気になっていた。
「カタクリがどこに行ったか 気になるかい?」
「…え…?」
「さっきから 少し上の空だから」
「……ごめんなさい」
「ペロリン ペロリン♪ 構わんよ」
ペロスペローは笑った。
どうやら カタクリはアイリスの事をちゃんと大切にしてあげられている様だな―――…
鏡世界では、カタクリとブリュレが向かい合って座っていた。
「………」
「………」
「…話す前に1ついい?」
「……なんだ?」
「……怒らないで聞いてくれる?」
「………」
カタクリは頷いた。
ブリュレはひと呼吸置いた。
「……実は――――…」
ブリュレと話を終えたカタクリが部屋に戻って来た。
「お帰り カタクリ」
「…アイリスは?」
「お前を待っていたけど、さっき 眠ってしまって、私が寝室まで運んであげたよ」
「……すまない」
「お安い御用さ。 ペロリン♪」
カタクリはペロスペローと向かい合う形でイスに座った。
「………」
「………」
「………」
「…カタクリ」
「………」
カタクリは瞳を閉じた。
そして、ブリュレとの会話を思い返した。
「…実は……アイリスは……」
「…アイリスがなんだ?」
「………」
ブリュレは瞳を伏せた。
「…アイリスは……天竜人の奴隷だったんだ……」
「!?」
カタクリは目を見開いて驚いた。
「まさか あの子がそんな闇を抱えていたなんてね…」
「……ああ」
「……幻滅したかい?」
「……いや 俺にとっては大した問題じゃない」
「ペロリン ペロリン♪ アイリスは幸せ者だね」
「………」
「お前とアイリスは、他人に見せられない秘密を抱えた似た者同士。 とてもお似合いだと私は思うよ。 だが……」
ペロスペローは立ち上がった。
「天竜人の紋章…早々に消した方がいい。 なんなら…」
ペロスペローの目つきが変わった。
「事情を話してあるプリンに頼んで 記憶の方も消してもらえばいい――…」
そう言い残して ペロスペローが部屋から去っていった。
カタクリはアイリスが眠っている寝室へやって来た。
カタクリはベッドで眠っているアイリスを見下ろした。
お前にそんな秘密があったとはな……
ブリュレも余計な事をしたもんだ
アイリスが天竜人の奴隷だった事が知れ渡れば 彼女が傷つくのが目に見えてわかる……
ペロス兄が言った案は正しいだろう…
…記憶を消す事については…彼女が望めば の話だが……
カタクリはアイリスにそっと触れた。
…天竜人の奴隷…
それがお前の笑顔を奪った原因なのか……?
「ん」
「!」
その時 アイリスが寝返りをした。
彼女が俺との食事を強く望んでいた とブリュレが言っていたが…
「…後は俺がお前に秘密を伝えるだけだな―――…」
アイリス 俺の本当の姿を見て お前はどんな反応をする?
“フクロウナギ”と言って 俺を小馬鹿にするか?
…笑顔を見せないお前が笑ってくれるなら それはそれで嬉しいのかもしれない……
…だが、それでも 本当の俺を受け入れてくれるなら それ以上嬉しい事はない―――…