2.シータ
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【誰の女に手を出しているのか わかっているんだろうな?】
アイリスたちは声の主を見た。
「「……カタクリ様…」」
「もう一度言う。 誰の女に手を出しているのか わかっているんだろうな?」
男たちはアイリスを見て カタクリに視線を戻した。
「…まさか…」
「彼女は何れ 俺の妻になる女だ」
「!」
アイリスは目を見開いて驚いた。
「「申し訳ございませんでした!!」」
驚いた男たちはカタクリに土下座をした。
「……謝罪で済む問題ではない」
カタクリは能力を構えた。
「ご慈悲を カタクリ様!」
男たちは涙を浮かべていた。
「!」
アイリスはカタクリの前で両手を広げた。
「……なぜ邪魔をする? お前を傷つけ様とした者に 制裁を加えようとしただけだ」
アイリスは首を横に振った。
そして カタクリの足に抱きついた。
「………」
「………」
「「………」」
男たちは恐る恐る 逃げていった。
「カタクリ様とアイリス様よ!」
「っ!」
アイリスはカタクリのズボンを強く握った。
「………」
カタクリは島の住民たちを見た。
「島の者に告ぐ」
「!」
アイリスはカタクリを見上げた。
……カタクリ?
「彼女は静けさを好む。 今後一切 俺たちを見ても 大声で騒ぐな――…」
――アイリスとカタクリは家に戻ってきた。
「お腹 空いているだろう?」
「……うん」
カタクリは先程買ってきたドーナツを出した。
「お前が作るものより 味は劣るが…」
アイリスは首を横に振った。
「…いただきます」
アイリスはドーナツを一口食べた。
「…美味しい」
「…そうか」
その後、順番にお風呂を済ませたアイリスとカタクリは寛いでいた。
「………」
「………」
「カタクリ」
「なんだ?」
アイリスは瞳を伏せた。
「……怒ってないの…?」
「……別に怒ってはいない」
「………」
「…ただ」
カタクリはアイリスの髪に触れた。
「!」
アイリスはカタクリを見上げた。
「…心配だった」
「! ………」
アイリスの瞳から涙が流れ落ちた。
「…ごめんなさい…」
「…謝るな。 お前を一人にした俺の責任だ」
「…でも…」
「もういい。 何も言うな」
カタクリはアイリスの髪を撫でた。
「お前が無事ならいい」
アイリスはカタクリに寄り掛かった。
「……ありがとう…」
「……ああ…」
カタクリはアイリスを抱き寄せた。
嬉しかったの…
町中 走り回って、探してくれた事…
“俺の妻になる女”って言ってくれた事…
私を気遣って 島の人たちに忠告してくれた事…
本当に 嬉しかった―――…
アイリスが眠った後、カタクリはアイリスの気がかりな部分を考えていた。
“…来ないでっ!!”
店員が選んだウェディングドレスを試着した時は何ともなかったが
俺が選んだウェディングドレスを試着した後、アイリスは声を荒らげ 試着室から出てこなかった…
俺が選んだものと店員が選んだものの違いは、ただ単に選んだ者の違い…
これについては恐らく関係無いはずだ
…そして ドレスの形…
店員が選んだものはAラインのドレス、俺が選んだものはプリンセスラインのドレス…
デザインの違いはあるが、大きな違いを挙げれば……背中の露出…
店員が選んだAラインのドレスは背中の露出が少ないシンプルなものだったが…
俺が選んだものプリンセスラインのドレスは背中が大きく開いたデザインのものだった……
カタクリは横で眠っているアイリスを見た。
「……背中に何かあるのか……」
――そして…
“……彼女は一体 何に怯えていたんだ――…?”
オーブンのネツネツの実の能力を見た時、彼女は恐怖で震えていた
背中のものと関係があるのだろうか―――…?
【………】
お兄ちゃんが何か困っている様だね…
アイリスには悪いが、少し 観察させてもらおうか――…