2.シータ
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アマンドにナッツ島を案内してもらった アイリスとカタクリは、アマンドと別れて クラッカーが治めるビスケット島へ向かっていた。
【カタクリ様ー! アイリス様ー! メリエンダをお持ちしました!】
「!」
「………」
パティシエ達はアイリスとカタクリの船にメリエンダを運んだ。
「本日のメリエンダは、甘いチョコとモチモチのドーナツでございます カタクリ様」
「………」
「……美味しそう…」
カタクリはアイリスを見た。
「…アイリス 俺は一人で食す」
「……はい…」
「………」
カタクリはパティシエが作ったドーナツを能力で作り出した社に収納し、カタクリは中に篭った。
「……いただきます」
アイリスは1人でメリエンダを食べ始めた。
一緒に食べる方が絶対 美味しいだろうに――…
「アイリス様 お味はいかがですか?」
「………」
「…アイリス様?」
「!」
アイリスは はっとした。
「…お口に合いますでしょうか?」
アイリスは頷いた。
「それは良かった」
「…あの」
「何でしょう?」
「…カタクリは…いつも1人なの…?」
「……はい」
パティシエ達は瞳を伏せた。
「カタクリ様が食事をする姿は、私共は誰も見た事がありません」
「………」
アイリスはイスから立ち上がって 社に歩み寄った。
「「「アイリス様! なりません!」」」
「……わかってるわ…」
アイリスは社に触れて 瞳を伏せた。
…カタクリ―――…
アイリスとカタクリはクラッカーが治めるビスケット島に上陸した。
「よぉ アイリス、兄貴! 待ちくたびれたぜ!」
「……ごめんなさい…」
「いいって! いいって!」
クラッカーはアイリスの手を引いて歩き出した。
「!」
「もう直に日が暮れる。 俺の家に案内するぜ」
アイリスはカタクリを見た。
カタクリは頷いた。
アイリスがクラッカーに視線を戻すと、クラッカーはアイリスに笑いかけた。
「俺の新作のビスケットもゆっくり食べてって欲しいしな!」
「………」
アイリスとカタクリはクラッカーの家へ案内された。
クラッカーは手を叩いて ビスケットを作り出した。
「! ……マジック…?」
「“マジック”? 違う。 俺は“ビスビスの実“の“ビスケット人間”!」
クラッカーは再び手を叩いて ビスケットを作り出した。
「ビスケットは無限に作り出せる」
「……すごい…!」
「まだまだ こんなもんじゃないぜ?」
テーブルの上にはクラッカーが作り出したビスケットが沢山並んでいた。
「……作り過ぎだ」
「…そんな事言わないでくれよ 兄貴!」
カタクリはアイリスを見た。
「アイリスがあんまりにも褒めてくれるんでな!」
「……え…」
クラッカーは笑った。
「…いただきます」
アイリスはビスケットを一口食べた。
「…美味しい…」
「だろ? 今回は少し固めのビスケットにしたんだ!」
「…サクサク…」
クラッカーは嬉しそうに笑った。
「まだ沢山あるからな!」
「…うん」
アイリスはビスケットを食べ終えた。
「……お腹 いっぱい…」
「なんだ 全然食べてくれてねェな…」
「……責任もってお前が食べろ」
「自分で作ったものを自分で食っても つまらねェよ…。 作ったものを人に食べてもらって 喜んでもらうのが嬉しいんだ!」
クラッカーはアイリスを見た。
「な アイリス?」
「……え…」
返答に困ったアイリスはカタクリを見て、クラッカーに視線を戻した。
そして 頷いた。
クラッカーは嬉しそうに笑った。
“美味しい”…その一言でとても嬉しい気持ちになる―――…