5.絶望と希望
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小舟を引きずって海に向かっていたゾロはヒューマンドリルに遭遇し 再び戦っていた。
ペローナは落ち着きなく 空を飛び回り ゾロの悪口を言っていた。
「ロロノアのことが心配なら見てくればいい」
「冗談じゃねェ! なんであたしがあんな奴のことを…!」
「まあ そう簡単に死ぬような奴ではないだろうがな」
「でもあの子の傷 ヒヒだけにやられただけじゃないと思うけど…」
「その女の言う通りだ! あいつはくまの野郎に飛ばされてきた時点で既に体はボロボロだったんだよ! …だから 今度ヒヒとやったら マジでヤバイんだ!」
その後、結局 ペローナはゾロを探しに行った。
「ミホークは行かないの?」
「なぜ俺が行かなければならん」
「……なら私一人で行ってくるわ…。 …心配だから」
アイリスは背を向けて歩き出した。
「………」
ミホークはグラスに入っているワインを見て バラティエでゾロと戦った時のことを思い返した。
ミホークは目を瞑り ワインを飲み干し、空になったグラスをミニテーブルに置いた。
「待て アイリス」
アイリスは立ち止まった。
ミホークは立ち上がり アイリスの隣にやって来た。
「行くぞ」
「…ええ」
アイリスと、帽子を被り マントを羽織ったミホークは歩き出した。
ミホークもやっぱり心配だったのね――…
ゾロはヒューマンドリルに苦戦していた。
その時 ヒューマンドリル達は動きを止め 怯え始めた。
ゾロは後ろを振り向いた。
そこには アイリスとミホークが座っていた。
「“鷹の目”……!! それに アイリスも…!!」
「――もう城を出て随分経つ…まだこんな所にいたのか ロロノア…」
「あらら…またケガしちゃってるじゃない……」
「……悪い…」
ゾロは申し訳なさそうに言った。
「俺のやった小舟はもう使い物にならなそうだな」
「うるせェ!! 元々 木片を貰ったんだと思えばしがみついて泳いでいける!!」
「ふふっ」
アイリスは微笑した。
「――仲間想いもいいが…こいつらは手強いぞ」
ミホークはヒューマンドリルの説明をした。
「まあ 思い上がった若僧にはちょうどいい相手かもな」
「俺の事かよ」
「他に誰がいる? ――もう日暮れだ。 城へ来い。 こいつらは俺の城には近づかん……!!」
「近づかないんじゃなくて 近づけないのよ ミホーク」
アイリスの言葉にミホークは微笑した。
「お前に命令される筋合いはねェ!!! 俺は今!!! 海へ出る!!!」
「…そうか」
ミホークは呆れ 顔を背けた。
「好きにしろ…」
「まぁ 頑固な子…」
アイリスは微笑した。
ゾロは再びヒューマンドリルに挑んでいった。
数日後、ペローナが持ってきた新聞の記事に、ルフィがジンベエとレイリーと共に マリンフォードに舞い戻り、「水葬の礼」、「16点鐘」、「黙祷」をしたことが載っていた。
「…ルフィ…よかった 無事で……」
アイリスは涙を流した。
お父さんも一緒なら心配はなさそうね――…
また、ルフィの行動には、ゾロ達に向けたメッセージが含まれていた。
が、ゾロはいまいちわかってなかった。
「ねぇ ルフィって右肩にタトゥーなんて入れてたかしら?」
「…タトゥー?」
「ほら この数字の…」
アイリスはルフィの写真を指差した。
「!」
ゾロはそこでメッセージの意味に気付いた。
城に戻って来たゾロはミホークに頭を下げていた。
「頼む…俺に剣を教えてくれ!!!」
「………見損なったぞ ロロノア…」
ミホークは正面を見た。
「お前は敵に教えを乞おうというのか…恥を知れ」
「…ミホーク」
「出て行け。 つまらん男に用はない」
「……………」
ゾロは動こうとしなかった。
「俺はお前を過大評価していたようだ…」
ミホークはグラスにワインを注いだ。
「――何をしている…見苦しいだけだ」
「強くなりてェ…!!!」
「…ヒヒにやられて 海へも出られず のこのこと帰ってくる様な男に教える事は何もない」
「…ヒヒなら倒した……!!」
「!?」
…あいつらを!?
ミホークはワインを飲もうとしていたが グラスを口から離した。
城の入口の前には気を失ったヒューマンドリル達が横たわっていた。
「後はお前の首だけだ! ――だが 今 お前に勝てると付け上がる程…俺はバカじゃねェ…!!」
「わからんな。 …俺をまだ敵と見定めていて…なぜ俺に頭を下げ 教えを乞う…!! 何の為にだ!!」
ゾロは顔を上げた。
「お前を 超える為…!!!」
「! …くくっ………ワッハッハッハッハッハッハッハッ…」
ミホークは笑い出した。
「俺の首を狙う剣士を 俺の手で育てろと言うのか!? …おかしな奴だ…!! …くくく!!」
「いいんじゃない。 あなた 暇だし」
「……フフ…バカバカしい。 見映えのせん行為に変わりはないぞ…。 ………どうやら野心に勝る物を見つけた様だな」
ミホークはアイリスを見た。
「アイリス」
「…ええ」
ミホークはゾロに視線を戻した。
「稽古は傷が治ってからだ」
「!!」
ミホークの言葉にゾロは嬉しそうな顔をした。
アイリスはゾロの傷の手当てをし 後をペローナに任せて ミホークのところに戻ってきた。
「よかったわね 最高の暇つぶしが見つかって」
「……そうでもない…」
「あら そう? でも あなた…とても楽しそうな顔してるわよ?」
「………」