5.絶望と希望
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アイリス達はミホークが住処にしている城に着いた。
アイリスは気を失ったゾロをベッドに寝かせて 手当てをした。
「まったく 無茶をするわね…」
この傷…ヒヒ達にやられただけではなさそうね……
そして 広間に戻った。
広間ではミホークは新聞を見ながら 赤ワインを飲んでいた。
その横ではペローナが「え~~~~ん!!」と泣いていた。
「ミホーク 女の子を泣かせちゃだめよ」
「俺ではない。 この記事だ」
アイリスはミホークが示した記事を覗き込んだ。
「七武海のモリアが…戦死…?」
「モリア様が戦争で死んだなんてェ~~~~~~!!!」
ペローナが更に泣き出した。
ミホークは赤ワインが入ったグラスをミニテーブルに置いた。
「耳障りだ。 他所で泣き喚くがいい…」
ペローナは泣き止んだ。
「人が悲しみにふけっているのに何て冷酷な男だ!! 優しい言葉の一つもかけて 温かいココアでも持って来いっ!!! 私は客人だぞ!!!」
「招いていない」
「ミホーク そんなこと言わないの。 私 少し失礼するわ」
アイリスは広間を出ていった。
「この記事は信憑性にかける…」
「え!? じゃあ モリア様が“戦死”したってのは ウソなのか!?」
「……………生死については知らんが…、少なくとも…俺の記憶では モリアは戦場では まだ生きていたと言う事だ…」
【私もそう記憶してるわ】
そこにアイリスが戻ってきた。
ペローナは再び 泣き出した。
「戦死してないのに…じゃあなぜ そんな記事が!? モリア様の身に一体 何が起きたんだよ!!」
「……………さァな」
「まあ そんなに泣かないで。 はい 温かいココア」
アイリスはペローナにココアを渡した。
「あんたも客人だろ! なんでこんな事…」
「気にしないで。 冷めてしまうから早く飲んでね」
「あ ありがとう…」
ペローナは申し訳なさそうに受け取った。
そして 一口飲んだ。
「美味しい…」
ミホークはアイリスを見た。
「勝手に住みついていた女に親切にする必要はないぞ アイリス」
アイリスはミホークが座るイスの横に寄り掛かった。
「でも かわいそうじゃない。 …大切な人を亡くして 悲しんでいるんだもの……」
そう言うと アイリスは悲しそうな顔をした。
「………」
そこにボロボロのゾロが荒い息をして やって来た。
「なんで起きてくんだよっ!! 寝てろ! この死に損ないがっ!!」
ゾロは刀を持っていた。
「そんな体で 刀なんか持ってどうするの?」
「またあんな無茶をする気か!! どうせあのヒヒ達に勝てっこねェくせに 今度は死ぬぞ」
「うるせェ!! てめェには関係ねェことだ…!」
「せっかく女の子が心配してくれてるのに ひどい言いようね…」
「そうだぞ!! それに お前の手当てをしたのはこの女だぞ!!」
「……知っている」
ゾロはアイリスを見た。
「あんたには感謝してる」
「感謝してるなら また傷つくようなことはして欲しくないんだけどね…」
「…ははっ…違いねェ…」
ゾロは微笑した。
「鷹の目…っ」
ゾロは倒れそうになり 刀で体を支えた。
「無理しちゃだめよ」
アイリスはゾロの体を支えた。
「何をそう急いている? 傷ついた体で…」
「お前とアイリスにルフィの現状を聞かされたからだよ!! じっとしてられっか!!」
ゾロはアイリスとミホークの言葉を思い返した。
「――そんなデケェ戦争が起きた事すら ちっとも知らなかった…!!」
ゾロは真剣な目でミホークを見た。
「ルフィは本当に無事なのか!? 今 どこにいる!? もっと詳しく聞かせろ!!」
「俺の知ることは全て話した」
ミホークの言葉にゾロは顔を伏せた。
ミホークはアイリスを見た。
「……ルフィは恐らく 無事よ」
アイリスの言葉にゾロは顔を上げた。
「ルフィはここからそう遠くないところにいるはず…」
「それは本当だな!?」
「……ええ」
「そうとなればこんな所でのんびりしてられねェ…。 邪魔したな」
ゾロは背を向けて歩き出した。
「おい 待て! 運良くヒヒ達にも出会わず 海岸まで辿り着けたとして どうやって海を渡るつもりだ?」
「なら 私が… !」
ミホークはアイリスの前に手を出した。
「小舟でよければ この城の西側に置いてある」
ゾロは立ち止まった。
「…世話になった」
そう言って 部屋を出て行った。
「よかったの? 1人で行かせて…」
「構わん」
「…あなたが楽しみにしている子でしょう?」
「ここでくたばれば それまでだ」
そう言って ミホークはワインを一口飲んだ。