5.絶望と希望
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――頂上戦争で助けてもらったお礼を兼ねて、アイリスはミホークに会いに クライガナ島 シッケアール王国跡地を訪れていた。
「ミホーク 帰ってきてるかな?」
アイリスは歩き出した。
しばらく歩いていると 刀がぶつかり合う音が聞こえた。
「! ミホークかな!」
アイリスは音が聞こえた方へ走った。
その頃、ゾロはヒューマンドリルと戦っており、苦戦をしていた。
「おい! い 生きてるか!」
「うるせェ…気が散るから黙ってろ…!!」
ペローナの警告をゾロは無視をした。
その時 ヒューマンドリルの動きが止まった。
「なんだ…?」
ヒューマンドリルは恐る恐る後ろを見た。
「残念。 違ったわ…」
アイリスはため息をついた。
「あ! あんた ルフィの知り合いの!!」
「ん?」
アイリスはゾロに気づいた。
「あら 久しぶりね」
ペローナはゾロに近づいた。
「おい 知り合いなのか?」
「…ああ」
アイリスは辺りを観察した。
「ふ~ん…なるほど……」
そして 状況を理解した。
「ちょっと お猿さん達どいてね」
ヒューマンドリルはビクビクしながら サッと道を開けた。
「いい子ね」
アイリスは微笑んだ。
「なんなんだ あの女? このヒヒ達が恐怖してる…?」
「あの女が強い…ってことだろ」
「お前より強いのか?」
「実際に戦っているところを見たことはない。 だが 確実に俺よりは上だと言うことはわかる」
なんだ…?
この空気がピリピリする感じ…
ゾロはアイリスと会った時を思い返した。
あの女は恐らく 九尾の狐の能力者…
だとしたら この空気のピリピリ感は……
野生のオーラ…!?
だから このヒヒ達は怯えているのか…!?
アイリスはゾロとペローナの前に立った。
「そんな難しそうな顔してないでよ」
「…ああ…」
「で ここにいるってことは決着でもつけにきたの?」
「……は? 決着?」
「だってここは……あら ご本人の登場だわ」
アイリスは後ろを見た。
ヒューマンドリル達は怯え 逃げ出した。
コツコツと言う足音が近づいてきた。
「この気配…」
ゾロは東の海でミホークとやりあった時のことを思い返した。
「あ あいつは…!!」
「てめェ…」
「た 鷹の目…ミホークっ!」
足音の正体はミホークだった。
ミホークはアイリスの横で止まった。
「アイリス なぜここにいる?」
「決まっているじゃない。 あなたに会いに来たの」
「……嬉しいことを言ってくれるな…」
ミホークは少し嬉しそうな顔をした。
「ここへ来るのに シャンクスがうるさくて! “浮気だー!”って…」
「ククッ。 浮気か…」
「それより ミホーク」
「なんだ?」
「ちゃんとペットの世話くらいしたらどう?」
アイリスはヒューマンドリル達を示して言った。
「そいつらは俺のペットではない。 俺が住処にした時には既にいた」
「あら そうなの。 …イジメてたから」
そう言って アイリスはゾロを見た。
「…弱い奴が悪い」
ミホークもゾロを見た。
「おい! その言葉 傷つくぞ!!」
「必然のことを言ったまでだが」
「! ………」
ゾロは言い返せず 黙り込んだ。
「…っ!」
ゾロは剣を支えにして 立ち上がろうとした。
「やめておけ ロロノア・ゾロ」
「っ!」
「限界を超えたダメージの蓄積、そうでなくとも ヒヒ達すらに勝てぬ者が俺に挑もうと言うのか?」
「どうして…ここにお前がいやがる……?」
「ここはミホークが住処としている島よ」
「ああ。 貴様こそなぜいる?」
「てめェと同じ七武海の…くまに飛ばされたんだよっ…!」
「なるほど。 それで麦わらは…別の者たちとマリンフォードに現れたのか…」
「!?」
「ルフィに会ったのか!? あいつはどうしてる!? 無事なのか!?」
ミホークはアイリスを見た。
アイリスは瞳を伏せた。
「……恐らく 生きているわ。 でも…」
アイリスは自分の胸に触れた。
「心は深刻な傷を負っている…」
「………何があった…?」
「奴は…兄を失った…」
アイリスは顔を伏せて 目を瞑った。
ゾロの顔は青ざめていった。
「……なん…だと……」
「火拳のエースは…麦わらの目の前で死んだ」
「………」
ゾロは顔を伏せた。
…ルフィ―――…