5.絶望と希望
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マリンフォードを後にした赤髪海賊団は、白ひげ海賊団を連れて 新世界に向かっていた。
「親父とエースをどこへ連れていくつもりだい 赤髪?」
マルコはレッド・フォース号に来ていた。
「エトワール島だ」
「……エトワール島?」
「アイリスの産まれ故郷で…アイリスの母親が眠っている島だ」
シャンクスは笑った。
「いい島だぞ!」
「……そうか。 …で アイリスは?」
「……あれからずっと眠っている。 今回の件は アイリスにとっても ショックが大き過ぎた…」
「……ああ…」
その頃、アイリスは夢を見ていた。
……私…守れなかった―――…
アイリスは涙を流していた。
【アイリス】
「!」
アイリスが振り返ると エースが立っていた。
「……エース…?」
「…他に誰に見えるんだよ?」
エースは困った様に笑った。
「…っ! エースっ!」
アイリスはエースに抱きついた。
エースはアイリスを抱きしめ返した。
「…ごめん…辛い思いさせて…」
アイリスは首を横に振った。
「…それと…助けにきてくれてありがとう…」
「……っ…」
アイリスは瞳を伏せた。
「…私…あなたを…」
…助けてあげられなかった……
「………」
エースも一瞬 瞳を伏せた。
そして 微笑した。
「アイリス 顔上げてくれよ」
「……っ…」
アイリスはゆっくりと顔を上げた。
「俺の人生に悔いはない…」
「……エース…」
その後、エースは今まで白ひげ海賊団での出来事を色々話した。
「あ 約束、結局守れなかったな…」
「……約束? …あ! 奢ってくれるってやつね」
「あー 今忘れてただろ!」
「…そんな事ないわよ」
「……へへっ」
「……ふふっ」
アイリスとエースは笑い合った。
やっと笑ってくれた―――…
「あ そろそろ時間だ」
「…時間?」
エースは真面目な顔でアイリスを見た。
「アイリス」
「…なに?」
「俺…アイリスが俺に生きて欲しいって言ってくれた時、すげー嬉しかった…」
「………」
「…ありがとな!」
エースは満面の笑みを浮かべた。
アイリス 本当にありがとう…
…そして……さようなら―――…
「!」
アイリスが目を覚ますと、エトワール島に着いた頃だった。
アイリスは甲板に出た。
「アイリス!」
「シャンクス!」
アイリスはシャンクスの胸に飛び込んだ。
「体はもう大丈夫なのか?」
「…大丈夫よ。 心配させてごめんなさい」
その後、アイリス達は、アイリスの母親であるユメリアのお墓の隣に エースと白ひげのためのお墓を作った。
「赤髪…何と礼を言ったらいいか…」
「つまらねェ事を言うな…。 誰でも“白ひげ”は敬意を払うべき男さ…。アイリスも気に入っていたみたいだしな」
そう言うと シャンクスは自分の隣にいるアイリスを見た。
「…ええ。 私…白ひげ海賊団好きよ。 まるで大家族だし…エースも……」
アイリスの瞳から涙が流れ落ちた。
シャンクスはアイリスの肩に手を置いた。
「アイリス 本調子じゃないだろう? 体に障るからもう戻ろう」
アイリスは頷いた。
シャンクスはマルコを見た。
「――じゃ 俺たちはもう行く…」
「……ああ…ありがとよい」
マルコはアイリスを見た。
「アイリス 早く怪我治せよい」
「マルコもね」
アイリスは去る際 お墓を見上げた。
さようなら…エース、白ひげ……
お母さん 二人をよろしくお願いします―――
アイリスとシャンクスは両側に白ひげ海賊団の船員たちが並ぶ坂を下りた。
「………」
いいか ルフィ
勝利も敗北も知り 逃げ回って涙を流して男は一人前になる
泣いたっていいんだ……!!
乗り越えろ!!!
アイリス達はレッド・フォース号に乗り込んだ。
そして エトワール島を出航した。