5.絶望と希望
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赤髪海賊団はまず、この機を狙って動き出すであろうカイドウと接触した。
そして、小競り合いを起こした。
「………」
エースの処刑まであと1日と数時間……
…いくら 白ひげの邪魔をする奴を排除する為と言っても…
…こんな所でのんびりしてられないのに―――…
エース処刑まで5時間を切った頃、赤髪海賊団と百獣海賊団の小競り合いが終結した。
アイリス達はレッド・フォース号に乗り、マリンフォードへ向けて 出港した。
「…もう時間がない…」
アイリスは獣型に姿を変えた。
「…アイリス?」
〔船を押すわ〕
獣型のアイリスはレッド・フォース号の後ろへ回り 船を押し始めた。
〔…これで少しは早く着くはず…〕
アイリスは歯を食いしばった。
…いざとなれば…私だけでも―――…
レッド・フォース号は、戦場と化しているマリンフォードに刻々と近づいていった。
レッド・フォース号を押している獣型のアイリスの耳にはマリンフォードで戦っている者たちの声が聞こえてきた。
〔エースはまだ生きてるみたい… よかった…… !〕
今の声 ルフィ…!?
どうして ルフィが……
その時 アイリスの耳に今 一番聞きたくない声が聞こえてきた。
〔っ!? この声は…!?〕
なぜ この戦争を引き起こした張本人のあなたがいるの…!?
獣型のアイリスは船を押すのを止め シャンクスがいる甲板の方に向かった。
「アイリス 疲れたろ? 少し休んどきな」
〔………〕
アイリスは甲板の横の上空から動かなかった。
「アイリス 降りて…〔シャンクス〕」
アイリスは真剣な目でシャンクスを見ていた。
シャンクスは真剣な表情になった。
「なんだ?」
〔ごめんね シャンクス…。 私 先に行くわ。 …さっき ルフィの声が聞こえたの…〕
「!」
シャンクスは目を見開いて驚いた。
〔あの子もエースを助けに来てる。 あの子は自分の命も顧みず エースを助けに来たの!!〕
「………」
〔…だから 私は…私はルフィもエースも死なせたくないっ!!!〕
シャンクスはアイリスが飛んでいった方を見ていた。
「よかったのか お頭?」
「……ああなったアイリスは、俺の言葉じゃ止まらねェよ…。 それに マリンフォードはもう直ぐだ。 今更 力尽くで止める必要もない…」
シャンクスは顔を伏せた。
「……我慢した方だよ…」
「……そうだな…」
「………」
シャンクスは ある日の夜中、アイリスがレッド・フォース号から抜け出そうとした時の事を思い返した。
【アイリス どこへ行く気だ?】
「!?」
アイリスは振り返った。
そこにはシャンクスが立っていた。
「…シャンクス……」
「マリンフォードへ行く気か?」
「……ええ」
「どうしても…か?」
「もちろんよ! エースが処刑されるのよ!? どうして シャンクスは今すぐに行きたいと思わないの!?」
「思っているさ。 少し落ち着け アイリス」
「私は落ち着いてるわ!」
「………。 どうしても行くと言うのなら…」
シャンクスは剣を抜いた。
「俺を倒してから行け!!」
「! ………」
シャンクスは剣を構えた。
アイリスは人獣型に姿を変えた。
「……あなたを倒したら行っていいのね?」
「…ああ」
「………」
「………」
しばらく 2人は睨み合った。
アイリスは人の姿に戻した。
「やめとくわ」
「…アイリス」
「あなたを万が一倒せたとしても 私の体はもう戦えなくなっているだろうから…」
シャンクスはアイリスを抱きしめた。
「…ごめんな アイリス」
「………」
アイリスの瞳から涙が流れ出した。
「…信じましょう …白ひげ海賊団を…」
「…ああ…」
アイリス…すまない
…残酷な話かもしれないが…
俺にとって お前の命より大切なものはないんだ……
…だから 絶対に死ぬなよ――――…