5.絶望と希望
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シャンクスと白ひげの覇王色の衝突により天が割れ 赤髪海賊団と白ひげ海賊団の船員たちは困惑していた。
シャンクスと白ひげはお互いに武器をしまった。
「用が済んだら帰れ アホンダラ」
「……ああ。 そうさ… !」
シャンクスが自分の船に戻ろうとして 後ろを振り返ると、さっきまで酔って眠っていたアイリスが下を向いて立っていた。
「アイリス…?」
「………」
前髪によって顔が隠れ アイリスの表情はわからなかった。
「アイリス 大丈…」
アイリスは人獣型に姿を変えた。
「アイリス…?」
そして 人獣型のアイリスはシャンクスの横をもの凄い速さで通り過ぎていった。
シャンクスは白ひげの方に振り返った。
「白ひげ 危ねェ!!!」
人獣型のアイリスは白ひげに向かって殴りかかってきた。
「!」
白ひげはアイリスの拳を掴んだ。
「威勢がいいじゃねェか…」
「………」
人獣型のアイリスはすかさず 蹴りを繰り出した。
白ひげはもう片方の腕で防いだ。
「舐めた真似してくれるじゃねェか…小娘」
アイリスは獣型に姿を変え、口を開き 気の珠を作った。
白ひげに向けた九本の尾の先にも同様に作った。
「親父!!」
そこに鳥型のマルコが飛んで来て 体当たりをし アイリスを飛ばした。
〔あんた 何してんだよい!? 〕
人間の姿に戻したマルコはアイリスから目を離さないように 横目でちらちらと白ひげを見た。
「親父 大丈夫かよい!?」
「…ああ…まさか この小娘が攻撃してくるとは驚いたぜ…」
マルコは人獣型の姿に戻したアイリスに視線を戻した。
「あんたは戦いが嫌いで 敵にも手を出さない平和主義者で有名なんだろ!!」
「………」
「聞いてんの… !」
こいつ 目の焦点が合ってねェ…!
アイリスは再び 白ひげに向かっていった。
「させねェよい!!」
マルコは構えた。
「待て マルコ!!」
「!」
シャンクスは白ひげの前に立った。
「アイリス!!!」
人獣型のアイリスは宙で止まった。
「アイリス 落ち着け」
「………」
「アイリスはこんなことは決してしない優しい女だろ? さあ 帰ろう」
シャンクスはアイリスに手を伸ばした。
アイリスの頭をシャンクスと会った時の言葉が過った。
“俺は赤髪海賊団 大頭のシャンクス! よろしくな!”
「……シャン……クス……」
アイリスは人の姿に戻りながら シャンクスの上に落ちてきた。
シャンクスはアイリスを受け止めた。
アイリスは寝息を立てて眠っていた。
「いったい なんだったんだよい…」
「どうやら 酔ったところに俺らの覇気が加わって 無意識に体だけ動いてたみてェだな……」
「すまん…迷惑をかけた…。 普段のアイリスだったらこんなことはしないんだ」
「わかってらァ…。 その小娘は戦いに参加しねェのも有名だが…その割には懸賞金が高いのも有名だ」
「………」
「それに 最近は妙な噂を聞くよい…」
マルコはアイリスを見た。
「赤髪海賊団の幹部 アイリスは“冥王の子”…だってな…」
「その噂なら俺たちも…アイリス自身も知っている」
「実際のところはどうなんだ?」
「……その通りだ…。 アイリスの父親はレイリーさんだ」
「道理で懸賞金が高いわけだい。 ろくに戦いをしねェ割には戦闘のセンスもあるよい…」
「血筋と本当の実力がわからねェ分 政府も危険視するわけだ…」
「…ああ。 俺たちもアイリスの実力は知らない…。 だが 俺たちはアイリスの強さを信頼している」
「…ん……」
その時 アイリスが少し動いた。
その様子を見てシャンクスは微笑した。
シャンクスは白ひげに視線を戻した。
「じゃあ 俺たちは失礼するよ。 アイリスも休ませてあげなきゃならない」
アイリスを抱き上げたままシャンクスはレッド・フォース号に向かって 背を向けて歩き出した。
「……赤髪」
「?」
シャンクスは振り向いた。
「その小娘がそれなりに実力があるのも お前ェらが信頼しているのもわかった。 …だが 気ィつけろよ。 戦いは強さだけじゃねェ…経験で生死が決まることもあるんだぜ…。 その小娘がもし… 「……わかってる…」
シャンクスは抱き上げているアイリスを強く抱きしめた。
「でも アイリスには“命に代えても護る”…そう約束してあるんだ。 絶対に死なせやしない!」
「……わかってんなら結構だ」
アイリスを抱き上げたシャンクスはレッド・フォース号に戻っていった。