5.絶望と希望
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エースと別れたアイリスはユキリュウ島で休んでいるシャンクス達のもとに帰ってきた。
〔シャンクス!〕
「お帰り アイリス。 慌てて どうした?」
アイリスは地面に降り 人間の姿に戻した。
「エースを止めて欲しいの!!」
「…エースを?」
アイリスは事情を説明した。
「…そうか……」
「このままじゃ エースが…」
シャンクスは紙と羽根ペンを取り出してきた。
「シャンクス 何をするの?」
「白ひげに文を書くのさ」
「文? …もしかして…白ひげに頼むつもりなの…!?」
「ああ」
「そんな悠長なことしてないでよっ!」
「どうせ 俺が言ったって 止まりはしないさ。 それともなんだ アイリスは俺にエースを力尽くで止めて欲しいってことなのか?」
「……そう言うわけじゃ…」
「もっとエースを信頼しろよ。 若くも白ひげ海賊団の二番隊隊長を任されている男なんだ」
「……わかってる……でもっ…」
「大丈夫だから」
シャンクスはアイリスの頭を撫でた。
「よし できた」
シャンクスは羽根ペンを置くと 船員たちの方を見た。
「おーい ロックスター」
「なんですか 船長?」
ロックスターがやって来た。
「新入りの初仕事だ」
アイリスはロックスターを乗せ 微かにするエースの匂いを辿り続け、そして 白ひげ海賊団の船 モビー・ディック号を探し当てた。
〔船首が鯨を象っている海賊船……あれね〕
「大きな海賊船っすね…」
〔わかってるとは思うけど 無礼がないようにね〕
「了解っす」
獣型のアイリスはモビー・ディック号に近づき 前方の上空に止まった。
白ひげは甲板にある大きなイスに座って 治療を受けていた。
「こりゃあ 珍しい客が来たもんだ」
〔お初にお目にかかります 白ひげ。 シャンクスからあなたへの使者として参りました〕
「シャンクス………懐かしい名だ」
〔………〕
「まあいい。 降りてこい」
アイリスはゆっくりと甲板に降りた。
そして ロックスターを降ろし 人間の姿に戻した。
ロックスターは白ひげに歩み寄り 手紙を渡した。
「―――これがシャンクスからの手紙か。 ―――そうか そりゃあご苦労だったな…」
「いえ まだ新入りなもんで」
ロックスターは自分の説明をして、近くにいたマルコに自分の知名度を聞いた。
「いいや…聞いた事ねェな…。 そっちの…」
マルコはアイリスを見た。
「女ならよく聞くがねい…」
「………」
アイリスは横目でマルコを見ていた。
一番隊隊長 マルコ…
シャンクスが言うには、私と同じ 動物系珍獣種の能力者…
その時 ビリ!! ビリリ!!という音が聞こえ アイリスとロックスターは音がした方を見ると、白ひげがシャンクスからの手紙を破いていた。
「ちょっと……アンタ……!!!」
ロックスターは驚いていた。
「手紙なんざよこしやがって………!! あのボウズはいつからそんな大物に成り下がっちまったんだ?」
ロックスターは白ひげに食いかかっていた。
「あんた 気は確かか!!? あ…相手はあの“赤髪”だぞ!!?」
「俺ァ “白ひげ”だ」
「……お頭はこの手紙は急ぎの用だと…!!」
「やめなさい ロックスター!」
ロックスターはアイリスを見た。
「でも アイリスさん!」
「…最初から手紙でやろうとするのが間違ってるのよ」
アイリスは腕を組んで そっぽを向いて小さく息を吐いた。
「グララララ。 わかってるじゃェか 小娘。 赤髪のガキに伝えて来い………。 俺にもの言いたきゃ いい酒持って てめェで来いと……」
「………!!」
「…ええ わかったわ」
その後 ロックスターは電伝虫でシャンクスに報告をしていた。
『ハハハ……変わらねェなあのオヤジも………ハハハ…』
「笑い事じゃあ…!!」
『アイリスも手間をかけさせたな』
「大丈夫よ」
「お頭!! もう少し時間をくれ!!」
『おいおい 何をする気だ。 やめときな。 アイリスも止めてくれよ』
「わかってるわ」
『アイリス、ロックスター 俺たちも白ひげの所に行く。 途中で合流しよう』
「わかったわ」
「…へい」
『政府が出てくると思うから気をつけろよ』
「ええ。 シャンクス達も」
『ああ。 じゃあ またな』
「ええ」
アイリスは電伝虫を切った。
「そう言うことなので 私たちは帰ります」
「どうせまた来るんだ いてもらってもいいんだぜ…」
「ご厚意 感謝します。 でも他人の船じゃ落ち着かないから」
「グララララ。 あのボウズには勿体無ェ小娘だ」
アイリスは頭を下げた。
そして 獣型に姿を変え 背中にロックスターを乗せた。
〔では 失礼します〕
「おい 小娘…」
〔?〕
「祝言の知らせは二人で来いって言うのも伝えとけ…」
〔しゅ 祝言!?〕
「なんだ 違うのか?」
〔私たち まだそんな……失礼しますっ!〕
アイリスは逃げるようにモビー・ディック号を後にした。