4、絆と約束
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ベックマンはアイリスの座るイスを出した。
「どうした アイリス?」
「……これを…」
アイリスはイスに座らず ピアスが入った小袋を差し出した。
「俺に? お頭じゃなくてか?」
「ええ あなたによ」
ベックマンは小袋を受け取った。
「開けていいか?」
「どうぞ」
ベックマンは小袋を開けた。
「…シルバーピアス? これをどうして俺に…?」
「……みんなが言ってたわ…。 …あなたの髪が…白くなってきているのはシャンクスが苦労をかけているせいだって……だから…」
アイリスは瞳を伏せた。
「そのことか…」
ベックマンは頭を掻きながらイスに座った。
「お頭のせいじゃなくて 単純に歳のせいだと思うが…」
「…でも……」
ベックマンはアイリスが言おうとしていることを察した。
「まあ 確かにお頭には手を焼かされているよ。 でも 俺は苦労しない人生より まあ 苦労しないに越したことはないが…苦労する人生の方が楽しいと思うんだ。 だから アイリスが考えていることは間違ってる」
「…ベックマン……」
アイリスは改めて 赤髪海賊団を支えるベックマンの偉大さを知った……
「髪を切った理由もそれが原因なの?」
「ああ まあな」
「私はあなたの髪が真っ白になっても素敵だと思うわ」
「アイリスは綺麗な白髪だからな」
「………」
その時 ベックマンの額の十字傷が目に入った。
気づいた時にはアイリスは十字傷に触れていた。
「…アイリス…?」
「……ごめんなさい…」
「まだ気にしていたのか? 傷が一つ増えようが 二つ増えようが大して変わら「変わるわっ!」」
アイリスの荒げた声にベックマンは驚いた。
「…だって……顔の傷よ……」
「アイリスの顔に傷がつくよりいいさ。 それに アイリスを護ってついた名誉ある傷だよ」
そう言って ベックマンは笑った。
ベックマンの優しさにアイリスはただ涙を流していた。
アイリスはあの後のことを知らない……
戦闘嫌いなアイリスが全ての敵を倒したことを……
泣き止んだアイリスはベックマンの部屋から出た。
そこにはシャンクスが立っていた。
「シャンクス…!?」
アイリスはシャンクスに歩み寄った。
「具合はもう大丈夫なの?」
「…ああ……」
そう言ったシャンクスであったが アイリスの浮気を気にしていて元気がなかった。
「…本当に大丈夫なの? 顔色が…」
アイリスはシャンクスの顔に触れようとした。
だが シャンクスは顔を逸らした。
「! ……シャン…クス……?」
「…すまん」
そう言うと シャンクスは立ち去っていた。
「……シャンクス…」
もしかして…ベックマンにプレゼントをしたことを怒っているの……?
アイリスは去っていくシャンクスの背中をただ見ていた。
シャンクスは自分たちの部屋に戻り ベッドに寝転んだ。
「あー あー…こういう時って同じ部屋だと気まずいよな……」
シャンクスはアイリスがいつも寝ている方に寝返りをした。
「アイリスは…俺に愛想を尽かしたのか……?」
アイリス…俺のどこが嫌いになった…?
…俺よりベックマンの方が魅力があったのか…?
…そりゃあ ベックマンは何でもできるしさ……
シャンクスは目を閉じた。
…せめて…理由だけでも教えてくれ……
…アイリス……
夜になり 夕食の時間になった。
だが シャンクスの姿はなく、甲板にいたヤソップ達は心配していた。
その頃 アイリスは夕食の手伝いをしていた。
「………」
…私……シャンクスに嫌われてしまったのかしら……
「ぼーっとして どうした?」
「あ ごめんなさい。 少し考え事を…。 これ 運んでくるわね」
「待て アイリス!」
アイリスはベックマンの言葉を聞かず 早足で甲板へ料理を運んでいった。
「少し顔色が悪かった…。 早めに休ませたほうがよさそうだ」
ベックマンはアイリスのあとを追った。
アイリスは甲板で配膳をしていた。
「あ アイリス、お頭が来てなくてよ。 様子 見て…」
その時 アイリスの体が揺らぎ 倒れそうになった。
「アイリス!?」
ヤソップは慌ててアイリスの体を支えた。
「アイリス 大丈夫か!?」
【遅かったか…】
ベックマンがやって来た。
ベックマンはアイリスの額に触れた。
「熱があるな。 ヤソップ すぐに部屋に運べ!」
「わかった!」
ヤソップはアイリスを抱えて アイリスとシャンクスの部屋に向かっていった。
ベックマンは冷たいタオルなどを持ち ヤソップのあとを追った。
「考え事のし過ぎで 熱でも出たのか…?」
恐らく お頭の事で…