4、絆と約束
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アイリスはエースを連れて洞穴を出て 誰もいない場所にやって来た。
「あなたと私…何か似てるものを感じるの…。 言葉で表現するのは難しいんだけど…」
「!」
「……ごめんなさい。 やっぱり忘れて…」
アイリスは立ち去ろうとした。
「待ってくれ! 俺も…あんたと会った時から なんとなく感じてた」
アイリスは振り返った。
アイリスとエースは地面に座り 何が似ているのかを模索し始めた。
「ダメだ! 全然 わからねェ…」
「そうね…そう言えば あなた ルフィのお兄さんだったわよね?」
「そうだけど?」
「あなた達って…親はいないの?」
「ルフィは知らねェが 俺はもういねェ。 まあ ルフィにはジジィがいるけど」
「……その口振りだと…エースとルフィの親が違うように聞こえるんだけど……」
「その通りだよ。 俺たちは血の繋がった兄弟じゃない。 杯を交わした義兄弟なんだ」
そう言うと エースは瞳を伏せた。
「……本当はもう一人いたんだ…」
「……え?」
エースは事情を説明した。
「…そうだったの…」
「それより アイリスは親がいるのか?」
「お母さんは亡くなっちゃったけど…お父さんがいるわ」
「……父親ってどんな感じ?」
「…う~ん……」
アイリスはレイリーを思い返した。
「温かく 私のことを見守ってくれている…感じかな」
「…そうか…」
「それと…偉大な人。 あまり言っちゃダメだけど エースには教えてあげる。 私のお父さん、ロジャー海賊団の副船長をしていたのよ」
そう言うと アイリスは笑った。
「!?」
あのクソ親父のっ!?
エースは拳を握りしめた。
「……エース?」
「…アイリス 俺とあんたが似てるところわかった…。 父親だよ」
「…父親?」
「そう……俺の父親は海賊王 ゴール・D・ロジャー…」
「!?」
アイリスは目を見開いて驚いた。
「ロジャー…ってロークダウンで処刑されたんだよね…。 辛かっ…「辛い? 何が辛いんだよ!?」」
今まで抑えてきた感情が爆発し エースは思わず立ち上がって 怒りだした。
「あいつが父親で 俺がどう言う目で見られてきたか わかるか!?」
「……ごめんなさい…そんなつもりは…」
「…あ…!」
エースは座った。
「……ごめん…アイリスは何も悪くないのに……」
アイリスは首を横に振った。
「私がシルバーズ・レイリーをお父さんと知ったのは遅いし、私が娘だってことを知っているのも本の僅か……。 だから あなたがどう言う目にあってきたかはわからない」
「………」
「でも…お父さんのこと…ロジャーのことを嫌いにならないで欲しい」
「そんなの無理に決まってんだろうっ! 俺がどんな思いで生きてきたか わかるかっ!?」
エースは自分が幼い頃に存在を否定するような言葉を言われたことを話した。
「……それでも ロジャーがいなければエースと言う存在は生まれて来なかったかもしれない…。 ロジャーがあって あなたがあるのよ…」
「っ!」
【アイリス どこだー?】
その時 シャンクスの声が聞こえた。
「今 行くわ」
アイリスはエースを見た。
「今すぐとは言わないけど 父親のこと 嫌いにならないであげて欲しい。 子供に嫌われるなんて 親は悲しいことよ?」
アイリスは立ち上がった。
「…それと…私はあなたに生きて欲しい」
「!」
エースは目を見開いて アイリスを見上げた。
「あなたの親が極悪人でも 嫌われ者でも、生きて欲しいと言う者がいることを忘れないで欲しい」
そう言うと アイリスはシャンクス達のもとに戻っていった。
「………」
アイリスの言葉は有難い
…それでも 俺には……
…俺には…生きる意味がわからない…
エースは膝を抱えた。
…俺は……
…生まれてきてもよかったのだろうか……?
次の日の朝 帰っていくエース達をアイリス達は見送っていた。
「世話になったな 赤髪」
「白ひげを倒しにいくのか?」
「ああ そのつもりだ」
「……っ…」
「アイリス」
シャンクスはアイリスの肩に手を置いた。
「ちゃんと見送ってあげなきゃ」
「……うん…」
でも…エースと話すのがこれが最後かもしれない……
と思うと…
「アイリス」
アイリスはエースに呼ばれ エースを見た。
「アイリス 俺は白ひげを倒す! そしたら また会おう! な?」
「……エース…」
「アイリスが昨日言ってくれた言葉は嬉しかった。 ありがとな。 でも 俺はやっぱり前向きには考えられない」
「………」
「それでも いつかは前向きに考えられる日が来るって信じることにしたんだ。 だから それまでは俺のことを“思ってくれている人”のために生きるよ…アイリス…」
そう言うと エースは笑った。
「…ええ…!」
アイリスも笑った。