3.真実と愛
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あなたを殺さない代わりに条件を出す」
アイリスはタンドルを見た。
「……うん」
アイリスはアロガンに視線を戻した。
「まず あなたは国王をやめること」
「国王をやめる!? ふざ…っ!」
アイリスの気迫にアロガンは何も言えなくなった。
「代わりにタンドルが国王となる。 次にあなたは地下通路の牢屋に入ること。 タンドルの気持ちがわかるはずよ」
「! ………」
「そして 最後に…この国を囲む城壁をなくすこと」
「…っ……」
口を開かないアロガンだったが 静かに頷いた。
「アイリス…本当にありがとう!」
「タンドル この国のこと頼むわね…」
「うん!」
タンドルの返事を聞いて アイリスは背を向けて歩き出した。
「アイリス 待てよ!」
シャンクスはアイリスを追ってきた。
「何よ? 私はもう抜けたのよ」
「それはわかってる…。 でも…まだユメリアさんに会ってないだろ?」
「………」
「橋で繋がっている隣の島にユメリアさんのお墓がある。 ベックマン達が先に行っている」
「………」
アイリスはシャンクスに連れられ、ユメリアのお墓があるエトワール島にやって来た。
アイリスがユメリアのお墓がある高台に登ると ベックマン達がいた。
アイリスはユメリアのお墓を見つけ 一目散にお墓の前に立った。
「……お母さん…っ…」
お母さんの匂いだ……
この下にお母さんが…っ…
アイリスは号泣し ユメリアの墓石に泣きついた。
「アイリス」
シャンクスはアイリスの隣に座った。
「ごめんな…アイリス……」
そして アイリスを抱き寄せた。
ベックマン達はその様子を見て アイリスとシャンクスを残し 無言で立ち去っていった。
しばらくして 泣き止んだアイリスはユメリアのお墓に花を供えて 手を合わせた。
シャンクスも同様に手を合わせた。
「「………」」
お互いに伝えたいことを言ったアイリスとシャンクスは立ち上がった。
「綺麗…」
「ああ」
上空には虹が見えた。
「………」
「………」
「シャンクス」
「ん?」
「どうして来たの?」
「“どうして”…ってそりゃあ アイリスを置いていけないし! 人殺しにもさせたくなかったし!」
「…そう…。 そのことに関しては感謝してるわ。 ありがとう」
「……いや…俺の方こそ……本当に悪かった」
「……もう怒ってないから 気にしないで」
「……なら 戻ってきてくれよ!」
「それは無理よ…。 一度抜けるって言っておいて 簡単に戻れるものじゃないでしょう?」
「そんなこと 気にするな!」
「私が気にするの!」
「…アイリス…」
「あなたとの航海 とても楽しかったわ。 ありがとう…。 ……さようなら…」
アイリスの瞳からは涙が流れていた。
「待てよ アイリス!」
シャンクスはアイリスの腕を掴んだ。
「私はもうあなたとは関係ないの! 放っておいてよっ! !」
その時、アイリスはシャンクスに抱きしめられた。
「泣いているアイリスを…放っておけるわけがない……!」
シャンクスは抱きしめる力を強めた。
「……シャンクス…」
「アイリス “船員”として戻るのが嫌なら、俺の“恋人”として戻って来てくれないか…?」
「! それは…」
気づいてた…
少し前から気づいてたんだ…シャンクスへの気持ちに……
シャンクスが私に向けている感情に……
「…だめか? 俺はお前を愛してるんだ…アイリス」
アイリスは静かに首を縦に振った。
「……いいわよ…」
「本当か!?」
「ええ。 私もあなたを愛してるわ シャンクス」
アイリスはシャンクスを抱きしめ返した。
シャンクスは嬉しそうに笑うと アイリスの頬に手を添えた。
「…アイリス……」
そして 顔を少しずつ近づけた。
アイリスは目を閉じた。
そして アイリスとシャンクスの唇が重なった。
アイリスとシャンクスは仲良くアルカンシエル島に戻ろうと向かっていた。
「私…みんなにどんな顔して会えばいいの…?」
「大丈夫だって! 美人は何しても大抵許されるから!」
「真面目に考えてよ… !」
アルカンシエル島に繋がる橋でベックマン達が待っていた。
「…みんな……あの…」
「お帰り アイリス」
ベックマン達は笑って アイリスを温かく迎えた。
「! ……ただ…いま……」
その優しさにアイリスは涙を流した。
やっぱり私は…赤髪海賊団が大好き……
…この先もずっと…ここにいたい……