3.真実と愛
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「…記憶を戻すか、戻さないかの答えを聞こうか…?」
アイリスは予想もしていなかった問いに驚いた。
「記憶を戻せば嫌なことも悲しいことも思い出してしまうかもしれない…。 それでも いいのかね?」
「……はい…。 たとえ辛い思いをしても 忘れたままは嫌です」
「……わかった。 では 家に入りなさい。 この家がアイリスとユメリアが住んでいた家だよ」
ダリアの後に続き アイリスは家に入った。
「……痛いっ!!」
その瞬間 アイリスの腕輪が七色に光り出し、アイリスは急激な頭痛に襲われた。
「アイリス!?」
シャンクスは倒れそうになるアイリスを支えた。
……お母さん……
そして アイリスは意識を失った。
「アイリスっ!?」
「しばらくベッドに寝かせておきましょう」
シャンクスはアイリスをベッドに寝かせた。
「次にこの子が目覚めた時には アルカンシエル島での全ての記憶が戻っているわ」
「…そうか……」
アイリスの腕輪の濁りは完全になくなり 綺麗な七色を放っていた。
「……でも…あの子はまだユメリアが亡くなっていることを知らないのでしょう?」
「ああ…伝えていない。 どうして ユメリアさんは亡くなったんだ? レイリーさんは“島が原因だ”って言ってたが…」
「レイリーって…シルバーズ・レイリーかい!?」
「ああ。 ここに来る前に会ったんだ。 レイリーさんがアイリスの実の父親でいいんだよな?」
「そうよ。 アイリスはシルバーズ・レイリーとユメリアとの間の子だよ」
「アイリスもレイリーさんもすっごく嬉しそうだった」
「そうかい。 それはよかった…」
「それで…ユメリアさんは……?」
「その前にこの島のことを話そう…。 あんた達 この島のこと何にも知らないで入ってきちまったみたいだからね…」
「そう言えば さっき、あなたは俺たちに“新しい住人の方々”と言ったな? どう言う意味なんだ?」
「この島の住民は今や アロガン王によって島に軟禁されている。 一度入れば島を出ることを許されない…」
「!?」
「あんた達がしているネックレス…それを着けたら もうこの島からは出られないんだよ…」
そう言って ダリアはシャンクス達がしているのと同じネックレスを見せた。
「それは困ったな…。 力づくで出なきゃいけないってことだよな…」
「力づく…ふふふっ。 さすが 海賊らしい考えだね」
「一つ聞きたいんだが…その話が本当なら アイリスはどうやってこの島を出れたんだ?」
「ああ それは…」
ダリアはアイリスがアルカンシエル島を抜け出した経緯を話した。
「じゃあ アイリスがこの島を抜け出せたのは悪魔の実を食べたおかげってことか?」
「まあ そうなるね。 あの子が獣の姿になったから 毛皮として…商品としてこの島を出れた…。 考えたのはユメリアだがね…」
「…ユメリアさん……」
ダリアはユメリアを思い出して笑った。
「あの子は本当にいい子だった。 アイリスをとても愛していた。 だから アイリスが生きていたことはあの子にとってとっても喜ばしいことだよ」
「……それで…ユメリアさんが亡くなった原因は……?」
「ユメリアは亡くなったんじゃない。 殺されたも同然なんだ!」
ダリアは怒りを露わにした。
その頃 アルカンシエル島の王様であるアロガンのもとに アイリスが戻ってきたと言う情報が伝えられた。
「なに!? アイリスが!?」
「はい! 確かにあの方はアイリス様でした!」
「あのような美しい女性はそうそういませんから 間違いありません!」
「自ら 私に会いに来てくれるとは……なんと喜ばしい! まったく あの女が早く居所を言わんから 年月が経ってしまったではないか! それで今はどこにいるんだ?」
「ダリアがアイリス様自身の家に入れているのを見たと報告がありました」
「直ぐに迎えに行く! 馬車を用意しろ!」
「お待ちください アロガン様!」
「なんだ!?」
「実は………」
兵士は小声で話した。
「なに…?」
アロガンは何かを考えるかのように顎に手を当てた。