3.真実と愛
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新世界に入ってから月日が経ち、アイリスは18歳になり、一段と美しい女性になっていた。
悪魔の実の能力と覇気も自由に扱えるようになった。
「ねえ シャンクス、アルカンシエル島…見つかりそう?」
「ああ 恐らく この先を真っ直ぐ行けば着くはずだ」
「本当に!? 早く会いたいわ…お母さんに」
アイリスは笑った。
アイリスの笑顔にシャンクスの心は痛んだ。
なぜなら、アイリスが18歳になり アルカンシエル島に着くまで 母であるユメリアが亡くなっていることを告げず、また、アルカンシエル島に早く着かないように遠回りをしていたからだった。
「お頭! 前方にもの凄い霧が…」
「そのまま進んでくれ」
レッド・フォース号はスピードを落とし 濃霧の中に進んでいった。
「凄い霧だな…」
「ああ」
「お頭 このまま真っ直ぐでいいんですか?」
「正確な位置まではわからん。 適当に進んでくれ!」
「違うわ シャンクス。 あっちの方よ」
アイリスは斜め右の方を指差した。
「どうしてわかるんだ アイリス?」
「匂いが…懐かしい匂いがする……」
「………。 方向はアイリスの指示に従ってくれ」
「了解! アイリス 案内頼むぜ!」
「ええ」
アイリスの指示の元 レッド・フォース号は進んでいった。
そして 霧から抜けると虹がかかる島が見えてきた。
「お頭! 島です!」
「間違いない。 あの島がアルカンシエル島だ」
「綺麗な島。 あの島が私の故郷…」
あの島にお母さんがいる…
そう考えるとアイリスはわくわくしてきた。
「………」
シャンクスは嬉しそうにしているアイリスに本当のことを伝える機会を探していた。
レッド・フォース号を停泊し、アイリス達はアルカンシエル島に降りた。
「アイリス 体は大丈夫か?」
「…大丈夫だけど…?」
「なら いいんだ」
アイリスの記憶の鍵の“場所”はこの島じゃないのか……
少し歩くと城壁があり、門番である兵士がいた。
「この島に入りたいんだが…」
「では これを首にしてください」
門番たちは順番にネックレスを渡していった。
「!?」
門番たちはアイリスを見て 驚いた。
「…アイリス様…!?」
「私のこと わかるの!?」
「ええ! それはもう。 美しく成長なされて! アロガン様も大層 お喜びになることでしょう」
「アロガン様?」
なんだろう…
その名前 嫌な思い出が……
「お忘れになられましたか? この国の国王様ですよ?」
「アイリス 国王と知り合いだったんだな!」
「そうみたい…」
「ところで…」
門番はシャンクス達を見た。
「こちらの方々は…?」
「私をここまで連れて来てくれた方たちです」
「これはこれはご丁寧にありがとうございます。 今 迎えを寄越しますので…」
「大丈夫だ。 俺たち 先に行かなきゃいけねェところがあるし。 その帰りに城に寄るから」
「そうですか? では アイリス様もこちらをお着けください」
「はい」
アイリスは門番からネックレスを受け取り 首からかけた。
そして 門が開き 町に入っていった。
「まず アイリスの家を探そう」
アイリス達は町の人たちにアイリスの家の場所を聞いた。
「この辺なんだが…」
【新しい住人の方々…何か探し物ですか?】
一人の老婆が店から出てきた。
「俺たち 住人じゃねェよ。 アイリスの家を探してるんだ」
「!?」
老婆はシャンクスの隣にいるアイリスを見て驚いた。
「ユメリアの娘の…アイリスかい…?」
老婆は涙を浮かべ アイリスの手を持った。
「…はい。 あなたは?」
「私はダリア。 アイリスは今 記憶をなくしているんだったね…」
「!」
「アイリスのこと 詳しく知っていそうだな」
「私は幼いアイリスの面倒をよく見ていてね…。 アイリスは私を本当の“おばあちゃん”として接してくれていたよ」
「……おばあちゃん…」
「この島にはユメリアに会いに来たのかな?」
「はい。 お母さんはどこにいますか?」
「………」
ダリアは少し黙ってしまったが 口を開いた。
「……その前に記憶を戻すか、戻さないかの答えを聞こうか…?」
「……え?」