2.巡り合いと鍵
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アイリスとシャンクスは迎えに来てくれたベックマン達と合流した。
「アイリス これで体隠しな」
そう言って ベックマンはアイリスの体を毛布で包んだ。
「ありがとう ベックマン」
「部屋 温めておいたから 行ってな」
「うん」
アイリスは自分の部屋に向かった。
「お頭 なんで裸だったの…? アイリスもだったけど…」
「もしかして とうとう襲…「違うって!」」
シャンクスは慌てて否定した。
「濡れたままの服を着てると風邪引くだろ!?」
「そうだけど…お頭は引かないだろうな…」
「……っ…!」
【お頭をからかうのはそこまでな】
「ベックマン!」
シャンクスはベックマンに救いを求めた。
「お頭 あんたも休んだらどうだ?」
「これくらいどうってことない! それより アイリスは?」
「問題はない。 大丈夫だ」
「よかった…!」
「お頭 いきなり海に飛び込んで行くから びっくりしたっすよ!」
「アイリスを見失わないようにするので頭がいっぱいだったからな…」
シャンクスと船員たちの会話を聞きながら ベックマンは調理室に向かった。
アイリスは洋服を着替え ベッドに横になり、シャンクスの言葉を思い返していた。
【俺は…俺 一人として見て欲しい…】
「あれって…もしかして……」
その時 ドアがノックされた。
「はい?」
アイリスはベッドから起き上がり 座った。
「俺だ。 入るぞ?」
「どうぞ」
ベックマンがアイリスの部屋に入ってきた。
「ホットミルクだ」
「ありがとう ベックマン!」
アイリスはホットミルクを飲んだ。
「美味しい…体が温まる…」
「それはよかった」
「アイリス 今日は早めに休め」
ベックマンは立ち去ろうとした。
「待って!」
アイリスはベックマンの腕を掴んだ。
「少しだけ 話を聞いて欲しいの……」
「………」
ベックマンはアイリスの隣に座った。
「話ってなんだ?」
アイリスはシャンクスに言われたことを話した。
「お頭がそんなことを……何もされなかったか?」
「…うん…後ろから抱きしめられたけど……」
「それで済んでよかった」
「え?」
「いや。 それで アイリスはどうしたんだ?」
「…何も…」
「そうか…」
「…私…どうすればよかったの?」
「そのまま身を委ねてればよかったのかもな…」
「!」
「フッ。 冗談だ」
「もう ベックマン!」
アイリスは顔を赤くして 少し怒った。
「そう膨れるな。 それはアイリスがシャンクスのことをどう思っているかだな…」
「私が…どう思っているか……?」
「ああ。 アイリスはお頭のこと どう思っている?」
「……急に言われてもわからないよ……」
「そうだろうな…。 だが 嫌いじゃないだろ?」
「うん! むしろ 好きだよ!」
「それはどう言う意味でのだ?」
「どうって……どうだろう…? わからない…」
「それはいずれわかる日が来る。 だから 今まで通りに接してやってくれ」
「……うん…」
ベックマンは微笑すると 立ち上がり ドアの方へ向かって歩き出した。
「ベックマン、話 聞いてくれてありがとう」
ベックマンは手を上げた。
「それと…ベックマンも好きだよ」
ベックマンは驚き 立ち止まって 振り返った。
「私…シャンクスもベックマンも…みんな 好きだよ」
ベックマンはアイリスの頬に触れた。
「それはどう言う意味でだろうな?」
「!」
ベックマンが帰った後 アイリスは眠りにつく前にベックマンとの会話を思い返した。
「……そう言うことは男に軽く言うもんじゃない…。 勘違いする奴がいる…」
「………」
「それに その言葉は地味に傷つく。 お頭に言わなかったか?」
「…え そうなの!? …言っちゃった……」
「……お頭 不機嫌そうにしてなかったか?」
「…あ してた…」
「人として“好き”と言われるのは悪い気はしねェし、アイリスが俺たちのこと “みんな好き”って言ってくれるのは素直に嬉しい。 ありがとう。 だが お頭は気にするから 今度から気をつけな」
「…わかった…」
アイリスはベッドに入った。
「私…知らず知らずの内にシャンクスのこと…傷つけちゃってるのかな……」
ごめんね シャンクス……
そして 目を閉じた。
アイリスはまだ シャンクスへの思いが何か気づいていなかった―――…
その思いが愛情と言うことに気づくのはまだ先の話――…