2.巡り合いと鍵
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
アイリス達はシャボンディ諸島を出航した後、途中 魚人島に立ち寄り、新世界に入った。
「アイリス ここから先は今までいた海よりもずーっと危険だ。 戦いになることも多い…。 だから 少しでも危険を感じた時は隠れてるんだぞ」
「……シャンクス達は大丈夫なの…?」
「心配するな。 俺たちなら大丈夫だ」
「…本当…?」
「そんな悲しそうな顔をするな。 …俺たちのこと 信用できないか?」
アイリスは首を横にぶんぶん振った。
「大丈夫だ」
シャンクスは笑って アイリスの肩に手を置いた。
「…うん」
アイリスも笑い返した。
数日経ったある日の晩、穏やかな天気のため 甲板で宴をしていた。
だが 少しして嵐になった。
「アイリス! 船の中に入ってろ!」
「うん…!」
アイリスは船の中に戻ろうとしたが、大波で船は揺れ なかなか前に進めなかった。
「船が揺れる……痛っ!」
アイリスは船の壁に体をぶつけた。
その衝撃により アイリスの腕から腕輪が抜けて海の方へ飛んでいってしまった。
「腕輪がっ!」
アイリスは迷わず 海に飛び込み、海に落ちる寸前に腕輪を掴んで 腕にはめた。
バシャーン!!
そして アイリスの体は海へ落ちた。
「…っ…」
悪魔の実の能力者であるアイリスは海に入ったことにより 全身の力が抜けていった。
「!」
体が…!
そして アイリスの体は沈んでいった。
苦しいっ…!
…助けて……シャンクス……!
アイリスの意識はそこで途絶えた。
【アイリス あなた1人で逃げなさい】
…誰……?
顔はボヤけててわからなかった。
…もしかして……お母さん…?
そして 顔がはっきりと見えた。
その女性の顔はアイリスにそっくりで、アイリスの母であるユメリアであると気づいた。
ユメリアはにっこりと微笑んだ。
お母さん!!
アイリスはそこで目を覚ました。
「アイリス!」
目の前には深刻な表情のシャンクスがいた。
「シャン…ごほっ ごほっ…!」
アイリスはシャンクスの名前を言い終える前に海水で咳き込んだ。
「大丈夫か?」
シャンクスはアイリスの背中を摩った。
「…うん…」
「…よかった」
シャンクスは安心したように笑った。
「…シャンクスっ!」
アイリスはシャンクスの胸に飛び込み 泣き出した。
シャンクスはアイリスを強く抱きしめ返した。
「すまん。 怖い思いをさせた…」
アイリスは首を横に振った。
「シャンクスがちゃんと助けてくれるって信じてたから…」
「……そうか…」
「ところで ここはどこなの?」
「わからない。 だが 無人島みたいだ。 人の気配がない」
「ベックマン達は?」
「アイリスを助けるのに必死だったから 置いてきちまった。 俺たち あの嵐でだいぶ流されたみたいだしな…」
「……ごめんね シャンクス」
「……謝るなよ。 アイリスが無事でよかったよ」
「ごめん。 ありがとう シャンクス」
「ああ。 俺のビブルカードを預けてあるから すぐに迎えが来るだろう。 それまで少し休んでいよう」
「うん」
ベックマン達 大丈夫かな…?
アイリス達は体を温めるため 火をつけた。
「アイリス 服脱いで乾かしとこう」
「え?」
シャンクスは服を脱いで 干していた。
「アイリスも脱がないと 風邪引くぞ?」
「いや…でも……」
「心配するな! 何もしたりしないし 背を向けとくから見ないぞっ!」
そう言うと シャンクスはアイリスに背を向けて座った。
「………」
アイリスはクスッと笑い 服を脱いで干した。
そして シャンクスに背中合わせに座った。
「寒くないか?」
「大丈夫。 …シャンクス…温かいね」
アイリスは背中越しにシャンクスの体温を感じた。
「! ……アイリス お腹減らないか?」
そう言うことを言うなよな…
意識…しちまうだろ……
シャンクスは話題を逸らした。
「私は大丈夫だよ」
「…そうか? ならいいんだ…」
「………」
「………」
二人の間に沈黙が流れた。
先に口を開いたのはシャンクスだった。
「アイリス」
「ん?」
「アイリスは前に“赤髪海賊団が好き”って言ってくれたよな?」
「うん!」
「どう言うところが好きなんだ?」
「…う~ん……みんなが優しいところかな…」
「アイリスは“みんな”とか“達”って言うよな…」
「え?」
シャンクスはアイリスを後ろから抱きしめた。
「俺は…俺 一人として見て欲しい…」
「……シャンクス…?」