2.巡り合いと鍵
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シャンクスがレイリーに問いかけようとした時、タイミング悪く アイリスとシャクヤクが帰ってきてしまった。
「……お帰り アイリス」
「ただいま シャンクス。 …ごめん…なんか 大事な話してた…?」
アイリスは辺りを見て言った。
「いや 大丈夫だ…! ロジャー船長の話をしてたらしんみりになっちまてな……! なァ レイリーさん?」
「あ ああ…そうなんだ」
「?」
シャクヤクは夕食の支度を始めた。
「それよりシャンクス、お前と会った時から気になっていたんだが…」
「ん?」
「トレードマークの麦わら帽子と…左腕はどうした?」
「ああ そのことか…。 両方とも渡したんだ!」
シャンクスは右手で残っている左腕の上腕に触れた。
「レイリーさん 俺ァ本当に驚いたよ!! “東の海”に…!! ロジャー船長と同じ事を言うガキがいたんだ………!!」
シャンクスはレイリーを見た。
「船長のあの言葉を…!!!」
「……そうか……あの言葉を……。 お前が言うその子に会ってみたいものだ…」
「あと10年くらいしたら会えるよ! 新世界に向かう海賊たちは一度 この島で集まるから」
「10年か…まだまだ先が長い…」
「よかったわね レイさん、楽しみが増えて」
シャクヤクは料理を運んできた。
「おお 今日は随分と豪華だな」
「だって今日はお客さんがいるし、それにレイさんの娘さんもいるしね」
シャクヤクはアイリスを見た。
「娘か…ハハハ まだ慣れんな…」
レイリーはアイリスを見て笑った。
「さっきアイリスちゃんがレイさんと話したいって言ってたわよ」
「え?」
「私もちょうど君…いや お前と話したかった アイリス」
「レ…じゃなくて……お…お お父さん……」
「ハハハ! 好きに呼びなさい」
「……“お父さん”…って呼んでもいいですか?」
「ああ 構わんよ。 でも 敬語はやめてくれ」
「あ…ごめんなさ…ごめんね」
レイリーは笑ってアイリスの頭を撫でた。
そして アイリス達は夕食を食べ終え、お風呂に入り、寛いでいた。
アイリスはレイリーと色々な話をしていた。
「そうか…シャンクスが……」
レイリーはシャンクスを見た。
「礼を言う シャンクス。 …そして すまない」
「左腕なんて安いもんだ。 アイリスが護れたんだから」
「……そうか。 だが アイリスはやらんぞ!」
「俺たち まだそんな関係じゃねェよ」
「“まだ”とはなんだ!」
シャンクスはアイリスを抱き寄せた。
「それは…あれだよな アイリス?」
「シャンクス 飲み過ぎだよ…!」
シャンクスとレイリーの言い合いは夜中まで続いた。
アイリスはシャンクスに寄っ掛かって眠っていた。
「お頭 アイリスが…」
「ああ。 そうだな」
シャンクスはアイリスを抱き上げようとした。
「お前はダメだ! 何をしでかすかわからん!」
レイリーはベックマンを見た。
「随分 信用されてるもんで…」
ベックマンは頭を掻きながら シャンクスに歩み寄った。
「姫さん 失礼するよ」
ベックマンはシャンクスからアイリスを受け取ろうとした。
が、アイリスはシャンクスのマントを掴んで離さなかった。
「アイリス 俺がいいって…レイさん」
シャンクスは嬉しそうに笑って言った。
「………仕方ない。 ベックマン お前も一緒にいけ」
「寝室はこっちよ」
アイリスを抱き上げたシャンクスとベックマンはシャクヤクに寝室へ案内された。
シャンクスはアイリスをベッドに寝かせようとしたが、先程と同様 アイリスはシャンクスのマントを掴んで離さなかった。
シャンクスはマントを取り アイリスと一緒に寝かせた。
「何の夢見てんだろうな?」
「…さァな…。 だが とても嬉しそうな顔をしている」
「…ああ。 ………」
「………」
「…アイリスが…もし 母親が亡くなっていることを知ったら……」
「しっかりしているとは言え まだ13の子供だ…」
「…そう…だよな…」
まだ13歳なんだよな…
「記憶の手掛かりを掴めたと思った矢先……母親が亡くなっている事実を受け止められるかどうか……」
「まだ話すのはやめよう。 せめて18になるまで…」
「お頭にしては正しい判断だ」
「…アイリスを傷つけなくないんだ……。 たとえ 俺たちが嘘つきになったとしても……」
「…ああ」