2.巡り合いと鍵
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アイリスとシャクヤクは買い物を終え “シャッキー’S ぼったくりBAR”に向かっていた。
「あの…」
「なあに アイリスちゃん?」
「シャッキーさんはレイリーさんと長いんですか?」
「…長い付き合いになるわね」
「…レイリーさんは…私のこと迷惑に思ってないですか…? 私 それが不安で……」
「逆に…アイリスちゃんにはどう見えたの?」
「! 私ですか……私は…優しそうな方だと思いました」
「ふふ。 多分 アイリスちゃんが思っている通りの人よ レイさんは」
「え?」
「レイさんは裏表がない人よ。 だから アイリスちゃんに見えているそのものがレイさんの本心よ」
「…本心…」
「だから アイリスちゃんのこと迷惑だなんてこれっぽっちも思ってないと思うわ。 むしろ とても嬉しそうだったわよ」
「……よかった」
「心配なら 帰ってから話してみるといいわ」
「なんか緊張します…。 話そうとしても何から話せばいいのか…」
「いいのよ。 自然に話せば。 親子って何を話すか考えて話すんじゃなくて 今日あった出来事とか、些細なことを話し合えるものじゃないかしら…」
「些細なこと…」
「あ それと “レイリーさん”じゃなくて“お父さん”の方が喜ぶと思うわ」
「…そうでした…。 …“お父さん”…か…」
アイリスは嬉しそうに笑った。
「………アイリスの母親 ユメリアは既に亡くなっている…」
「「「!!?」」」
その場にいた全員が目を見開いて驚いた。
「アイリスの母親が…死んでいる………? レイリーさん 何かの間違いだよな!?」
レイリーは首を横に振った。
「…私はアルカンシエル島を出る時 ユメリアからビブルカードをもらった…」
「まさか…」
「…ああ。 今 手元にユメリアのビブルカードはない…。 燃え尽きてしまったんだよ……」
レイリーは再び 目に涙を浮かべた。
シャンクスはカウンターを拳で叩いた。
「どうして アイリスの母親が…!? そんなに年いってないだろ…!?」
「お頭 落ち着け。 ……病気だってこともある…」
「いや ベックマン。 ユメリアが死んだのは病気ではない」
「!」
レイリーは立ち上がると 手紙の束を持ってきて シャンクスに渡した。
「これは…?」
「ロジャー海賊団が解散した後 私はある島で過ごすことにした。 あの頃は海軍たちが私を探す動きが活発でな……すぐには会いにいけないことを伝えるためにユメリアに手紙を書いた」
「その返事の手紙がこの束か…」
シャンクスは手紙を読みながらレイリーの話を聞いていた。
「ああ。 少しして彼女から手紙が返ってきた。 もちろん 私の名前は伏せてあるがね。 そこから 私とユメリアは手紙でやり取りをすることにしたんだ。 まあ 私は追われる身だからほとんど送ってないが…」
シャンクスは手紙を読み終えた。
「レイリーさんのこと…ほんとに好きだったんだなァ…」
「ハハ そうかもしれんな。 ……だが…そんな日々は長くは続かなかった……」
レイリーは瞳を伏せた。
「ある日 突然ユメリアからの手紙が途絶えた。 私は初め 愛想を尽かされたのだと思っていた。 だが 実際は違った…」
「………」
「ユメリアから手紙が来なくなって幾日か経った後、私は異変を感じた。 それは ユメリアにもらったビブルカードがだんだん小さくなっていたのだ……」
「!」
「あの時はいてもたってもいられなくなり、私はすぐにアルカンシエル島を目指した。 ユメリアのビブルカードを頼りにしてな」
レイリーの目に涙が浮かんだ。
「だが…アルカンシエル島に向かっている途中…ユメリアのビブルカードは……私の掌で……」
レイリーは言葉を詰まらせた。
「…そして…ユメリアの死後、アルカンシエル島への航路がわからなくなった私は当てもなく海を彷徨っていた。 そんな時 届いた…最後となる手紙がこれだ…」
レイリーは他のに比べてくたくたになった手紙をシャンクスに渡した。
「他のに比べてボロボロだ…」
シャンクスは手紙を受け取り 読んだ。
「これは…!?」
「…私の予想が正しければ…ユメリアは島が原因で亡くなった……」
「「「!!?」」」
その場にいた全員が目を見開いて驚き 静まり返ってしまった。
「私がわかっていることはこれが全てだ」
「レイリーさん どうして…「ただいまー!」」
そこに アイリスとシャクヤクが帰ってきた。