2.巡り合いと鍵
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シャンクスの腕から出血していた理由は、人獣型のアイリスがミホークに恐怖した結果 シャンクスの腕を強く掴み 鋭い爪が刺さったからだった。
「はっはっはっはっは!!」
シャンクスは豪快に笑った。
「なんか痛ェと思ったら アイリスの爪が刺さっていたのか!」
そう言うと シャンクスはまた笑った。
「じっとしてろ」
ベックマンはシャンクスの腕に包帯を巻いていた。
「笑い事じゃないっすよっ!」
「アイリス 泣いちゃってるし…」
アイリスはシャンクスに抱きつき シャンクスを傷つけたことを泣いていた。
「アイリスの尻尾 ふかふかで気持ちいいな!」
「「「そうじゃなくて…!」」」
「…わかってるって…」
シャンクスは真面目な顔をした。
「アイリス 泣くのやめて笑ってくれよ! な?」
そう言うと シャンクスは笑った。
アイリスは泣くのをやめて シャンクスを見上げた。
「…ごめんね…! シャンクス…っ!」
「よしよし」
シャンクスはアイリスの頭を撫でた。
「これでいいだろう」
ベックマンは包帯を巻き終えた。
「サンキュ」
【…赤髪…】
ミホークは少し申し訳なさそうにしていた。
シャンクスはミホークを見た。
「気にするな 鷹の目」
シャンクスはアイリスを見た。
「鷹の目は確かに怖ェ顔してるかもしれねェけど、本当は優しいんだぞ!」
「おい 赤髪…!」
「いいから いいから」
シャンクスはミホークをなだめた。
「目だって金色してんだぞ!」
「…金色……?」
アイリスは恐る恐るミホークを見た。
確かに シャンクスの言った通り 金色の目をしていた。
あまりの綺麗さにアイリスは魅了された。
「おい 九尾娘。 いつまでも見てくれるな…」
「! ごめん…!」
アイリスは視線を逸らした。
「鷹の目 照れてやんの!」
ヒュッ!
その時 シャンクスに向かって ミホークが首にかけている小さなナイフが飛んできた。
シャンクスは右手の人差し指と中指で挟んで止めた。
「危ねェな! アイリスに当たったらどうすんだよ!?」
「そんなヘマはしない」
「…そりゃあ そうだな!」
シャンクスは笑った。
「……赤髪…」
「ん?」
ミホークの表情は険しかった。
「なんだよ その怖い顔?」
「お前…左腕はどうした?」
「………」
シャンクスは残っている左腕の付け根を掴んだ。
「わけあって無くしたんだ」
「貴様 なぜ利き腕をなくして平気でいられる……?」
「?」
シャンクスは首を傾げた。
「いや お前に言ってもわからんだろうな…」
ミホークは立ち上がった。
「帰れ。 二度と貴様とは戦わん!」
そう言うと ミホークは背を向けて歩いていった。
「鷹の目!?」
ミホークは振り返らず 屋敷に入っていった。
「……俺…気に障ること言ったかな?」
「言葉ではない。 お頭が左腕を失ったことだろう」
「…左腕…?」
「剣士にとって利き腕は大事だ。 お頭はその利き腕である左腕を失った。 つまり 以前のように本気で戦えなくなったと鷹の目は感じたのだろう…」
「…俺にはまだ右腕があるぞ…!」
「そう言うことじゃない」
【つまり…それって……私のせいだよね……?】
アイリスは涙で潤んだ瞳でシャンクスを見上げた。
「アイリスが気にすることじゃないさ」
アイリスは立ち上がった。
「私 謝ってくるよ!」
「アイリス?」
「だって 鷹の目とはライバルだったんでしょ!? だったら シャンクスと戦うの きっと楽しみにしていたはずだよ!!」
「気にしすぎだよ。 その内 機嫌直すって」
「それじゃダメなの! 一度すれ違ってしまったら…一生仲直りできないかもしれない…」
「…大袈裟だって!」
「いいから! これ貸して」
アイリスはシャンクスの右手からミホークが普段 首にかけている小さなナイフを取った。
そして 屋敷に向かって走っていった。
「ちょっ アイリス…! …行っちまった…」
「アイリスに任せとけば平気だろ」
「それより アイリス 一人で大丈夫か?」
「それどういう意味 ベックマン?」
「…深い意味はないが…」
そう言うと ベックマンはたばこを吸い始めた。
鷹の目…アイリスに惚れたな……
剣術でもライバルみたいだが
恋でもライバルか……
ベックマンはたばこの煙を吐き出した。
三角関係…これからどうなるんだか……