1.恩人と航海
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【アイリス 試着終わったか?】
しばらくして シャツを選び終えたシャンクスがアイリスのもとにやってきた。
男性店員はシャンクスを見た。
「とてもお似合いです」
シャンクスは買ったばかりのシャツに着替えていた。
「ありがとう。 で アイリスは?」
「今 最後の服の試着してもらっているところです。 他にもこういう感じの服を選んで着てもらったのですが…」
男性店員は掛かっている服を示していった。
「ああ。どれもいい」
「ありがとうございます。 どれもお似合いでした」
「モデルがいいからな」
シャンクスは笑いながら言った。
少しして アイリスが最後の服を着替え終えて試着室から出てきた。
「シャンクス…!」
「アイリス 似合っているな!」
「…ありがとう。 シャンクスも似合ってるよ」
「ありがとう。 もう会計を済ませたから その服のままで行こう」
「え?」
アイリスがシャンクスの右手を見ると 会計を済ませたアイリスのたくさんの服が入った袋を持っていた。
アイリスは服のタグを取ってもらった。
「「ありがとうございました!」」
女性店員と男性店員は頭を下げた。
アイリスとシャンクスは店を出た。
「こんなに買ってもらってよかったの?」
アイリスは申し訳なさそうにシャンクスを見た。
「気にするな」
「……ありがとう…」
「おう!」
そう言うと シャンクスは歯を見せて 嬉しそうに笑った。
その頃 ベックマン達はレストランでアイリスの歓迎会の手配を頼んでいた。
「料理はこれで頼む。 あと 1人分だけ弱いお酒を頼む」
「かしこまりました。 時間はどうなさいますか?」
「1時間後に頼む」
「わかりました。 では先ほどの内容の料理を1時間後に配膳させていただきます」
「ああ」
ベックマン達はレストランの外に出た。
「副船長 アイリスとお頭は1時間後に戻ってきますかね?」
「恐らくな」
「間に合いそうになかったら探せばいいよ。 そんなに広い町じゃないしー」
「じゃ 今から自由時間だな」
「また1時間後だ」
「1時間後じゃ遅ェから 10分前にはここに戻ってこい」
時間に厳しいベックマンは時間にルーズな赤髪海賊団のメンバーに釘を刺した。
「…わかった」
「副船長はここに残るんすか?」
「誰かいねェと探しに行っちゃうかもしれねェからな」
「じゃあ俺も残ろう」
「俺も」
「俺も残るよ」
「…好きにしろ……」
結局 その場にいる赤髪海賊団は全員 レストランの横で待っていることにした。
アイリスとシャンクスは町の中心にある女性の石碑の前にいた。
「この石碑は何?」
「この石碑は願い事をするといいことがあるという幸運な石碑なんだ」
「そうなの?」
「ああ。 俺とアイリスが会ったのはきっと この石碑のおかげなんだ」
「…そうだったんだ」
「そうだ。 アイリスも何か願い事をしてきなよ」
「うん!」
アイリスは願い事をした。
赤髪海賊団と…シャンクスと…
この先もずっと一緒に航海ができますように
願い事をし終えたアイリスはシャンクスを見た。
「シャンクスは何か願い事しないの?」
「俺はこの間 この町に来た時にしたし…」
「なんて願い事をしたの?」
「“いい事がありますように”って」
「プッ」
アイリスは軽く吹き出した。
「なんだよっ!?」
「なんかベタなお願いだなって思って」
「ベタなお願いで悪かったな」
シャンクスは少しふてくされた。
アイリスはふてくされているシャンクスを見て微笑した。
シャンクスは真剣な顔になった。
「でも…」
「…でも?」
「俺の願い事はちゃんと叶ったから…」
「……叶った?」
「…ああ」
シャンクスはとても穏やかな表情をした。
「アイリスと出会えたから…」
「………」
アイリスは意外な回答に驚き 瞬きもせずにシャンクスを見つめたままだった。
「……私でよかったの?」
「何が?」
「せっかくの願い事だったのに……私と会ったのは“いい事”になったの…?」
「…ああ。 少なくとも俺にとっては最高のいい事だよ」
「……それならよかった…」
私も…シャンクスに出会えてよかったよ…