1.恩人と航海
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そして 朝になった。
だが アイリスの姿はなかった。
「アイリス まだ起きてないのかな?」
ルウ達は心配していた。
ベックマンはシャンクスを見た。
「お頭」
「ん?」
「昨日…何もしてないよな?」
「!? 何もしてねェよ」
シャンクスは冷静を装った。
「お頭 何かしたの!?」
「まさか…!!」
「「「襲っちゃった!!?」」」
「襲ってねェよっっ!!」
【どうしたの…みんな…?】
そこに目をこすりながら アイリスが起きてきた。
船員たちはアイリスに走り寄った。
「アイリス 何かされてないか!?」
「体に異変はないか!?」
「どこか痛いところはないか!?」
「えっ!? えっ!?」
アイリスは質問詰めにされ 戸惑った。
「アイリス 困ってるからやめてやんな」
ヤソップはアイリスに質問詰めをしていた船員たちを注意した。
「あ…悪い アイリス」
「何もされてないようでよかった」
「……どういう意味?」
ベックマンはアイリスに歩み寄った。
「アイリスにはまだ早いことだから気にすんな」
「…気になる…」
「それよりアイリス 体調はどうだ?」
「まだ少し 頭が痛い…」
「…そうか。 ならこれでも飲んどきな」
そう言って ベックマンは頭痛薬と水を渡した。
「ありがとう ベックマン」
アイリスは頭痛薬を飲んだ。
「さっきのこと、アイリスがもう少し大人になったら お頭が教えてくれるさ」
ベックマンは去り際に小声で言った。
「え?」
アイリスは目をきょとんとさせた。
ベックマンは微笑すると シャンクスのもとに戻っていった。
「ベックマン 変なこと言ってないよな?」
「さぁな」
そう言うと ベックマンはたばこを吸い始めた。
「ベックマンっ!?」
「それよりお頭、昨日の夜 アイリスに何した?」
「!? …はぁ~…ベックマンには隠し事できないな…」
シャンクスは頭を掻きながら言った。
「俺は誤魔化せないぜ」
そう言うと ベックマンはたばこの煙を吐き出した。
「アイリスの髪にキスしただけだよ」
「よっぽどアイリスのこと気に入ってんだな」
「……ああ」
シャンクスは頬をぽりぽりと掻きながら 少し恥ずかしそうに言った。
【お頭 アイリスを連れ出した島が見えましたー!!】
「もう少し近づいてくれ」
レッド・フォース号はアイリスを連れ出した島に近づいた。
シャンクスはアイリスを見た。
「本当にいいのか? 降りなくて…」
「…うん。 この島にはあまりいい思い出はないし…」
「アイリスはなんでこの島にいたんだ?」
「…わからない……。 …私…自分の出身の島での記憶だけが抜けたみたいで…思い出せないんだ……」
「…そっか…」
「…この島には何か原因があって来たはずなんだけど…原因も思い出せないんだよね……」
そう言うと アイリスは下を向いた。
シャンクスはアイリスの頭に手を置いた。
「!」
アイリスはシャンクスを見上げた。
「これから偉大なる航路の色々な島を周っていくから アイリスの出身の島を探そう!! そしたら 何か思い出せるかもしれない! だから…元気出せ!! な?」
「…シャンクス…。 ……っ…」
アイリスの瞳から涙が流れ落ちた。
「泣くなよ~…」
シャンクスはアイリスの頭を撫でた。
「…だって…っ!」
アイリスの瞳からは涙が溢れ出した。
「あー お頭がアイリスを泣かせたー!」
遠くでは船員たちが騒いでいた。
「泣いてたら 綺麗な顔が台無しだぞ」
シャンクスはアイリスの涙を拭いながら言った。
「…っ……シャンクス……」
「一緒に記憶探ししような!」
アイリスは満面な笑みを浮かべた。
「…うん! …ありがとう シャンクス…!」
やっぱり シャンクスは優しい…