1.恩人と航海
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朝になった。
「……ん…」
アイリスは目を覚ました。
「アイリス おはよう!」
「おはよう シャンクス。 何をしているの?」
「荷造りさ。 今日でこの村には戻ってこないからな」
「そうなの?」
「ああ。 今日からの航海はアイリスも一緒だぞ!」
「うん!」
アイリスは嬉しそうに笑った。
アイリスとシャンクスが港に行くと ベックマン達はレッド・フォース号に荷物を詰め込み 船出の準備をしていた。
「アイリス! シャンクス!」
アイリスとシャンクスを見つけたルフィが駆け寄ってきた。
「副船長に聞いたんだけど この船出でもう この町へは帰って来ないって本当!?」
「ああ。 随分長い拠点だった。 ついにお別れだな。 寂しいだろ?」
「うん。 まあ寂しいけどね。 もう連れてけなんて言わねえよ! 自分でなる事にしたんだ 海賊には」
「どうせ 連れてってやんねーよー」
シャンクスはベーと舌を出した。
「お前なんかが海賊になれるか!!!」
「なる!!!」
ルフィは船出の支度をしていたベックマン達を見た。
「俺はいつか この一味にも負けない仲間を集めて!! 世界一の財宝見つけて!!! 海賊王になってやる!!!」
「ほう…! 俺たちを超えるのか」
シャンクスは麦わら帽子を取った。
「……じゃあ…」
そして ルフィにかぶせた。
「この帽子をお前に預ける」
「!」
「俺の大切な帽子だ。 大事にしろよ」
「…………!!」
ルフィは涙を流した。
シャンクスは背を向けて ルフィを見た。
「いつかきっと返しに来い。 立派な海賊になってな。 約束だぞ ルフィ」
アイリスはしゃがんで ルフィを抱きしめた。
「ルフィ ありがとう。 絶対 また会おうね!」
ルフィは頷いた。
「…ぜっだい……ぜっだい 会いに行ぐよ…!!」
「うん!」
アイリスとルフィはまた会うことの約束として指切りをした。
アイリス達はレッド・フォース号に乗っていった。
「錨を上げろォ!!! 帆をはれ!!! 出発だ!!!」
そして レッド・フォース号は出航した。
フーシャ村の人々はアイリス達を見送った。
ルフィは泣くのを堪え シャンクスから預かった麦わら帽子を手で持って見送った。
そして フーシャ村から遠ざかり 見えなくなった。
「さぁて どこへ行くか?」
「「「行く場所 決めてないんかいっ!!」」」
思わず 船員たちはツッこんだ。
「アイリスが行きたい島に行けばいいさ」
「私!?」
アイリスは思わず驚いた。
「心配すんな。 ちゃんと決めてある。 大まかに言うと偉大なる航路に向かう。 その前にローグタウンに行くけどな」
「…偉大なる航路……痛っ」
アイリスは頭を押さえた。
「大丈夫か!?」
「…うん。 その航路 どこかで聞いたことがある……」
「もしかしたらアイリスの記憶に何か関係があるのかもしれないな」
「よかったな アイリス!!」
「うん!」
アイリスは笑った。
「話は変わるが…アイリス」
アイリスはベックマンを見た。
「なに?」
「むやみに悪魔の実の姿になるな。 危険だから」
「…そうなの?」
「悪魔の実は希少なもんだって説明しただろ?」
「うん。 売れば1億ベリーはくだらないんだったよね?」
「ああ。 だから 悪魔の実を食べた能力者も希少。 その中でもアイリスが食べた実は恐らくかなり希少…」
「……狙われるかもしれないってこと…?」
アイリスの顔が恐怖に変わっていった。
その時 アイリスの肩に手が置かれた。
「大丈夫だって! ちゃんと俺が護るから!!」
アイリスはシャンクスを見た。
「…うん……」
アイリスはベックマンを見た。
「忠告してくれてありがとう」
「ああ。 まあ お頭だけじゃなくて俺たちもちゃんと護るから安心しな」
「うん…!」
アイリスは嬉しそうに笑った。
「それよりアイリス お前を連れ出した島に行かなくても平気か?」
アイリスはシャンクスを見た。
「平気だよ。 私の私物はこれだけだから…」
そう言って アイリスは七色に輝く腕輪に触れた。
「それ 綺麗だな。 でも 少し濁ってる…?」
「うん そうなんだよね…。 でも 私にとって 大切な物みたいなんだ……」
アイリスは悲しげに言った。
「…悪い…一部の記憶を失っているんだったな……」
シャンクスはアイリスの頭に手を置いた。
「大丈夫! いずれ思い出すさ! その腕輪のことも全部!!」
「…シャンクス…… うん!」
「そうとなりゃ まずは…アイリスの歓迎会だ!!!」
船員たちは喜びの声をあげた。