焔の間:~青炎と溶けない氷~: 青の祓魔師 奥村燐と勝呂寄り


キーンコーンカーンコーン


ここは正十字学園中層部・私立正十字学園高等学校わ、

今日は一学期が無事に終了した日。

世は本日から夏休みである!と意気込みたい名無しさんであった。

しかし祓魔師候補生に夏休みなど存在すらしない。

今日から三日間、”林間合宿”と称し”学園森林区域”にて実践訓練を行う。

夏休み前半は塾や合宿を強化。

本格的に実践任務に参加できるかどうか細かくテストしていく期間だ。

この三日間の林間合宿もテストをかねている。

向かうは正十字学園最下部・学園森林区域。

森林区域はセミが鳴きまくり蚊は飛びまくり噛まれまくる。

広いところに出て夕方までにテントを張る。

夜になれば下級ではあるが、この場所は悪魔の巣窟と化する。

男性陣は”奥村先生”とテントの設営と炭おこし。

女性人は”霧隠先生”の指示にしたがってテント周囲に魔法円の作画と夕食のしたく。

テントもはりおわり夕食もなんとか無事に作れて夜になる。



「では夕食がすんだところで今から始める訓練内容を説明します」

「つまり肝試し肝試し~~♪」

「シュラさん…勤務中ですが…」



と、ここで引っ掛かることがひとつ。



「つかその女18歳やゆーてへんかったか!?未成年やろ!?」

「18歳?何をバカなことを。この人は今年でにじゅうろ…[カンッ]…」

「んにゃー。手ぇすべった~~」

「おい…仕事をしろ…!」

「「「「「……………」」」」」

「え――…では…説明します。…これから皆さんにはこの拠点から
四方散り散りに出発してもらいこの森の何処かにある提灯に
火をつけて戻ってきてもらいます。三日間の合宿期間内に提灯をつけて
無事戻ってきた人全員に実践任務の参加資格を与えます。
――ただし”提灯は三つ”しかありません。置かれている場所は
”拠点の中心から半径500m先のどこか”とだけ教えておきます。
…つまり実践任務の参加資格は”3枠”しかないということになります」

「そ…それって………!」



8人中3人だけが参加資格を貰えるということは5人が脱落。

候補生試験とはハードルのたかさが違う試験。

そうやすやすとは合格できないと言うこと。



「――この訓練、完全にお互い奪うあうように仕組まれとる。
――でも奪い合い始めたら多分全員全滅や。この任務はとにかく
自分自身がとることだけ考えるんが正解やな…助け合いもなしや!」

「何があっても恨みっこなしですね」

「そうね、どうやっても枠は3つしかないんだもの。むしろ清清する」

『ま、死なないようにだけは頑張るってね』

「では位置について、よーい」



パァン

開始の銃声が森に響き渡る。

全員一斉にダッシュして提灯を探しにいく。

前から襲ってくる敵は恐らくチューチの一種だ。

名無しさんはというとフルーレティの力を借りてどんどん凍らせていく。



「きゃあああああ!!!!!」

『しえみ!?』



反対側からしえみの叫び声が聞こえる。

声のした方に走っていくと青い炎が見えた。

奥村燐が感情に任せて力を使ったんだろうなと安易に予想はつく。



『燐!』

「ほたるか!」

『なにがあったの!?』

「このまわりの虫にやられたみたいだ」

『ねぇ、今の青い炎って……』



パキッ



『!?』

「……お前、なんや今のは」


「勝呂…」

「大丈夫か杜山さんは」

『(見られてないの?)』

「た、多分!一応息はしてる。頭から血ぃ出てるけど」

『とにかくライト消そ』

「せやな。蛾は光に集まってくるからな」

「えっそうなの?」

『知らなかったの?;;』

「それはそうと今の青い光なんやったん。
暗闇で急に光ったから目ぇくらんでよー見えんかったけど」

「さ…さあ俺もよく見えなかった!多分アレだアレ…?なんだアレって」



ごまかすのに必死の奥村燐。

それもそのはず。人々が恨み捜し求める青い炎。

それが自分の体から発せられるのだから。



「つーかお前はなにしに来たんだよ」

「なにて…!助けにきたんやろ」

『…でも勝呂くん…助け合いはなしとかなんとかいってなかった?』

「そ、それは!///あんな断末魔みたいな悲鳴聞いたらほっとかれへんやろ!」

『優しいんだね』

「///」

「まあしえみは大丈夫みてーだし…ここは俺に任せてお前ら、先に行けよ!」



先にいかせて自分はしえみを拠点に戻すという考えだろう。

しかしこの暗闇のなかでライトをつければまた蛾はよってくる。

そうなったときにしえみを連れ戦うことはできない。



「任せてってお前は…?」

「拠点にこいつ預けに戻る。そんでまたひっかえすよ!」

「…お前な…」

「ん…」

『しえみ!』

「名無しさんちゃん?…あれ…まっくら…ニーちゃん!」



ガバッと勢いよく起き上がったしえみ。

先程の蛾の襲撃で紙を破られたらしい。

ストックを探すもなかなか見つからない。

本人いわく蛾に襲われたときに落としたかもしれないとのこと。



「伏せろ!」



突如暗闇から襲ってきた人物。



「志摩!ライト消せ!つーかなんでくわえてんねん!」

「坊!?…あれ?皆こんなところでなにしてはるの?」

「お前こそどないしてん!」

「大量の蛾が俺の全身を包み込んでそれからの記憶が…」

「そうか…お前虫嫌いやったな」



ブーブー

勝呂と志摩の携帯がなる。



「子猫丸からや。」



メールの内容はこうだ


”提灯見つけました。見つけてわかりましたが、この訓練
絶対一人ではクリアできません。協力しましょう。
場所は拠点から北東にまっすぐ進んで…(以下略)”

というものだった。



to be continued
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